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5巻
5-3
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数分後、三柱はタクマの方に向き直った。代表して伊邪那美命が口を開く。
「お待たせしました。タクマさんに付与する能力は、亜空間作成、空間制御、大気制御の三つになりました。そして、レベルは最大で付与する事にしました」
そう言って、タクマが拒否する暇を与えずに説明が始まる。
亜空間作成は、今タクマ達がいる神の領域と似た空間を作れる能力。スキルレベルによって作れる大きさが異なり、タクマの場合は制限なく広い空間を生み出せる。ただこの能力は空間を維持するために常に魔力を消費する。この使い勝手の悪さによって、禁術として放棄された能力らしい。
空間制御は単独では意味をなさず、亜空間作成と合わせて持っていないと使いようがない。作った空間を固定し、魔力を消費せず存在させ続けるという。何故か亜空間作成とは違う場所で発見されたため、無意味な力として放棄されたようだ。
最後に大気制御。これは気体すべてを制御できる能力だ。とある国家の軍が研究していたかなり不安定な禁忌魔法で、暴走する場合もあるとの事だった。
説明が終わってタクマが感じた事は、「でたらめ」の一言に尽きる。
「これは人間の扱える代物ではないのでは……」
タクマが言葉に詰まりながらも三柱に尋ねた。するとヴェルドが話し出した。
「タクマさん。あなたはすでに通常の人という種族を超えてしまっていますので、その三つの能力を与えても問題はないと判断しました。ただ、タクマさんは人としての器で生きています。すでに不老ではありますが、不死ではありません。何かのきっかけで殺されてしまったり、事故で死んだりする可能性はあるのです。簡単に言えば仙人みたいなものでしょうか」
どうやらタクマは自分の知らないところで、人としては逸脱した存在になっていたようだ。
「そうか……俺はすでに人族ですらなかったのか」
「それを気にする必要がありますか? 見た目は人ですし、あなたの感覚もまた人と同じでしょう? ヴェルドミールにはたくさんの種族がいます。今更種族が増えたからといって気にする必要はありません。また、タクマさんを鑑定できる存在は、私達神とタクマさん自身しかいないのですから」
「そうか……新しい種族になったと思えばいいのか……分かりました。受け入れる事にします」
タクマがすべてを呑み込み了承すると、ヴェルドは微笑みながらタクマの頭の上に手を翳すのだった。
9 半戦神
付与が終わったようなので顔を上げてみると、ヴェルドはタクマを見て言葉を失っていた。タクマは彼女が呆然としている理由が分からなくて首を傾げる。
「どうかしましたか?」
タクマが勇気を出して声をかけると、ヴェルドは明らかに挙動不審になっている。
「い、いえ……自分で鑑定すれば分かる事なのですが……タクマさんは人の器を持ったまま神の領域へ足を踏み入れてしまったようです」
タクマはヴェルドの言葉に固まってしまった。種族が変わると言っても、そこまでの変化だとは思っていなかった。
「神の領域……? どういう事でしょうか?」
「まずは、タクマさんの種族を教えますね。種族名は『半戦神』。その名の通り、半分神の領域に入っているという事です。タクマさんが持っている能力の多くが戦闘寄りな事で、戦神の扱いになっていますね。まだ、『半』が付いている事で神としての力は行使できませんが、このまま数百年間成長を続ければ本当の戦神まで昇り詰めるでしょう」
どうやら強さが更に上がった事で、神に近い存在になってしまったようだ。ただ、あまり今までと変わったところはなく、人としてヴェルドミールの地で暮らすのも問題ないらしい。ちなみに神へと進化するには条件があり、今のタクマでは不可能なのだそうだ。
「一つだけタクマさんの体に変化があります」
そう言ってヴェルドは手鏡を取り出す。鏡を手渡されたタクマは、自分の顔を映して確認した。
「なるほど、これはちょっと目立ちそうだ……」
変化があったのは目だった。
今までは黒目だったのが金色の目になっている。タクマの髪の毛は黒髪なので、目との対比が激しくとても目立つ。
「タクマさん、その目は魔力を抑える事で色を戻せます。試しに魔力を抑えてみてください」
言われるままに魔力を抑えていく。
「そのくらいで大丈夫です。黒い目になりましたよ」
タクマが鏡を確認すると、いつもの黒目に戻っていた。
これまでは魔力を気にしなくても問題なかったのだが、目の色で目立ちたくなければ魔力をコントロールする必要が出てきた。
「ヴェルド様。とりあえず種族については分かりました。俺はこのままヴェルドミールで暮らしていいんですよね?」
