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ヘルマンス
第59話 従魔との再会
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お茶会という名の下に開かれた話し合いも終わり、僕は従魔に会いたいと思いその旨を伯爵様に伝えました。
「それもそうだな。では移動しよう。」
あれ?全員で行くのですか?
僕は立ち上がったまでは良かったのですけど、まだ足元がフラフラして満足に歩けません。
「ロキュスさん、行きましょ!」
「私達が支えるわ!」
プリスカ様は同じ年齢なので良いのですけれど、カトリナ様は2つ下の10歳。
どう考えても僕を支えるのは厳しいと思います。
そこはほら、僕小さいですから、2つ年下のカトリナ様は僕と背の高さが殆ど変わらないという、ちょっと悲しい事実があったりで、そのまま2人は外まで支えてくれました。ちょっと悲しい。
《伯爵様の屋敷・お庭》
子爵様のお庭も広かったのですけれど、伯爵様のお庭は他と比べる事自体無駄と言わんばかりの広さを誇り、奥には鬱蒼と生い茂った森のような木々が見えています。
そんな木々が生い茂っている場所を従魔達は好んで過ごしていると聞かされ、そちらに向かいます。
流石に1週間寝たきりだった体には無理があったようで、僕は2人の支えで辛うじて進んでいました。しかし身体は限界を迎え、とうとう降参してしまいました。
「ごめんなさい!ずっと寝たきりだったのですから、こうなる事は分かっていたはずなのに!私のバカ!!」
「ど、どうしましょう!」
後ろでは大人の方が見守って下さっています。
そんな中フェクトルさんが指を口に当て、
『ピ――――――――!』
と笛のような感じで鳴らしています。
暫くして背に何かを乗せた天馬がこちらに向かってきます。
それより早く地面が盛り上がり、ワームが出てきました。
【主!寂しかったよー!!!】
ワームのアスワムちゃんとその眷属達。
アスワムちゃんは僕に向かって飛び跳ねて、そんなアスワムちゃんを受け止めます。
何だかずっしりとした重みがある気がしました。大きくなった?
アスワムちゃんを見ていると、大きな天馬が傍に来ました。どうやら天馬は天ちゃんのようですね。その後ろには数頭の天馬が。
天ちゃんの背にはスライム達が沢山います。
そして一斉に飛び降りていきます。
【ご主人!待っていたよー!!】
スラちゃんが元気よく飛び跳ねています。
そして僕の頭上へ。
器用に頭上でも飛び跳ねています。
足元にはワーム達と共に、小さなスライム達が元気よく飛び跳ねています。
【我が主よ、我が背に乗ってはどうか?】
天ちゃんです。すっかり良くなった様子。
翼はどうなのかな?畳んでいると馬と変わらないので、どうなっているのかまでは分かりません。
「みんなに会いたかっただけだから、大丈夫だよ。それよりも元気になったようでよかった!」
天ちゃんは僕に頭を下げています。思わず撫でました。
周囲の大人達は、そんな僕と天ちゃんの行動に驚いている様子です。
どうしたのかな?
「天馬の頭を撫でているぞ!」
「信じられないわ!」
「本当に服従しているんだ!」
何の事でしょうか。
すると天ちゃんより一回り小さな天馬が、僕の傍にやってきました。
【我が夫を助けて頂き、感謝いたします。それに我が子を助けて頂いた事、一生忘れません。】
どうやら天ちゃんの奥さんです。
ええと、天ちゃん以外は眷属なんだよね。今まで気が付かなかったので何とも思っていなかった事実。
そう、眷属との意思疎通をこうして念話として成立するのって初めてなんです。
眷属スライムと眷属ワーム。行動で何となくわかるので今まで何とも思っていませんでした。
それにスラちゃんとアスワムちゃんから、眷属達の意志を伝えてもらっていたので不自由と感じていなかった事も大きいかな。
こうして天馬の眷属と意思を直接図る事が出来るのは不思議な気分です。
「ええと、僕や他の人が発する言葉は分かるのかな?」
一応確認です。
【我が夫の主である貴方限定でしたら言葉も分かります。他の人族の言葉は全てが理解出来る訳ではないのですわ。ただ、何となくであればわかりますのよ。もし背に乗せろと言われたら、右に左へ、遅く早くなどは分かりますわ。】
これはどういう意味でしょう。
天馬達は人を乗せてもいいと言っているのでしょうか。
【我が主よ、望むのであれば人を我らの背に乗せよう。若しくは車を曳く事をやっていい。既にここまで我が主を運ぶ為にそうした。】
馬車ならぬ天車ですか。
「それもそうだな。では移動しよう。」
あれ?全員で行くのですか?
