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第20章 好きってそういうことじゃないですか?【メグと大輔】
英明大附属高・檜聡二の素顔
しおりを挟む俺はあくまで客として、このカフェ「さくら」にやってきた。
もちろん、あわよくばメグに会えればとも考えたし、メグの母親にそれを申し出ようともしたのだが、そこで思わぬ邪魔が入ってしまったのだ。
「で、なんで檜さんがそこに座るんですか?」
なぜか檜さんが俺の対面に座った。ほかにも席はあるのに。
「俺だって本当はカウンターで千弦さんと話したいが、今日はそれよりお前に用ができたからな」
「何ですか?」
「ここではなく、茶を飲んでから海岸でも散歩しながら話そう」
「は?」
「ま、ゆっくり千弦さんのお茶を楽しもう。すべてそれからだ」
◇◇◇
俺は無難にコーヒーか紅茶を頼もうとしたのだが、檜さんが勝手に「日本茶を二つお願いします」と言った。
メニューに緑茶なんて書いていないが、店主であるメグの母親は「はい、かしかまりました。少々お待ちください」と言い切った。
ビジネススマイルというやつなんだろうけど、清潔感のある感じのいいほほ笑みを見ながら、「やっぱりメグに似てるなあ」と、少しだけ見とれた。
正直言って、コーヒーより日本茶のほうが好きというか馴染みがあるほうなので(ふだんはペットボトルが多いが)ありがたいはありがたい。
「お茶、うまいっすね」
「そうだろう、そうだろう」
少しだけ機嫌よさげにそう言う檜さんの態度が、何となく癪に障る。
メニューにないものを当たり前の顔をして注文し、しかも誇らしげ。常連客アピールか?
お茶と一緒に小さなカステラのような焼き菓子がついてきた。
おいしいとは思うが、俺は普段、甘いものはあまり食べないのでよく分からない。
「正直言うと、お茶請けはせんべいの方が好みですが」
「せんべいならほうじ茶が合うな」
何だよこの会話は。じじい2人か。
店長が感じのいい笑顔で「はい、日本茶2つですね」と言ったにもかかわらず、檜さんは「これは裏メニューだ。本来ならお前のような一見客が注文できるものではない」など、みみっちい文句を言った。
この人ってこんなキャラだったんだな。
それに結構表情が豊かなのも意外だ。
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