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誰にとっても不毛な偏差値談義(2016年11月10日)
しおりを挟むクラウドソーシングサイトのある案件で、「偏差値58以上の高校出身者」という応募資格要件がありました。
テキストライティング案件ということで、端から自分の専門ではないため、ははん…という程度の気持ちで眺めましたが、そのココロを伺いたいような、そうでもないような、です。
私が高校受験の頃、すなわち1980年代の福島県で、殊に郡山市内の公立の普通科に行こうと思ったら、男女それぞれ2校ずつある別学校のどれか(どちらか)を選択するのがスタンダードでした。
このほかに職業系の学科や、私立なら芸術系の学科もありましたが、正直人口規模に対する学校数がそもそもなかったのです。
特にやりたいこともビジョンもない生徒が行くのはまず普通科ですので、2校のうちから選ぶことになります。
(普通科に行く人はすべてビジョンがないというわけではありません、あしからず)
***
1校は進学校(63くらい)、もう1校は運動部活が盛んな普通の高校(57くらい)で、私の当時の成績はちょうどこの間くらいでしたが、家からの通いやすさも相まって「部活が盛んな普通の高校」を選び、派手目なおしゃれ女子が多い中で、陰キャは陰キャなりに学校生活を謳歌しました。
ちなみに、便宜上「進学校」とは書きましたが、今ほど奨学金や給費制度が充実していなかったこともあり、金銭的な理由で高校を出てすぐ働く人も珍しくない時代でした。
実際、進学校→公務員、地元金融機関などのコースはよくあり、「準進学校」とでもいうべき我が校でも、「銀行に就職するか、地元公立短大に行くか」の二択で悩んでいた人がいました。
閑話休題。
「57」という数字だけを根拠にすると、私は冒頭に話題にした案件に応募してはいけないことになります。
2000年前後には地元でも公立高校共学化が進行・完了し、当時男子校だった2校と合わせて計4校の公立共学普通科が市内に存在します。
じゃ、わが校の偏差値とやらは、「今」は幾つぐらいなの? と思って調べてみたら、どこのサイトでも判(版)で押したように「58」となっていて、まるでひと頃のグラビア誌でよく見かけた「アイドルのウエストサイズ」のようです。
あら、これなら応募できるじゃないの――いや、しないけどさ。
***
高校にしろ、大学にしろ、偏差値談義というのは、高偏差値の学生さんやそういう学校出身の人がすれば「そこしか売りがない人」とみなされ、さほど誇れるほど高くない人が話題にすれば「コンプレックスの塊」と揶揄されるのがオチです。
偏差値談義とは少々違うのですが、私が話の流れで「田舎の高卒のおばちゃん」を自称すると、なぜか「そんなに自分を卑下しなくても」と言われることがありますが、事実を言うと卑下したことになるって、どういう判断なんでしょう。
(あ、ひょっとして卑下って「おばちゃん」にかかる言葉?
でもこれだって、女が何十年生きていれば誰でも「なる」もんだしなあ)
例えば実態はともかくとして、「就職が嫌でとりあえず大学院に進んだだけですよ」と半ば謙遜で言った人がいたとして、「まあまあご謙遜を」ではなく、「そんなに卑下しなくてもいいですよ」と返す人がいるんでしょうか。
いるところにはいるのかな。よくわからんインテリゲンチァの世界。
***
高校卒業後2年ほど特殊な教育機関に通ったので、一応そこが最終学歴になってはいますが、実はその学校は文部科学省管轄外で、厳密には「学校」ではありません。
そこまでの厳密性を求められる場面なら「高卒」であり、それ以上でも以下でもありません。
高校卒業時、唯一拾ってくれた学校で、今の仕事につながる技術や知識も授けてくれた、ありがたき「幻の母校(現存しないので)」ですから、「文科省が管理してないところは学校っていいませーん、残念でしたー」などと煽られない限り、胸を張って名前を言っていきたいとは思うのですが。
偏差値58に込められた意味は、「そこまで高度な教養は必要ないけど、誤字脱字がなく文法の整った「製品」として使える文章を書ける人」程度ではないかと思われます。
しかしそれを、地域や時代でもばらつきのある高校の偏差値で判断しなくてもよさそうなもんです。
能力を定量化するのが合理的だと思うのなら、独自のテストでも課して、独自に「テキストライティング偏差値」でも算出して選別すればいいのではないでしょうか。
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