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真心の言葉は伝わる、といういい話風のそうでもない話
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2017年7月5日のブログからの転載です。
◇◇◇
外勤めの頃、私はコミュ障の割に可愛がられる方でした。
まだ若くて可愛かったというのは大きかったと思いますが、「人をいい気分にさせるのがうまい」と思われていたふしがあります。
(少なくともチョウチンアンコウやハダカデバネズミには圧勝という程度には可愛かったと自負しております)
例えばこんなことがありました。
その1「お嬢さん4人でしたっけ?」
同じ職場で違う係の係長さんには、美人な奥様と3人のかわいい娘さんがいまして、時々、家族旅行先で撮った写真を見せてくれました。
広報を発行するという仕事柄、定期的に職場を訪れる現像プリント業者の方がいたので、個人的な写真もそこでお願いしているようでした。
いつものように、仕上がりチェックがてら写真を見ていた係長さんの背後に人が集まり、ここ行ったことがあるとか、この間(写真の旅行先で買った)のお土産がおいしかったとか、口々に無難なことを話していた中、まだ若くて可愛かった私はこう言いました。
「あれ、お子さん3人っておっしゃってましたよね?4人?こんな立派なお嬢さんもいたんですか?」
誓って言いますが、私は歓心を買うためにお上手を言ったわけではなく、ふと浮かんだ疑問を口にしただけでした。
さすがに当時40代前半だった係長さんの、3人子供を産んだ奥様を15歳以下だと思ったわけではありませんが、 とてもきれいで若々しくて、頑張れば20代ぐらいに見えたので、ひょっとしたらすごく結婚早かった系?くらいの気持ちで聞いただけでした。
…それ以来、私はこの「違う係の係長」の大のお気に入りになり、お昼ご飯も時々おごってもらっていました(350円の職員食堂の定食ですが)
その2 「すっごくキレイな人ですね!」
選挙事務のバイト(という表現は不正確なのですが)にて。
自治体職員が各々の自宅の近所またはエリア内の投票所に割り振られることが多いため、職員同士もご近所である確率が高く、何なら投票に来る人も人見知りが多いというシチュエーションをご想像ください。
私はいわゆる「受付(投票用の入場はがきをチェックする)」係でしたので、投票所に入ってくる人を一番先に確認できます。
来場者数には波があり、何となく混み合う時間とガラガラの時間がありますが、そのどちらでもない時間帯に、ほっそりしているけれどお腹の大きい女性がいらしたのです。
往年のドラマ『うちの子にかぎって…』で、田村正和演じる「先生」の「妊娠中の若妻」を演じたときの森下愛子さんのような、色白で何ともあえかな風情の美人さんで、年齢は20代後半という感じでしょうか。
おお、きれいな人だなあと内心思ったのですが、1人か、もしくはそこまで口を利いたことがない人と一緒だったなら、多分「内心」で終わったことでしょう。
たまたまそのとき同じ係だった人は、同じ部署の先輩だったので、何の気なしに口を突いて出てしまいました。
「あの人すごくキレイですね。あの紺色のワンピースの人」
「ん?ああ、あの人はね…」
(ここで受付をしたため、会話が途切れました)
私は全く知らなかったのですが、実はその女性は、2人いた名簿照合係(受付の後の段階)のうちの1人…の奥様だったのです。
受付とは至近距離だったことと、ご自分の奥さんが入場というタイミングだったことで、私の「ぼそっ」がナチュラルに耳に飛び込んできたのでしょう。
「オー、うちのワイフが褒められてるよ」と満更でもないお気持ちになったようです。
全く別の部署の方だったこともあり、その日までその方とは口も利いたことがなかったのですが、選挙翌日以降、職場の売店などで顔を合わせると、「やあ、○○さん、今日もカワイイねえ!」というノリで、やたら朗らかにあいさつされるようになりました(ご飯も飲み物もおごってくれませんでしたが)。
面白いのは、どちらも「知らずに奥様の若さや美貌を褒めたこと」がきっかけだったことです。
奥様を褒められるのはやはり嬉しいものなんでしょう。
そして、お世辞ではないということが十分伝わったからこそ、あそこまでのフレンドリーさを私のような者にまで振り撒いてくれたのではと。
何とも微笑ましい限りです。
我が夫婦は今日が結婚記念日です。
