異世界隠密冒険記

リュース

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第二部「創世神降臨」編

猫耳カレン

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「カレン、押し倒して良いかな?」

「う、あぅ・・・!」


 結局のところ、カレンは猫耳付きメイド服を着ることを選んだ。

 カレンは恥ずかしいのを通り越して、思考が停止していた。


 カレンの意志とは関係なく、パタパタと動く猫耳が、とても可愛らしい。

 クロトは我慢できず、カレンを抱き締めた。

 









「さあ!私のお願いを聞いてもらおうか!」

「さっきまでモジモジしていたのに、随分元気だね?」

「そのことは思い出させないでくれっ!!」

「断固として拒絶するよ。」

「!?」


 それはさておき。


「それで、カレンは僕に、何を望むのかな?」

「っ!?」


 クロトは妖艶に微笑み、カレンは思わずドキリとさせられた。

 そして、てくてくとカレンに歩み寄り、顔を近づけ、色っぽい声で囁く。


「ねぇ・・・?何を望むの・・・?何でも良いんだよ・・・?」

「ッ!ッッ!!」


 クロトから発せられる色気にあてられ、背筋をゾクゾクしたものが走る。

 思考が散漫になっていき、口をパクパクさせるだけで何も言えない。

 金縛りにあったかのように、体も動かない。

 性的な欲求が体の奥から湧き上がってくる。


 すると、クロトはますます色気の感じられる行動に。

 カレンの正面に来て、カレンの頬と体に手を這わせたのだ。


「ッッ・・・!」


 カレンは己の内側から湧き上がる仄暗い欲を、必死に抑える。

 理性が溶けていくのを感じながらも、最後の砦は守ろうとした。


 人間誰しも、決して表には出ないはずの、内側に秘めた欲望はあるもの。

 そして、それを解放することに、強い躊躇いを覚える。

 カレンのそれは、行為においてクロトを言いなりにしたい、という欲。


 クロトはギリギリ繋がっている理性に、止めを刺す。


「ねぇ・・・早く、教えて・・・?」

「ッッッ!?ああっ・・・!あああああっ!!」


 カレンはクロトを、備え付けのベッドの上へ、乱暴に押し倒した。


 クロトは一切抵抗せず、ずっと受け身のままカレンを受け入れ続けた。

 カレンの要求には全て答えた。

 その状況は、カレンがお願いしようとしていたことと同じ状況であった。


 その後、クロトはカレンの性欲を煽り続け、カレンの欲望を吐き出させた。

 やや仄暗い欲望を吐き出し切ったカレンは、とてもスッキリしていた。

 どこで足を引っ張るか分からない欲望は、吐き出させておくに限るのだ。











 行為の後しばらくして、目を覚ました二人。



「済まないクロト・・・あんなことをしてっ・・・!」


 自分の醜い欲望を叩きつけた後のカレンは、スッキリした。

 だが同時に、激しい自己嫌悪に陥っていた。


「え?何が?」


 クロトは意味が分からず首を傾げる。


「何が、と言われても・・・。」

「僕は、基本的に、やりたくないことはやらない主義なんだよね。」

「っ!」

「だから、今回の事も、僕がやりたいと思ったことなんだ。」


 カレンの為されるがままになるというのも悪くないな、と思ったのだ。

 それはある意味、クロト自身の欲望であったのかもしれない。


「そんな訳で、また今度、欲が溜まってきたころにでもどうかな?」


 そう提案して微笑んだクロト。

 カレンはクロトのことが、愛おしくてたまらなくなった。


「クロト・・・もう一度、良いだろうか?今度は、いつも通りに・・・。」

「もちろん。・・・愛してるよ、カレン。」


 クロトは愛を囁いて、カレンを押し倒した。








 結局、射手の試練をクリアしたのは、その一週間後だった。

 なお、ほぼ同時期に、アクアとエメラも乙女の試練をクリアして戻ってきた。


 これで、残す天の塔の試練は、ボスを含めて九つ。







「それで、アクアとエメラはどうだったの?」

「クロトさんは来なくて正解だったと思います・・・。」

「ん・・・。」


 話によると、戦闘は殆どボス戦のみだったそうだが、それ以外がいけない。

 イケメンの男性に口説かれたり、綺麗な女性に言い寄られたりしたらしい。

 他にも、セクハラ染みた仕掛けが沢山あり、非情にイラついたとのこと。


「思わず口説いてきた男性を殺してしまって、やり直しに・・・!」

「ん・・・。あれ、は・・・仕方、ない・・・。」


 なんと、アクアやエメラの腰に手を回してきたのだとか。

 それを聞いたクロトはある決心をした。


「うん、天の塔を破壊しようかな。」

「それはやめてくださいっ!私は大丈夫ですからっ!」


 とんでもないことを言い出したクロトを、アクアは必死に止めた。

 ダンジョンを破壊など出来ないはずだが、クロトが言うとシャレにならない。

 本当に出来てしまいそうなのだ。






「ん、例の方法で神界に道を開いてシステムを乗っ取って・・・。」

「クロトさん落ち着いてくださいっ!?」


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