「ええ、もちろんです。ここ最近、タクマさんを振り回してしまっていたのは本当にごめんなさい。タクマさんのお陰で、世界にとって一番危険だった召喚魔法は排除されました。これからは頼み事もなくすつもりでいるので、子供達とのんびりと暮らしてください」
「分かりました。ですが、本当に困った事があれば言ってくださって構いません。俺がここで暮らせるのはあなた方神様のお陰ですから」
「ありがとうございます。そう言っていただけると多少は罪悪感が減ります」
ヴェルドとの話が終わると、鬼子母神が口を開いた。
「タクマさん。あなたの種族が変わってしまった事に関して謝罪いたします。私達が付与させたせいで……」
「お気になさらずとも大丈夫です。いつも言いますが、力は力でしかありませんし、種族が変わるのも初めてではありませんしね。むしろ生きるために必要な力を授けていただいて感謝しています」
「それだったら良いのですが……」
二柱はまだ納得できていないようだが、タクマはそこまで深刻には捉えていない。むしろ、不老の半神としてヴァイス達とずっと過ごせる事が分かり喜んでいるほどだ。しかも便利そうな能力まで与えてもらったので楽しみが多くなった。
そんな事を考えていると、ヴェルドがタクマに質問をしてきた。
「タクマさんは怒っていないのですか? 私と関わった事でいろいろ巻き込まれて、振り回されていますが……」
「怒る? それはないですね。確かに巻き込まれたり、振り回されたりはしますが、嫌々はやってないですから。子供を救ってほしいと言われた時も、自分のできる範囲で救いたいと思いました。タイヨウを保護してリュウイチ達を救出した事も、最終的にはすべて自分の意思でやると決めたんです。断る事もできましたが、俺はそうしたくなかっただけ。なので、あなた方神を怒るなんて滅相もないです」
そう言ってタクマは三柱に向けて笑いかけた。
三柱はようやく安心したようで、優しい笑顔に戻った。それから三柱は、タクマとリュウイチ夫妻に顔を向ける。
「今回のお話はここで終わっておきましょう。日本人同士、どうか仲良く暮らしてくださいね」
鬼子母神はそう言って消えていった。
「では私からも。リュウイチさん達はこれから慣れない土地での育児が待っています。持っている知識、技術を以て立派にタイヨウ君を育ててくださいね。タクマさんも、種族の事は気にしないでヴァイス達と幸せに暮らしてください」
伊邪那美命は手を振りながら消えていく。
「二柱はお帰りになってしまいましたね。では、そろそろ戻る頃のようです。三人ともしっかりと自分の能力を把握して暮らしてくださいね。私に話があれば教会でお話をしましょう」
そう言ってヴェルドは、タクマ達を送り出してくれるのだった。
10 葛藤
無事に付与が終了した三人は、何処にも寄る事なくまっすぐ帰宅した。
リュウイチ達は疲れたようで自室へ戻っている。タクマもいったん帰宅したのだが、一人で祠へ移動した。誰もいない所で少し考えたい事があったのだ。
祠に着くとテーブルセットを出してコーヒーを淹れる。そしてコーヒーを一口啜り一息ついた。
「ふう、半戦神か。いよいよ人でなくなったな……」
あの場では冷静に受け止めたつもりだったのだが、思いの外動揺しているようだ。カップを持つ手も少し震えている。
「確かに力は力でしかない。力を得たからといって、ウチの家族達は変わらないと思う。だが、種族はどうだ? 確かにこの世界にはたくさんの種族がいる。俺自身は種族によって人を判断する事はないが、他の人は違うかもしれない。しかも半分とはいえ、神と名の付く種族になってしまった」
誰に語るでもなく独り言を呟くタクマ。そんな彼の前に、水の精霊のアルテとナビが現れた。
「どうしたの? タクマが悩んでいるなんて。ヴェルド様の所で何かあったの?」
「アルテか。まあ、俺もたまには悩むさ。生きているといろんな悩みは付き物だ」
「そうなの? でも、一人で考えているって事は、話したくないの?」
そう聞くアルテに何と言って良いか考えていると、ナビが代わりに話し出した。
「マスター。私が説明してもよろしいですか?」
「ああ……そうだな。俺はうまく説明できないから頼めるか?」
タクマはナビに説明を任せた。
ナビはタクマの身に起きた変化について、アルテに細かく話していった。
ナビの説明を最後まで聞き終え、アルテが尋ねる。
「で? リュウイチ達の能力付与をノリで決めたせいで、自分は更に多くの能力を付与された。そしてその結果、種族が変わって神の領域に足を踏み入れたと……馬鹿ねぇ、真剣に話し合っていたら結果は違っていたかもね」
「返す言葉もない」
「それで、種族が変わった事を告白したら、みんなが怖がったりすると思って悩んでいるの?」
「そうかもしれないな。さすがに自分達とかけ離れた存在だと知られたら怖いっていうのもあるかもしれないから……」
