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外伝 リュークとエリザヴェータ

勇者さまって

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「ヒルベルト、また収納かばんを壊したそうだな。」
 あ、この声は分かる。
 皇太子様だ。
「あ?エムルント!俺様の事は勇者さまと言えって何度言ったらぶべごrsびゃ!」

 ・・・・最後の方は何を言っているのかわかりませんでした。
 何せ勇者さま?は皇太子さまに顔面を殴られ、吹き飛んでしまったからです。
「勇者!」
 お付きの人?そう言えば勇者さまといつも一緒に見かけるね、あの人。
 何度か勇者さまを見かけたけれど、必ずあの人が隣にいるんだよね。

「ったく!イディオ手を貸せよ。」
 もう1人は戦士かな?体格がいい人です。
 で、勇者さまが起き上がり、
「やってくれるじゃねえかエムルントよ。俺様のお陰で魔族の進行を食い止めてやっているって言うのに、それに比べりゃあ収納かばんのひとつやふたつ安いもんだろ?」
「馬鹿か!お前がどれだけ壊したか知っているのか?もう城にはひとつしかないのだぞ?これは皇帝陛下に万が一があった時、いざという時に使う為外には出せねえ!だから実質もうねえんだよ!どうすんだ?旅の荷物を全て背負うか?そういった人選してやんよ?」
 仲が悪いんだろうねこの2人。
「おいおいよせ!そんなのはイディオだけでいい!女性を!」
「・・・・てめえはどれだクズでも勇者だ。だから可能な限りてめえの要望通りに今までは女性を用意した。だがもう限界だ・・・・幸いな事に、今回は新たに聖女が誕生したので、彼女も旅に出ねえといけねえ・・・・これで最後だ。」

「ひょ――――!聖女ってか!俺的には性女でもいいんだが!だが・・・・そいつは旅に堪えられるのか?」
「心配ない。彼女にはお供がいる上に、今回は皇宮から宮廷魔術師見習いを付ける。」
「あ?おいおいまさかてめえがお気に入りのエリザヴェータじゃねえよな?」
「妹は留学中だ。皇宮からと言っても血はかなり薄い・・・・まあいい。そろそろ皇帝陛下がやってくる。」

 ・・・・僕の後ろにいる女性の事かな?あとやっぱり皇帝陛下と会うんだ、あーこういうのって何だっけ。

 その後謁見はまず勇者が収納かばんをまたもや使い物にならなくしてしまった事を責め、その替わりを用意した、と説明が。
「・・・・で、彼がちょうどいいだろう。」
「あ!一寸待てよ!野郎じゃねえか!テンション下がるんだよ!」
「ヒルベルトよ、彼は冒険者としての実績がある上に商人だ。空間魔法の使い手故に荷物を運ぶのにも適しているのだ。今回は聖女アルフォンシーナとビーチェ、空間魔法の使い手リューク、そして宮廷魔術師見習いとなってはいるが実際は見習い以上な実力を持つ、つまりもう宮廷魔術師であるレーツェルを新たなメンバーとしてダンジョンに臨むのだ。」
「で、俺の聖女様は何処にいるんだよ!」
「彼女は明日来る。」

「そうか。じゃあ聖女様が来たら知らせてくれや。」
 勇者さまって性格に問題がありそう。
 まさか皇帝陛下にあんな口を利くなんて。
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