有栖と奉日本『翔べないツバサ』

第四章：旗揚げ記念日

有栖_4-2

　興業が開始するまでに、有栖と反保は最後の聞き込みを行った。何について聞くのかは予め決めており、それは――



　有栖はミサゴ選手、ハルカ選手に聞き込みを行い、反保はスタッフを中心に聞き込みを行った。
　その結果に二人は首を傾げた。そして、二人は合流し、情報を共有し、そしてまた、二人は顔を見合わせて首を傾げた。

「嘘をついているようには思えませんでした」
「それは、こっちも」
「どういうことでしょうか？」
「いや、どうもこうも……そういうことでしょ？」
「だとしたら、残すは藤内選手ですけど」
「まだ来てないらしいわね」
「どうしましょうか」
「ひとまずは京さんにところに戻ろう。情報を展開した上で次の一手を考えよう」
「棚神選手はどうします？」
「それも京さんに相談」
「はい」

　二人は駆け足で京のいる場所へと戻って行った。