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花に嵐
なんてお似合いなんでしょう。
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幸いと言うか、流石高級ホテルの中にあるブティック。俺でも着られるサイズのスーツがあって、双子が出会った記念にって買ってくれることに。いや、遠慮はしたよ。でもさ、それが嫌なら別のがいいのかって女装させられそうになったから、つい「これでいいです!」って言っちゃったんだよ。
広い試着室で買ってもらった服に着替えた。その時からちょっと違和感はあったんだ。レストランの前まで行った俺を見て、何か言う前に噴出した母さんを見て確信。
「そっか、真琴はそういう系のほうが似合うのか。うん、似合う似合う。少なくともこっちのほうが、ウチにあるスーツより七五三っぽくなくていいわね」
「やっぱコレ、女モンじゃん!」
「違うわよ、ほら、ボタンの合わせが制服と一緒でしょ? 一応どっちでも着られるようなデザインになってるのよ。多分、ターゲットはユニセックスな恰好が好きな女性だろうけど」
やっぱり女物じゃないかー! この服がかかってたとこみてて違和感あったのそのせいか! やたらウエストが細いと思ったけど、女物なら納得だ。
「しょーがねぇじゃん、マコに合うサイズで着られそうなのそれくらいだったろ。それとももっと女の子っぽいのがよかったか?」
「やだよ! ってか、藤也はずーっともっと女の子っぽいのばっかり選んでたじゃねえか!」
ひらひらぴらぴら。果てはワンピース引っ張り出してきたようなヤツに言われたくないっ!
服を選んでた時、さん付で呼んだら、男同士なんだから呼び捨てるように言われて、年の差考えてもどうだろうって思ったけど、さん付けて呼んだら二人同時にそっくりな、イヤそうな顔をされた。
藤也は早々に縮めて『マコ』とか呼びだしたけど、小さいころは幼馴染やその兄貴たちにそう呼ばれてたし、別に変な感じはしない。んで、柊也は俺のこと君付けじゃないかって言ったら『ちゃん付けならいいのか』って真面目な顔で返されたから『君付けでいいです』って丁重にお断りして、俺のほうはもう開き直って二人とも呼び捨てだ。
女装でもさせようかって感じの藤也に笑いながら、店員さんが柊也と一緒に選んでくれた服の中で、一番シンプルだったのがこれだったんだ。
「大丈夫ですよ。似合っているし、ちゃんと男の子に見えますから」
「うん。女の子には見えないよ。かわいいけど」
よかった。柊也と彰一郎さんは常識人で。でも彰一郎さん、最後のは余計だよ……やっぱそういうとこ母さんにお似合いだ。
広い試着室で買ってもらった服に着替えた。その時からちょっと違和感はあったんだ。レストランの前まで行った俺を見て、何か言う前に噴出した母さんを見て確信。
「そっか、真琴はそういう系のほうが似合うのか。うん、似合う似合う。少なくともこっちのほうが、ウチにあるスーツより七五三っぽくなくていいわね」
「やっぱコレ、女モンじゃん!」
「違うわよ、ほら、ボタンの合わせが制服と一緒でしょ? 一応どっちでも着られるようなデザインになってるのよ。多分、ターゲットはユニセックスな恰好が好きな女性だろうけど」
やっぱり女物じゃないかー! この服がかかってたとこみてて違和感あったのそのせいか! やたらウエストが細いと思ったけど、女物なら納得だ。
「しょーがねぇじゃん、マコに合うサイズで着られそうなのそれくらいだったろ。それとももっと女の子っぽいのがよかったか?」
「やだよ! ってか、藤也はずーっともっと女の子っぽいのばっかり選んでたじゃねえか!」
ひらひらぴらぴら。果てはワンピース引っ張り出してきたようなヤツに言われたくないっ!
服を選んでた時、さん付で呼んだら、男同士なんだから呼び捨てるように言われて、年の差考えてもどうだろうって思ったけど、さん付けて呼んだら二人同時にそっくりな、イヤそうな顔をされた。
藤也は早々に縮めて『マコ』とか呼びだしたけど、小さいころは幼馴染やその兄貴たちにそう呼ばれてたし、別に変な感じはしない。んで、柊也は俺のこと君付けじゃないかって言ったら『ちゃん付けならいいのか』って真面目な顔で返されたから『君付けでいいです』って丁重にお断りして、俺のほうはもう開き直って二人とも呼び捨てだ。
女装でもさせようかって感じの藤也に笑いながら、店員さんが柊也と一緒に選んでくれた服の中で、一番シンプルだったのがこれだったんだ。
「大丈夫ですよ。似合っているし、ちゃんと男の子に見えますから」
「うん。女の子には見えないよ。かわいいけど」
よかった。柊也と彰一郎さんは常識人で。でも彰一郎さん、最後のは余計だよ……やっぱそういうとこ母さんにお似合いだ。
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