僕は立ち上がったまでは良かったのですけど、まだ足元がフラフラして満足に歩けません。
「ロキュスさん、行きましょ!」
「私達が支えるわ!」
プリスカ様は同じ年齢なので良いのですけれど、カトリナ様は2つ下の10歳。
どう考えても僕を支えるのは厳しいと思います。
そこはほら、僕小さいですから、2つ年下のカトリナ様は僕と背の高さが殆ど変わらないという、ちょっと悲しい事実があったりで、そのまま2人は外まで支えてくれました。ちょっと悲しい。
《伯爵様の屋敷・お庭》
子爵様のお庭も広かったのですけれど、伯爵様のお庭は他と比べる事自体無駄と言わんばかりの広さを誇り、奥には鬱蒼と生い茂った森のような木々が見えています。
そんな木々が生い茂っている場所を従魔達は好んで過ごしていると聞かされ、そちらに向かいます。
流石に1週間寝たきりだった体には無理があったようで、僕は2人の支えで辛うじて進んでいました。しかし身体は限界を迎え、とうとう降参してしまいました。
「ごめんなさい!ずっと寝たきりだったのですから、こうなる事は分かっていたはずなのに!私のバカ!!」
「ど、どうしましょう!」
後ろでは大人の方が見守って下さっています。
そんな中フェクトルさんが指を口に当て、
『ピ――――――――!』
と笛のような感じで鳴らしています。
暫くして背に何かを乗せた天馬がこちらに向かってきます。
それより早く地面が盛り上がり、ワームが出てきました。
【主!寂しかったよー!!!】
ワームのアスワムちゃんとその眷属達。
アスワムちゃんは僕に向かって飛び跳ねて、そんなアスワムちゃんを受け止めます。
何だかずっしりとした重みがある気がしました。大きくなった?
アスワムちゃんを見ていると、大きな天馬が傍に来ました。どうやら天馬は天ちゃんのようですね。その後ろには数頭の天馬が。
天ちゃんの背にはスライム達が沢山います。
そして一斉に飛び降りていきます。
【ご主人!待っていたよー!!】
スラちゃんが元気よく飛び跳ねています。
そして僕の頭上へ。
器用に頭上でも飛び跳ねています。
足元にはワーム達と共に、小さなスライム達が元気よく飛び跳ねています。
【我が主よ、我が背に乗ってはどうか?】
天ちゃんです。すっかり良くなった様子。
翼はどうなのかな?畳んでいると馬と変わらないので、どうなっているのかまでは分かりません。
「みんなに会いたかっただけだから、大丈夫だよ。それよりも元気になったようでよかった!」
天ちゃんは僕に頭を下げています。思わず撫でました。
周囲の大人達は、そんな僕と天ちゃんの行動に驚いている様子です。
どうしたのかな?
「天馬の頭を撫でているぞ!」
「信じられないわ!」
「本当に服従しているんだ!」
何の事でしょうか。
すると天ちゃんより一回り小さな天馬が、僕の傍にやってきました。
【我が夫を助けて頂き、感謝いたします。それに我が子を助けて頂いた事、一生忘れません。】
どうやら天ちゃんの奥さんです。
ええと、天ちゃん以外は眷属なんだよね。今まで気が付かなかったので何とも思っていなかった事実。
そう、眷属との意思疎通をこうして念話として成立するのって初めてなんです。
眷属スライムと眷属ワーム。行動で何となくわかるので今まで何とも思っていませんでした。
それにスラちゃんとアスワムちゃんから、眷属達の意志を伝えてもらっていたので不自由と感じていなかった事も大きいかな。
こうして天馬の眷属と意思を直接図る事が出来るのは不思議な気分です。
「ええと、僕や他の人が発する言葉は分かるのかな?」
一応確認です。
【我が夫の主である貴方限定でしたら言葉も分かります。他の人族の言葉は全てが理解出来る訳ではないのですわ。ただ、何となくであればわかりますのよ。もし背に乗せろと言われたら、右に左へ、遅く早くなどは分かりますわ。】
これはどういう意味でしょう。
天馬達は人を乗せてもいいと言っているのでしょうか。
【我が主よ、望むのであれば人を我らの背に乗せよう。若しくは車を曳く事をやっていい。既にここまで我が主を運ぶ為にそうした。】
馬車ならぬ天車ですか。
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