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30話 ※セッについて話し合ってる
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翠は寝る前に笑美の入れたホットココアを飲むとよく眠れると言うので、笑美はホットココアを入れてあげる。
翠は嬉しそうにそれを飲み、笑美が笑顔で眺める。
この至福の時が永遠に続けば良いのにと思った。
だけど言わなければならない。
ずっと一緒に居たいという翠の願いを聞いてしまったから言うのは心が重たい。
出来れば自分だってずっと一緒に居たかった。
「ご馳走さまでした」
「あ、はい。洗っておきますので歯磨きして来て下さいね」
「はーい」
ホットココアを飲み終えた翠は歯磨きに向かった。
笑美は別に歯磨きをしなくても虫歯になる事は無いが、身だしなみとして磨いている。
コップを洗ってから自分も歯磨きに向かった。
二人で歯磨きをして、青とピングの歯ブラシを並べる。
我ながら女々しい事をしたよなぁなんて感傷的になってしまう笑美。
一緒に階段を登って部屋まで行った。
今日はもう遅いし、言うのは明日にしようなんて怖気付いてしまっていた。
部屋の前で別れようとしたが、翠が手を離さない。
「翠さん? おやすみなさい」
何故手を離してくれないのだろう。
おやすみなさいの返事もくれない。
何か緊張した面持ちだ。
どうしたのだろう?
「あの、笑美さんにお願いが有ります」
「はい?」
何だろう。
自分に出来る事なら何でも叶えてあげたいけど。
「その、色々考えて、結局よく解らないんですけど、その、俺、全然解らないし、上手く出来ないと思うんだけど……」
「えっと?」
困った様子と焦った様子が見える翠。
握る手に力がこもっている。
「セックスって何ですか? 俺にも出来る事ですか? セックス教えてください!」
思いっきり力を込めて叫ぶ翠。
笑美は面を食らった。
え? なんて?
翠さんは今、なんて?
「セックスが何だかも解らない様な俺は相手になりませんか?」
今にも泣き出しそうな翠。
そもそもセックスが解らないのにセックスしてくださいとはどう言う事だろう。
翠は何故急にこんな事を?
「笑美さんは夢魔と言う悪魔だから精液から栄養を得るんですよね? それでセックスというやつをするともっと元気になるんですよね?」
「ハワードの奴ですね!!」
アイツ、翠さんと二人っきりにした時に何か言ってたと思ったんだ。
飛んでも無い事バラシしてんじゃねぇか!!
笑美はこんなに腹立たしい事がかつてあったかと言うぐらい腹が煮えくりかえる。
「翠さん、あのですね。セックスって元々男女でする交尾と言うか、子づくりする行為なんですけど…… 知りませんか?」
「えっと、赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんですよね。その交尾と言うのをするとコウノトリが来るんですか?」
「……通りで純粋過ぎる訳ですね」
疎いだろうとは思っていたが、まさかここまでとは思っていなかった。
なんか、悪い事をしている気分だ。
いや、実際に何も解らない子にフェラチオしまくって失神させたんだけど。
「すみません常識も解らなくて。学校とか通って無いので読み書きが何とか出来る程度なんです。本当に仕事の事だけ教えられたので……」
翠は笑美が思っていたより本当に酷い環境で育った様だ。
「交尾の事は全く解りませんか?」
「蝶々がくるくる回っているのが交尾だと聞きました。男女でダンスを踊るんですか?」
「……可愛すぎるんですけど」
そんな可愛のがセックスだと思われるととてもじゃないが教えられない。
「あ、そもそもセックスは男女でするものなんですね…… じゃあ俺と笑美さんじゃ出来ないのか……」
困った様子で考え込む翠。
「そうですねセックスは出来ますが、男同士で子供が出来る事は有りませんね」
「セックスは出来るんですね! どうしたら良いですか?」
セックスが出来る事に顔を明るくする翠。
純粋過ぎる。
何も知らないのに、そんな事を言ってしまう翠が少し憎たらしくもなる。
「多分本当に気持ち悪いと思うんですけど、男性同士はお尻の穴を使うんですよ」
「穴?」
「そうです。お尻の穴に陰茎を入れます」
「お尻の穴にチンコぶっ刺すんですか!?」
翠は驚愕している。
そりゃあそうなる。
嫌だろ?
私とセックスしたくないだろ?
