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第31章 より真相に近いかもしれない話を求めて
彼女なら…
しおりを挟むこんな言い方をすると冷たく聞こえそうだが、来月になったら忙しくなるので今のうちに――と思い、松下千奈美に連絡をした。
千奈美が出産を決意したような空気で幕がおりたと思っていたのに、突然「手術」などと言われ、わけが分からない。
そして、よくよく考えてみたら、「彼」に聞いたところで自分に都合のいい話しかしないだろう。
ならば、私との付き合いが浅く、私に忖度しようにも材料の少ない千奈美の方が、より信用できる話をしてくれるかもしれない。
一応、学校に行っているという前提の時間に電話をしてみたのだ。
状況が状況だけに、また着信拒否にされている可能性もあったが、何とか出てもらえて助かった。
◇◇◇
『何の用ですか?』
ただし警戒心はひしひしと伝わってくる。
何しろ第一声がこれだった。
「突然ごめんなさい。あの…今お話できる?」
『あ、はい』
「話したくなかったら無理には聞かないんだけど、手術のことで…」
『やっぱりその話ですか…』
「あ、嫌だったら…」
『奥さん、おうち出たままなんですか?』
「ええ、実家にいるの」
『じゃ、幸助さんから何も聞いてないんですね』
「…ええ」
手術の背景について何も聞いていないのは本当だ。うそはついていない。
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