「タクマは自分の家族を侮ってない? あなたの家族はタクマだからこそ、ついてきてくれているのだと思うわ」
アルテはゆっくりとタクマに言い聞かせる。
「子供達だってあなたの本質を見て懐いているの。大好きなお父さんがどんな種族だって関係ないと言うでしょうね。思い切って言ってみたら? 本質を見極める事に特化している精霊の私が言うのだから、きっと大丈夫」
アルテに言われて、タクマはようやく気づく事ができた。理解しているつもりだったのだが、実感したのだ。
タクマがみんなを支えているだけではなく、みんなもタクマを支えてくれている事に。
「そうか……そうだよな。みんなは俺を信じてついてきてくれているのに、俺が信じ切れていないんじゃ申し訳ないな。ありがとう、アルテ。今夜にでもみんなに話しておこうと思う」
「べ、別にお礼を言われるほどの事は言ってないわ!」
照れ臭そうにそっぽを向いたアルテは、少し赤くなっているようだった。
「も、もう、考え事はないんでしょ? 戻りましょうよ」
「ああ、そうだな。帰ろうか。ナビもありがとう」
「いえ、私にとってマスターは親にも等しい存在なので、元気でいてほしいだけです」
普段クールなナビも照れているようで、少し赤くなっていた。
タクマは自宅に戻ってくると、さっそく行動に移すべくアークスを呼んだ。
「おかえりなさいませ」
「ただいま。あのさ、今夜の食事はみんな揃って食べたいんだ。急だけど大丈夫かな?」
「ええ、大丈夫です。いつも通り庭で行いましょう」
「ありがとう。その時、みんなに大事な話があると伝えておいてくれ」
アークスはさっそくみんなに伝えに行ってくれた。家に帰ってきていた子供達はタクマの様子が少し違っているのを感じ取ったのだろうか、傍を離れようとしない。
「お父さんどうしたの?」
「何か辛いの?」
タクマは自分を心配してくれる子供達を優しく撫でてやる。祠でアルテと話した事を思い出し、思わず笑みが零れた。
「辛くないよ。心配してくれてありがとう。今日は庭でご飯を食べたら、俺の事をみんなに話そうと思うんだ。だから、ちょっとだけ緊張してるだけだよ」
「お父さんの事?」
「そう、みんなも俺の生まれた所や、どうやって生きてきたかを聞いてなかっただろ? 良い機会だから、すべて話しておこうと思ったんだ。みんなの過去を聞いたのに、俺が話さないのも不公平だしな」
タクマは子供達にも分かるように、ゆっくりと噛み砕いて話してやる。
「僕、お父さんの事知りたい!」
「私も!」
「お父さんの子供の頃も聞きたい!」
「そうか。じゃあ、小さい頃の話もしようか。そんなに面白い話でもないけどな」
そう言ってタクマはヴァイス達も近くに呼んでやり、食事の時間になるまでスキンシップをするのだった。
11 愛情
みんなが集まった庭で食事が始まった。
全員、思い思いの場所で食事をするが、子供達はタクマの事が心配なようで、傍を離れようとしなかった。
ヴァイス達は、タクマが何を話そうとも自分達が彼から離れる事はないと考えているので、いつものように食事に集中していた。
タクマが子供達の世話をしながら食事をしていると、カイルが近寄ってきた。
「よう。食事後に何か話があるんだって?」
「ああ、ちょっと俺の事で、話さないといけなくなってな……」
タクマが言葉を濁していると、カイルは真面目な顔で聞く。
「もしかして……」
「俺が異世界から来たというのは何人かが知っているけど、知らないみんなにも教えようと思っているんだ。それに、もっと大変な話もしておかないといけない」
「へえ。それは重要そうだが、お前がそんな顔をしていると子供達が心配するじゃねぇか」
どうやら緊張が表情に出ていて、子供達を心配させたようだ。
「何を話すにしても、ここの奴らは全員受け入れるだろうよ。子供達はお前の事が大好きだし、大人達は信頼している。そんなに緊張する必要はないだろう?」
「ああ……そうだな。ちょっと緊張しているだけだから、話してしまえばスッキリできると思う」
「それならいいけどよ。ま、どんな話があるのか楽しみにしてるよ」
そう言ってカイルは食事に戻っていった。
食事が終わり、アークス達が片付けを終わらせて、全員が庭に集まった。みんな、話を聞くためにタクマの前に座っていた。
「じゃあ食事も終わったし、話を始めようか。これは俺の生まれや、新しく来たリュウイチ達の生まれにも関係している事だ」
そう切り出して話を始めた。
自分がどうやってこの世界に来たか、そしてこの湖に居を構えるまでの流れを順番に話していく。みんな、物語を聞くように静かに聞いてくれていた。
更にタクマは今日あった事を細かく話していく。種族が変わってしまったというのを伝えたところで、ファリンが口を開いた。
「種族が変わるって大丈夫なの? 体の構成も変わるって事だから、負担があったんじゃないの?」