何も知らない癖にセックスしてくださいとか言うのやめて欲しい。
心臓が止まってしまうよ。
翠は嬉しそうにそれを飲み、笑美が笑顔で眺める。
この至福の時が永遠に続けば良いのにと思った。
だけど言わなければならない。
ずっと一緒に居たいという翠の願いを聞いてしまったから言うのは心が重たい。
出来れば自分だってずっと一緒に居たかった。
「ご馳走さまでした」
「あ、はい。洗っておきますので歯磨きして来て下さいね」
「はーい」
ホットココアを飲み終えた翠は歯磨きに向かった。
笑美は別に歯磨きをしなくても虫歯になる事は無いが、身だしなみとして磨いている。
コップを洗ってから自分も歯磨きに向かった。
二人で歯磨きをして、青とピングの歯ブラシを並べる。
我ながら女々しい事をしたよなぁなんて感傷的になってしまう笑美。
一緒に階段を登って部屋まで行った。
今日はもう遅いし、言うのは明日にしようなんて怖気付いてしまっていた。
部屋の前で別れようとしたが、翠が手を離さない。
「翠さん? おやすみなさい」
何故手を離してくれないのだろう。
おやすみなさいの返事もくれない。
何か緊張した面持ちだ。
どうしたのだろう?
「あの、笑美さんにお願いが有ります」
「はい?」
何だろう。
自分に出来る事なら何でも叶えてあげたいけど。
「その、色々考えて、結局よく解らないんですけど、その、俺、全然解らないし、上手く出来ないと思うんだけど……」
「えっと?」
困った様子と焦った様子が見える翠。
握る手に力がこもっている。
「セックスって何ですか? 俺にも出来る事ですか? セックス教えてください!」
思いっきり力を込めて叫ぶ翠。
笑美は面を食らった。
え? なんて?
翠さんは今、なんて?
「セックスが何だかも解らない様な俺は相手になりませんか?」
今にも泣き出しそうな翠。
そもそもセックスが解らないのにセックスしてくださいとはどう言う事だろう。
翠は何故急にこんな事を?
「笑美さんは夢魔と言う悪魔だから精液から栄養を得るんですよね? それでセックスというやつをするともっと元気になるんですよね?」
「ハワードの奴ですね!!」
アイツ、翠さんと二人っきりにした時に何か言ってたと思ったんだ。
飛んでも無い事バラシしてんじゃねぇか!!
笑美はこんなに腹立たしい事がかつてあったかと言うぐらい腹が煮えくりかえる。
「翠さん、あのですね。セックスって元々男女でする交尾と言うか、子づくりする行為なんですけど…… 知りませんか?」
「えっと、赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんですよね。その交尾と言うのをするとコウノトリが来るんですか?」
「……通りで純粋過ぎる訳ですね」
疎いだろうとは思っていたが、まさかここまでとは思っていなかった。
なんか、悪い事をしている気分だ。
いや、実際に何も解らない子にフェラチオしまくって失神させたんだけど。
「すみません常識も解らなくて。学校とか通って無いので読み書きが何とか出来る程度なんです。本当に仕事の事だけ教えられたので……」
翠は笑美が思っていたより本当に酷い環境で育った様だ。
「交尾の事は全く解りませんか?」
「蝶々がくるくる回っているのが交尾だと聞きました。男女でダンスを踊るんですか?」
「……可愛すぎるんですけど」
そんな可愛のがセックスだと思われるととてもじゃないが教えられない。
「あ、そもそもセックスは男女でするものなんですね…… じゃあ俺と笑美さんじゃ出来ないのか……」
困った様子で考え込む翠。
「そうですねセックスは出来ますが、男同士で子供が出来る事は有りませんね」
「セックスは出来るんですね! どうしたら良いですか?」
セックスが出来る事に顔を明るくする翠。
純粋過ぎる。
何も知らないのに、そんな事を言ってしまう翠が少し憎たらしくもなる。
「多分本当に気持ち悪いと思うんですけど、男性同士はお尻の穴を使うんですよ」
「穴?」
「そうです。お尻の穴に陰茎を入れます」
「お尻の穴にチンコぶっ刺すんですか!?」
翠は驚愕している。
そりゃあそうなる。
嫌だろ?
私とセックスしたくないだろ?
何も知らない癖にセックスしてくださいとか言うのやめて欲しい。
心臓が止まってしまうよ。
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