『少年アシベ』の父ちゃん&母ちゃんのように「愛を贈る」だけですが、ついでにおかず上乗せサービスか、ケーキかワインでも買ってきますかね。
◇◇◇
外勤めの頃、私はコミュ障の割に可愛がられる方でした。
まだ若くて可愛かったというのは大きかったと思いますが、「人をいい気分にさせるのがうまい」と思われていたふしがあります。
(少なくともチョウチンアンコウやハダカデバネズミには圧勝という程度には可愛かったと自負しております)
例えばこんなことがありました。
その1「お嬢さん4人でしたっけ?」
同じ職場で違う係の係長さんには、美人な奥様と3人のかわいい娘さんがいまして、時々、家族旅行先で撮った写真を見せてくれました。
広報を発行するという仕事柄、定期的に職場を訪れる現像プリント業者の方がいたので、個人的な写真もそこでお願いしているようでした。
いつものように、仕上がりチェックがてら写真を見ていた係長さんの背後に人が集まり、ここ行ったことがあるとか、この間(写真の旅行先で買った)のお土産がおいしかったとか、口々に無難なことを話していた中、まだ若くて可愛かった私はこう言いました。
「あれ、お子さん3人っておっしゃってましたよね?4人?こんな立派なお嬢さんもいたんですか?」
誓って言いますが、私は歓心を買うためにお上手を言ったわけではなく、ふと浮かんだ疑問を口にしただけでした。
さすがに当時40代前半だった係長さんの、3人子供を産んだ奥様を15歳以下だと思ったわけではありませんが、 とてもきれいで若々しくて、頑張れば20代ぐらいに見えたので、ひょっとしたらすごく結婚早かった系?くらいの気持ちで聞いただけでした。
…それ以来、私はこの「違う係の係長」の大のお気に入りになり、お昼ご飯も時々おごってもらっていました(350円の職員食堂の定食ですが)
その2 「すっごくキレイな人ですね!」
選挙事務のバイト(という表現は不正確なのですが)にて。
自治体職員が各々の自宅の近所またはエリア内の投票所に割り振られることが多いため、職員同士もご近所である確率が高く、何なら投票に来る人も人見知りが多いというシチュエーションをご想像ください。
私はいわゆる「受付(投票用の入場はがきをチェックする)」係でしたので、投票所に入ってくる人を一番先に確認できます。
来場者数には波があり、何となく混み合う時間とガラガラの時間がありますが、そのどちらでもない時間帯に、ほっそりしているけれどお腹の大きい女性がいらしたのです。
往年のドラマ『うちの子にかぎって…』で、田村正和演じる「先生」の「妊娠中の若妻」を演じたときの森下愛子さんのような、色白で何ともあえかな風情の美人さんで、年齢は20代後半という感じでしょうか。
おお、きれいな人だなあと内心思ったのですが、1人か、もしくはそこまで口を利いたことがない人と一緒だったなら、多分「内心」で終わったことでしょう。
たまたまそのとき同じ係だった人は、同じ部署の先輩だったので、何の気なしに口を突いて出てしまいました。
「あの人すごくキレイですね。あの紺色のワンピースの人」
「ん?ああ、あの人はね…」
(ここで受付をしたため、会話が途切れました)
私は全く知らなかったのですが、実はその女性は、2人いた名簿照合係(受付の後の段階)のうちの1人…の奥様だったのです。
受付とは至近距離だったことと、ご自分の奥さんが入場というタイミングだったことで、私の「ぼそっ」がナチュラルに耳に飛び込んできたのでしょう。
「オー、うちのワイフが褒められてるよ」と満更でもないお気持ちになったようです。
全く別の部署の方だったこともあり、その日までその方とは口も利いたことがなかったのですが、選挙翌日以降、職場の売店などで顔を合わせると、「やあ、○○さん、今日もカワイイねえ!」というノリで、やたら朗らかにあいさつされるようになりました(ご飯も飲み物もおごってくれませんでしたが)。
面白いのは、どちらも「知らずに奥様の若さや美貌を褒めたこと」がきっかけだったことです。
奥様を褒められるのはやはり嬉しいものなんでしょう。
そして、お世辞ではないということが十分伝わったからこそ、あそこまでのフレンドリーさを私のような者にまで振り撒いてくれたのではと。
何とも微笑ましい限りです。
我が夫婦は今日が結婚記念日です。
『少年アシベ』の父ちゃん&母ちゃんのように「愛を贈る」だけですが、ついでにおかず上乗せサービスか、ケーキかワインでも買ってきますかね。
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