「初めて能力を与えていただいた時は相当の負荷があった。だけど、今回の能力の付与と種族変更にはまったくと言っていいほど負担はなかったんだ」
タクマの負担はなかったという言葉に、みんなが安堵の表情を見せてくれる。
次はカイルが尋ねてきた。
「で? お前は種族に神の名前が付いた事で、みんなに畏怖されると思っていたのか?」
「そこまでは思っていないが、多少は気持ちの変化はあるだろうと考えていた。自分達の近くに化け物のような力を持った奴がいるんだぞ? 誰だって怖く思うに……」
タクマが最後まで言う前に、子供の一人が叫ぶように声を上げた。
「お父さんは化け物じゃないよ!」
タクマが子供の方へ顔を向けると、涙を浮かべながらタクマの事をまっすぐ見ている。
「お父さんは化け物じゃない! 僕達のお父さんはやさしいもん! 僕達を拾って家族にしてくれたし、たくさん人をたすけてるもん! だから、だから……」
小さな手を固く握りしめて叫ぶけれど、それ以上言葉にならないようだった。
「そうだな。本当に化け物だったなら、俺達全員生きてないだろうな」
「カリオ……」
「そうね。私達も殺されていたでしょうね」
「ファリン……」
次々に家族達は、タクマを人として認めてくれる発言をしていく。
「な? 俺の言った通りじゃねえか。ここにいる奴らはタクマだから信頼し、尊敬しているんだ。だから、お前の種族がなんだろうと関係ないんだよ」
「カイル……そうだな。自分を卑下するような事を言ってしまってすまん」
「気にすんなよ。それよりも子供達と話してやった方がいい」
カイルに促され、タクマは子供達の目線に合わせて話し出した。
「ごめんな、自分の事を化け物なんて言ってしまって。でも嬉しかったよ。みんなが俺を人として認めてくれて。みんなは俺にとって最高の存在だ」
タクマがそう話すと、子供達の目からは今まで我慢していた涙が堰を切ったように流れ出した。
「お、おどうざん……」
「おとーさーん!」
「うわーん!」
一斉に泣き出してしまった子供達を慰めるタクマもまた涙を流していた。それを見ていたヴァイス達は、タクマが本当の意味でみんなと家族になったと感じた。
子供達はいつまでたっても泣き止むそぶりを見せない。
「ねえ、話は終わったんでしょ? だったら今日は子供達と一緒にいてあげたら? きっと離れたくないでしょうし」
ファリンはそう言って、お開きにしようと提案する。
「そうだな。そうしようか」
「その前に私からも言わせて。タクマさん。私達は家族なんでしょ? だったら、種族を気にする必要はないわ。ここの家族に種族は関係ないんだから。みんなもそうよね?」
周りにいる者全員が強く頷いた。
「みんな……ありがとう。それと家族になってくれてありがとう」
全員、タクマの言葉に照れ臭そうにしながら、各自の家へと帰っていった。
「ほら、そろそろ泣くのを止めて部屋に行こう。今日はヴァイス達も含めたみんなで過ごそう」
「い、いいの……?」
「ああ、俺の子供の頃の話も聞きたいんだろう? まだ夜になったばかりだからゆっくりと話そう」
その言葉でようやく泣き止んだ子供達と共に、タクマは自室へと戻るのだった。
12 子供達とのひと時
「ねー、お父さんは寂しくない?」
「ん? なんでだ?」
タクマの部屋に移動した子供達はさっそく質問を始める。
「だって、お父さんは一人でこっちへ来たんでしょ? お友達とかもいないし、寂しくなかったのかなーって」
「そうだなぁ。俺は寂しくなかったかな。飛ばされてきてすぐにヴァイスが追ってきてくれたから。そこからゲール達が増えていって、今はお前達もいる。寂しくはないし、とても幸せだと思っているよ」
タクマは子供達に向けてそう言ってやる。
「えへへ。僕達もしあわせー」
「ぼくもー」
「わたしもー」
はにかんだ笑顔を見せながら抱き着いてくる子供達を、タクマは優しく撫でてあげた。
「僕達ね。お父さんの家族になれてしあわせ。毎日温かいご飯が食べられて、毎日暖かいお布団で寝られてるの。それにお勉強もいっぱいさせてくれて……とにかくいっぱい幸せ!」
「そうか。そう言ってもらえると俺も嬉しいよ」
「ヴァイス達もいっぱい遊んでくれるから大好きだよ!」
子供達はヴァイス達に抱き着き、モフモフしだした。
「アウン!(俺も子供達好きー!)」
「ミアー(みんな太陽の匂いするの)」
ヴァイス達が子供達を好きだと言うのを聞いていると、子供達から質問が来た。
「お父さん、ヴァイス達なんて言ってるの?」
「ん? みんなお前達が大好きだってさ。いつも一緒に遊んでいるから仲良しだろ?」
「うん! ヴァイス達は走るの速いから追いかけるの大変だけど、ちょっとずつ追いつけるようになってるの」
「私はゲールに乗せてもらったの!」
「僕はネーロと一緒にかくれんぼしたら、隠れるの上手くなったの!」
子供達は、ヴァイス達と遊ぶ事がどんなに楽しいかを話してくれた。
