上 下
800 / 899
外伝 リュークとエリザヴェータ

命の水だよ!

しおりを挟む
  僕達勇者パーティーは今、安全地帯と言われている場所で休憩中です。
 聖女さまは魔力枯渇により動けない状態なので、ビーチェさんが傍に控えていて横で寝ています。
 そして気が付けば、ビーチェさんも半ば倒れる感じで寝てしまっていました。

 そして勇者さまとイディオさんですが、何やら懐から取り出し、また喫煙?そう思ったのですが何やら様子が変です。

「お、おおお?いいじゃねえka!イケてるze!キてるキてる!来てるze!」
「流石は勇者!効くのが早いな!俺はまだ・・・・うひょ?」

 お酒でも飲んでいるのかと思ったのですが、それにしても様子が変です。
 先程から変だと思ってはいたのですが、何か分からないものの僕が理解できる範疇を超えているようです。

「まさかとは思ったけれど、薬のようね。セアリアス帝国では使用するのを禁止しているのよ、あの手の薬は。」

 レーツェルさんは何やら難しい顔をしながら2人の様子を見ていたのですが、そんな呟きともいえる言葉を僕に。
 薬って何の事ですか?
「あの、薬って何ですか?回復薬や薬草なんかの事でしょうか?」
 尤も回復薬も元をただせば薬草が主な成分。

「脳に直接影響が出る、一種の麻薬ね。酷い怪我人がいれば、回復させるまでの一時しのぎに用いる事もあるようだけれど、そんなのは例外中の例外。一度使用したら依存度の高さが酷いからと、かなり前から使用はおろか、所持すら禁止されているのよ。」
 そんな危険な薬があるんだ。
「知りませんでした。ロニーさんもそのような薬は扱っていませんでしたし、聞いた事もなかったです。」
 僕はレーツェルさんに返答しました。
「知らなくて当然。密輸が発覚すれば死罪になるから、真っ当な商人はそんなリスクを負ってまで仕入れないわね。ただ問題なのはそれを行う商人がいるって事ね。」
 レーツェルさんは物知りです。
 僕が知らない事を沢山知っていますし、機嫌がいい時は惜しみなく教えてくれます。
 今のレーツェルさんは表情こそ険しいですが、僕に対する機嫌?はいいようです。
「そんな商人がいるんですね。」
 聞いた事もないや。
「それはそうでしょうね。他国の商人ですから。それよりあの2人、暫くは無理そうね。何故薬に手を出したのかしら。ただでさえ素行がよくないのに、あれでは今後勇者として活動できるか怪しいわね。」
 既に勇者さまとイディオさんはテンションが変です。
 そんな中イディオさんが僕の所にやってきて、
「出せ!」
 出せって何を?
「あの、何を出しますか?」
「決まってるじゃねえか!命の水だよ!」
 そう言えば樽ごと仕舞っていたっけ。
「あ・・・・何処に出しますか?」
「何処ってそりゃあ・・・・勇者の所だ!」
 その後樽を出したのですが、勇者さまとイディオさんは寝るまで・・・・半ば倒れるように寝てしまいましたが・・・・命の水を飲んでいました。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

冒険がしたい創造スキル持ちの転生者

Gai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:5,652pt お気に入り:9,009

極悪チャイルドマーケット殲滅戦!四人四様の催眠術のかかり方!

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:596pt お気に入り:35

異世界で新生活〜スローライフ?は精霊と本当は優しいエルフと共に〜

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:19,288pt お気に入り:711

ドラゴン☆マドリガーレ

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:930pt お気に入り:669

転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:213pt お気に入り:358

離縁するので構いません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:36,568pt お気に入り:438

田舎で師匠にボコされ続けた結果、気づいたら世界最強になっていました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:482pt お気に入り:581

処理中です...