みんな最初はヴァイス達の体力についていけなかったらしいが、最近では長い時間一緒に遊べるようになっているそうだ。
「お待たせしました。タクマさんに付与する能力は、亜空間作成、空間制御、大気制御の三つになりました。そして、レベルは最大で付与する事にしました」
そう言って、タクマが拒否する暇を与えずに説明が始まる。
亜空間作成は、今タクマ達がいる神の領域と似た空間を作れる能力。スキルレベルによって作れる大きさが異なり、タクマの場合は制限なく広い空間を生み出せる。ただこの能力は空間を維持するために常に魔力を消費する。この使い勝手の悪さによって、禁術として放棄された能力らしい。
空間制御は単独では意味をなさず、亜空間作成と合わせて持っていないと使いようがない。作った空間を固定し、魔力を消費せず存在させ続けるという。何故か亜空間作成とは違う場所で発見されたため、無意味な力として放棄されたようだ。
最後に大気制御。これは気体すべてを制御できる能力だ。とある国家の軍が研究していたかなり不安定な禁忌魔法で、暴走する場合もあるとの事だった。
説明が終わってタクマが感じた事は、「でたらめ」の一言に尽きる。
「これは人間の扱える代物ではないのでは……」
タクマが言葉に詰まりながらも三柱に尋ねた。するとヴェルドが話し出した。
「タクマさん。あなたはすでに通常の人という種族を超えてしまっていますので、その三つの能力を与えても問題はないと判断しました。ただ、タクマさんは人としての器で生きています。すでに不老ではありますが、不死ではありません。何かのきっかけで殺されてしまったり、事故で死んだりする可能性はあるのです。簡単に言えば仙人みたいなものでしょうか」
どうやらタクマは自分の知らないところで、人としては逸脱した存在になっていたようだ。
「そうか……俺はすでに人族ですらなかったのか」
「それを気にする必要がありますか? 見た目は人ですし、あなたの感覚もまた人と同じでしょう? ヴェルドミールにはたくさんの種族がいます。今更種族が増えたからといって気にする必要はありません。また、タクマさんを鑑定できる存在は、私達神とタクマさん自身しかいないのですから」
「そうか……新しい種族になったと思えばいいのか……分かりました。受け入れる事にします」
タクマがすべてを呑み込み了承すると、ヴェルドは微笑みながらタクマの頭の上に手を翳すのだった。
9 半戦神
付与が終わったようなので顔を上げてみると、ヴェルドはタクマを見て言葉を失っていた。タクマは彼女が呆然としている理由が分からなくて首を傾げる。
「どうかしましたか?」
タクマが勇気を出して声をかけると、ヴェルドは明らかに挙動不審になっている。
「い、いえ……自分で鑑定すれば分かる事なのですが……タクマさんは人の器を持ったまま神の領域へ足を踏み入れてしまったようです」
タクマはヴェルドの言葉に固まってしまった。種族が変わると言っても、そこまでの変化だとは思っていなかった。
「神の領域……? どういう事でしょうか?」
「まずは、タクマさんの種族を教えますね。種族名は『半戦神』。その名の通り、半分神の領域に入っているという事です。タクマさんが持っている能力の多くが戦闘寄りな事で、戦神の扱いになっていますね。まだ、『半』が付いている事で神としての力は行使できませんが、このまま数百年間成長を続ければ本当の戦神まで昇り詰めるでしょう」
どうやら強さが更に上がった事で、神に近い存在になってしまったようだ。ただ、あまり今までと変わったところはなく、人としてヴェルドミールの地で暮らすのも問題ないらしい。ちなみに神へと進化するには条件があり、今のタクマでは不可能なのだそうだ。
「一つだけタクマさんの体に変化があります」
そう言ってヴェルドは手鏡を取り出す。鏡を手渡されたタクマは、自分の顔を映して確認した。
「なるほど、これはちょっと目立ちそうだ……」
変化があったのは目だった。
今までは黒目だったのが金色の目になっている。タクマの髪の毛は黒髪なので、目との対比が激しくとても目立つ。
「タクマさん、その目は魔力を抑える事で色を戻せます。試しに魔力を抑えてみてください」
言われるままに魔力を抑えていく。
「そのくらいで大丈夫です。黒い目になりましたよ」
タクマが鏡を確認すると、いつもの黒目に戻っていた。
これまでは魔力を気にしなくても問題なかったのだが、目の色で目立ちたくなければ魔力をコントロールする必要が出てきた。
「ヴェルド様。とりあえず種族については分かりました。俺はこのままヴェルドミールで暮らしていいんですよね?」
「ええ、もちろんです。ここ最近、タクマさんを振り回してしまっていたのは本当にごめんなさい。タクマさんのお陰で、世界にとって一番危険だった召喚魔法は排除されました。これからは頼み事もなくすつもりでいるので、子供達とのんびりと暮らしてください」
「分かりました。ですが、本当に困った事があれば言ってくださって構いません。俺がここで暮らせるのはあなた方神様のお陰ですから」
「ありがとうございます。そう言っていただけると多少は罪悪感が減ります」
ヴェルドとの話が終わると、鬼子母神が口を開いた。
「タクマさん。あなたの種族が変わってしまった事に関して謝罪いたします。私達が付与させたせいで……」
「お気になさらずとも大丈夫です。いつも言いますが、力は力でしかありませんし、種族が変わるのも初めてではありませんしね。むしろ生きるために必要な力を授けていただいて感謝しています」
「それだったら良いのですが……」
二柱はまだ納得できていないようだが、タクマはそこまで深刻には捉えていない。むしろ、不老の半神としてヴァイス達とずっと過ごせる事が分かり喜んでいるほどだ。しかも便利そうな能力まで与えてもらったので楽しみが多くなった。
そんな事を考えていると、ヴェルドがタクマに質問をしてきた。
「タクマさんは怒っていないのですか? 私と関わった事でいろいろ巻き込まれて、振り回されていますが……」
「怒る? それはないですね。確かに巻き込まれたり、振り回されたりはしますが、嫌々はやってないですから。子供を救ってほしいと言われた時も、自分のできる範囲で救いたいと思いました。タイヨウを保護してリュウイチ達を救出した事も、最終的にはすべて自分の意思でやると決めたんです。断る事もできましたが、俺はそうしたくなかっただけ。なので、あなた方神を怒るなんて滅相もないです」
そう言ってタクマは三柱に向けて笑いかけた。
三柱はようやく安心したようで、優しい笑顔に戻った。それから三柱は、タクマとリュウイチ夫妻に顔を向ける。
「今回のお話はここで終わっておきましょう。日本人同士、どうか仲良く暮らしてくださいね」
鬼子母神はそう言って消えていった。
「では私からも。リュウイチさん達はこれから慣れない土地での育児が待っています。持っている知識、技術を以て立派にタイヨウ君を育ててくださいね。タクマさんも、種族の事は気にしないでヴァイス達と幸せに暮らしてください」
伊邪那美命は手を振りながら消えていく。
「二柱はお帰りになってしまいましたね。では、そろそろ戻る頃のようです。三人ともしっかりと自分の能力を把握して暮らしてくださいね。私に話があれば教会でお話をしましょう」
そう言ってヴェルドは、タクマ達を送り出してくれるのだった。
10 葛藤
無事に付与が終了した三人は、何処にも寄る事なくまっすぐ帰宅した。
リュウイチ達は疲れたようで自室へ戻っている。タクマもいったん帰宅したのだが、一人で祠へ移動した。誰もいない所で少し考えたい事があったのだ。
祠に着くとテーブルセットを出してコーヒーを淹れる。そしてコーヒーを一口啜り一息ついた。
「ふう、半戦神か。いよいよ人でなくなったな……」
あの場では冷静に受け止めたつもりだったのだが、思いの外動揺しているようだ。カップを持つ手も少し震えている。
「確かに力は力でしかない。力を得たからといって、ウチの家族達は変わらないと思う。だが、種族はどうだ? 確かにこの世界にはたくさんの種族がいる。俺自身は種族によって人を判断する事はないが、他の人は違うかもしれない。しかも半分とはいえ、神と名の付く種族になってしまった」
誰に語るでもなく独り言を呟くタクマ。そんな彼の前に、水の精霊のアルテとナビが現れた。
「どうしたの? タクマが悩んでいるなんて。ヴェルド様の所で何かあったの?」
「アルテか。まあ、俺もたまには悩むさ。生きているといろんな悩みは付き物だ」
「そうなの? でも、一人で考えているって事は、話したくないの?」
そう聞くアルテに何と言って良いか考えていると、ナビが代わりに話し出した。
「マスター。私が説明してもよろしいですか?」
「ああ……そうだな。俺はうまく説明できないから頼めるか?」
タクマはナビに説明を任せた。
ナビはタクマの身に起きた変化について、アルテに細かく話していった。
ナビの説明を最後まで聞き終え、アルテが尋ねる。
「で? リュウイチ達の能力付与をノリで決めたせいで、自分は更に多くの能力を付与された。そしてその結果、種族が変わって神の領域に足を踏み入れたと……馬鹿ねぇ、真剣に話し合っていたら結果は違っていたかもね」
「返す言葉もない」
「それで、種族が変わった事を告白したら、みんなが怖がったりすると思って悩んでいるの?」
「そうかもしれないな。さすがに自分達とかけ離れた存在だと知られたら怖いっていうのもあるかもしれないから……」
「タクマは自分の家族を侮ってない? あなたの家族はタクマだからこそ、ついてきてくれているのだと思うわ」
アルテはゆっくりとタクマに言い聞かせる。
「子供達だってあなたの本質を見て懐いているの。大好きなお父さんがどんな種族だって関係ないと言うでしょうね。思い切って言ってみたら? 本質を見極める事に特化している精霊の私が言うのだから、きっと大丈夫」
アルテに言われて、タクマはようやく気づく事ができた。理解しているつもりだったのだが、実感したのだ。
タクマがみんなを支えているだけではなく、みんなもタクマを支えてくれている事に。
「そうか……そうだよな。みんなは俺を信じてついてきてくれているのに、俺が信じ切れていないんじゃ申し訳ないな。ありがとう、アルテ。今夜にでもみんなに話しておこうと思う」
「べ、別にお礼を言われるほどの事は言ってないわ!」
照れ臭そうにそっぽを向いたアルテは、少し赤くなっているようだった。
「も、もう、考え事はないんでしょ? 戻りましょうよ」
「ああ、そうだな。帰ろうか。ナビもありがとう」
「いえ、私にとってマスターは親にも等しい存在なので、元気でいてほしいだけです」
普段クールなナビも照れているようで、少し赤くなっていた。
タクマは自宅に戻ってくると、さっそく行動に移すべくアークスを呼んだ。
「おかえりなさいませ」
「ただいま。あのさ、今夜の食事はみんな揃って食べたいんだ。急だけど大丈夫かな?」
「ええ、大丈夫です。いつも通り庭で行いましょう」
「ありがとう。その時、みんなに大事な話があると伝えておいてくれ」
アークスはさっそくみんなに伝えに行ってくれた。家に帰ってきていた子供達はタクマの様子が少し違っているのを感じ取ったのだろうか、傍を離れようとしない。
「お父さんどうしたの?」
「何か辛いの?」
タクマは自分を心配してくれる子供達を優しく撫でてやる。祠でアルテと話した事を思い出し、思わず笑みが零れた。
「辛くないよ。心配してくれてありがとう。今日は庭でご飯を食べたら、俺の事をみんなに話そうと思うんだ。だから、ちょっとだけ緊張してるだけだよ」
「お父さんの事?」
「そう、みんなも俺の生まれた所や、どうやって生きてきたかを聞いてなかっただろ? 良い機会だから、すべて話しておこうと思ったんだ。みんなの過去を聞いたのに、俺が話さないのも不公平だしな」
タクマは子供達にも分かるように、ゆっくりと噛み砕いて話してやる。
「僕、お父さんの事知りたい!」
「私も!」
「お父さんの子供の頃も聞きたい!」
「そうか。じゃあ、小さい頃の話もしようか。そんなに面白い話でもないけどな」
そう言ってタクマはヴァイス達も近くに呼んでやり、食事の時間になるまでスキンシップをするのだった。
11 愛情
みんなが集まった庭で食事が始まった。
全員、思い思いの場所で食事をするが、子供達はタクマの事が心配なようで、傍を離れようとしなかった。
ヴァイス達は、タクマが何を話そうとも自分達が彼から離れる事はないと考えているので、いつものように食事に集中していた。
タクマが子供達の世話をしながら食事をしていると、カイルが近寄ってきた。
「よう。食事後に何か話があるんだって?」
「ああ、ちょっと俺の事で、話さないといけなくなってな……」
タクマが言葉を濁していると、カイルは真面目な顔で聞く。
「もしかして……」
「俺が異世界から来たというのは何人かが知っているけど、知らないみんなにも教えようと思っているんだ。それに、もっと大変な話もしておかないといけない」
「へえ。それは重要そうだが、お前がそんな顔をしていると子供達が心配するじゃねぇか」
どうやら緊張が表情に出ていて、子供達を心配させたようだ。
「何を話すにしても、ここの奴らは全員受け入れるだろうよ。子供達はお前の事が大好きだし、大人達は信頼している。そんなに緊張する必要はないだろう?」
「ああ……そうだな。ちょっと緊張しているだけだから、話してしまえばスッキリできると思う」
「それならいいけどよ。ま、どんな話があるのか楽しみにしてるよ」
そう言ってカイルは食事に戻っていった。
食事が終わり、アークス達が片付けを終わらせて、全員が庭に集まった。みんな、話を聞くためにタクマの前に座っていた。
「じゃあ食事も終わったし、話を始めようか。これは俺の生まれや、新しく来たリュウイチ達の生まれにも関係している事だ」
そう切り出して話を始めた。
自分がどうやってこの世界に来たか、そしてこの湖に居を構えるまでの流れを順番に話していく。みんな、物語を聞くように静かに聞いてくれていた。
更にタクマは今日あった事を細かく話していく。種族が変わってしまったというのを伝えたところで、ファリンが口を開いた。
「種族が変わるって大丈夫なの? 体の構成も変わるって事だから、負担があったんじゃないの?」
「初めて能力を与えていただいた時は相当の負荷があった。だけど、今回の能力の付与と種族変更にはまったくと言っていいほど負担はなかったんだ」
タクマの負担はなかったという言葉に、みんなが安堵の表情を見せてくれる。
次はカイルが尋ねてきた。
「で? お前は種族に神の名前が付いた事で、みんなに畏怖されると思っていたのか?」
「そこまでは思っていないが、多少は気持ちの変化はあるだろうと考えていた。自分達の近くに化け物のような力を持った奴がいるんだぞ? 誰だって怖く思うに……」
タクマが最後まで言う前に、子供の一人が叫ぶように声を上げた。
「お父さんは化け物じゃないよ!」
タクマが子供の方へ顔を向けると、涙を浮かべながらタクマの事をまっすぐ見ている。
「お父さんは化け物じゃない! 僕達のお父さんはやさしいもん! 僕達を拾って家族にしてくれたし、たくさん人をたすけてるもん! だから、だから……」
小さな手を固く握りしめて叫ぶけれど、それ以上言葉にならないようだった。
「そうだな。本当に化け物だったなら、俺達全員生きてないだろうな」
「カリオ……」
「そうね。私達も殺されていたでしょうね」
「ファリン……」
次々に家族達は、タクマを人として認めてくれる発言をしていく。
「な? 俺の言った通りじゃねえか。ここにいる奴らはタクマだから信頼し、尊敬しているんだ。だから、お前の種族がなんだろうと関係ないんだよ」
「カイル……そうだな。自分を卑下するような事を言ってしまってすまん」
「気にすんなよ。それよりも子供達と話してやった方がいい」
カイルに促され、タクマは子供達の目線に合わせて話し出した。
「ごめんな、自分の事を化け物なんて言ってしまって。でも嬉しかったよ。みんなが俺を人として認めてくれて。みんなは俺にとって最高の存在だ」
タクマがそう話すと、子供達の目からは今まで我慢していた涙が堰を切ったように流れ出した。
「お、おどうざん……」
「おとーさーん!」
「うわーん!」
一斉に泣き出してしまった子供達を慰めるタクマもまた涙を流していた。それを見ていたヴァイス達は、タクマが本当の意味でみんなと家族になったと感じた。
子供達はいつまでたっても泣き止むそぶりを見せない。
「ねえ、話は終わったんでしょ? だったら今日は子供達と一緒にいてあげたら? きっと離れたくないでしょうし」
ファリンはそう言って、お開きにしようと提案する。
「そうだな。そうしようか」
「その前に私からも言わせて。タクマさん。私達は家族なんでしょ? だったら、種族を気にする必要はないわ。ここの家族に種族は関係ないんだから。みんなもそうよね?」
周りにいる者全員が強く頷いた。
「みんな……ありがとう。それと家族になってくれてありがとう」
全員、タクマの言葉に照れ臭そうにしながら、各自の家へと帰っていった。
「ほら、そろそろ泣くのを止めて部屋に行こう。今日はヴァイス達も含めたみんなで過ごそう」
「い、いいの……?」
「ああ、俺の子供の頃の話も聞きたいんだろう? まだ夜になったばかりだからゆっくりと話そう」
その言葉でようやく泣き止んだ子供達と共に、タクマは自室へと戻るのだった。
12 子供達とのひと時
「ねー、お父さんは寂しくない?」
「ん? なんでだ?」
タクマの部屋に移動した子供達はさっそく質問を始める。
「だって、お父さんは一人でこっちへ来たんでしょ? お友達とかもいないし、寂しくなかったのかなーって」
「そうだなぁ。俺は寂しくなかったかな。飛ばされてきてすぐにヴァイスが追ってきてくれたから。そこからゲール達が増えていって、今はお前達もいる。寂しくはないし、とても幸せだと思っているよ」
タクマは子供達に向けてそう言ってやる。
「えへへ。僕達もしあわせー」
「ぼくもー」
「わたしもー」
はにかんだ笑顔を見せながら抱き着いてくる子供達を、タクマは優しく撫でてあげた。
「僕達ね。お父さんの家族になれてしあわせ。毎日温かいご飯が食べられて、毎日暖かいお布団で寝られてるの。それにお勉強もいっぱいさせてくれて……とにかくいっぱい幸せ!」
「そうか。そう言ってもらえると俺も嬉しいよ」
「ヴァイス達もいっぱい遊んでくれるから大好きだよ!」
子供達はヴァイス達に抱き着き、モフモフしだした。
「アウン!(俺も子供達好きー!)」
「ミアー(みんな太陽の匂いするの)」
ヴァイス達が子供達を好きだと言うのを聞いていると、子供達から質問が来た。
「お父さん、ヴァイス達なんて言ってるの?」
「ん? みんなお前達が大好きだってさ。いつも一緒に遊んでいるから仲良しだろ?」
「うん! ヴァイス達は走るの速いから追いかけるの大変だけど、ちょっとずつ追いつけるようになってるの」
「私はゲールに乗せてもらったの!」
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子供達は、ヴァイス達と遊ぶ事がどんなに楽しいかを話してくれた。
みんな最初はヴァイス達の体力についていけなかったらしいが、最近では長い時間一緒に遊べるようになっているそうだ。
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