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遠慮なければ近憂あり
なに誘導されてる俺!?
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俺の手とちょうど同じ大きさの画面。
全裸の引きから、泣いてぐずぐずになった、疲れ切ったような閉じた目元のアップ。
また少し引いて、自分のモノとは思えないほど赤く腫れた乳首から、臍。
その間に点々とついている赤い鬱血の痕を追うようにして、自分では上からしか見たことなかった、足の付け根の辺り。
今朝起きた時にはちゃっかり皮をかぶっててちょっとガッカリだったそこは、まだ顔を出している。ただし、鈴口の括れの、ただくぼんだだけのはずの場所から、ありえないものを突き出したまま。
刺激を受け続けていたせいか、きゅっと締まったままの袋。短い会陰の向こうの、昨夜、双子を受け入れてしまった窄まりは、もちろん自分じゃ一度も見たことがない場所だ。
本来の用途外に使われたソコは、赤くて腫れぼったい。散々入れられた潤滑剤がまだ乾かず、てらりと光っている。
そんな部位をいちいち、止まって映したあと、最初と同じように、俺の全身が映るような位置までカメラが引く。
「ふああぁんっ!」
それまで誰の声もしなかったのに、突然、耳が溶けるような甘すぎる嬌声が入る。
びっくりして体を固くした俺を、藤也が一度椅子に降ろして、何も言わずに頭からすっぽり、自分が着てたサマージャケットをかけて、何事もなかったかのように抱え直した。
白い麻地の裏なしジャケットだから、被(おお)われても暗くない。けど、他からは俺は見えないだろう。
男が抱きかかえられてて恥ずかしいだろうとか、こんな動画みてるからかなとか、いろいろ思うけれど、なんつーか、こういう気遣いは藤也らしいと思う。
行きますか、お姫様。と、軽口が聞こえて、ドアが閉まったり、エレベーターに乗り込んだり。そんな間も、俺は生唾飲み込みながら、その動画を見続けた。
それが自分の声だと、一瞬理解することを拒みたくなる。だけど、画面の中では、真っ赤に腫れた乳首を、カメラを持っている柊也の空いた手で弄られて、身を捩りながら口を開いているのは、俺だ。
「んンッ! っくび、ぃった……痛ッ やめぇ……」
舌足らずな声と、柊也の忍び笑い。藤也の溜息。
「柊也、遊んでないで」
「仕方がないじゃないですか。こんなにかわいらしい乳首を晒している真琴が悪いんですよ?」
カメラがざっとブレて、浴室の壁を映しながら、俺の啼き声と一緒にちゅぱっとか、ちゅくっとか、濡れた音が聞こえる。マイクもむかつくほど高性能だ。
「舐められるのは気持ちいのか? マコ?」
「ふぅ くぅんッ イッああああっ!」
「指と舌、どっちが気持ちいい?」
「あぁッ あっ あっく。舌……し、た……のが、イイッ 指、ギュって、痛ぁ……ぃ」
映ってなくてもわかる。片方を柊也に舐められて、片方を藤也に捻られたんだ。
閉じた洗濯バサミをそのまま外された乳首は、先端の部分までひどく敏感になっていて、今だって、ちょっとシャツと擦れただけでピリっとした痛みをもたらすのに、指で摘ままれたりしたら、きっと涙がにじむくらい痛い。
「マコは乳首舐められるの好き?」
「んっ すき」
うああああああ! なに誘導されてる俺!?
全裸の引きから、泣いてぐずぐずになった、疲れ切ったような閉じた目元のアップ。
また少し引いて、自分のモノとは思えないほど赤く腫れた乳首から、臍。
その間に点々とついている赤い鬱血の痕を追うようにして、自分では上からしか見たことなかった、足の付け根の辺り。
今朝起きた時にはちゃっかり皮をかぶっててちょっとガッカリだったそこは、まだ顔を出している。ただし、鈴口の括れの、ただくぼんだだけのはずの場所から、ありえないものを突き出したまま。
刺激を受け続けていたせいか、きゅっと締まったままの袋。短い会陰の向こうの、昨夜、双子を受け入れてしまった窄まりは、もちろん自分じゃ一度も見たことがない場所だ。
本来の用途外に使われたソコは、赤くて腫れぼったい。散々入れられた潤滑剤がまだ乾かず、てらりと光っている。
そんな部位をいちいち、止まって映したあと、最初と同じように、俺の全身が映るような位置までカメラが引く。
「ふああぁんっ!」
それまで誰の声もしなかったのに、突然、耳が溶けるような甘すぎる嬌声が入る。
びっくりして体を固くした俺を、藤也が一度椅子に降ろして、何も言わずに頭からすっぽり、自分が着てたサマージャケットをかけて、何事もなかったかのように抱え直した。
白い麻地の裏なしジャケットだから、被(おお)われても暗くない。けど、他からは俺は見えないだろう。
男が抱きかかえられてて恥ずかしいだろうとか、こんな動画みてるからかなとか、いろいろ思うけれど、なんつーか、こういう気遣いは藤也らしいと思う。
行きますか、お姫様。と、軽口が聞こえて、ドアが閉まったり、エレベーターに乗り込んだり。そんな間も、俺は生唾飲み込みながら、その動画を見続けた。
それが自分の声だと、一瞬理解することを拒みたくなる。だけど、画面の中では、真っ赤に腫れた乳首を、カメラを持っている柊也の空いた手で弄られて、身を捩りながら口を開いているのは、俺だ。
「んンッ! っくび、ぃった……痛ッ やめぇ……」
舌足らずな声と、柊也の忍び笑い。藤也の溜息。
「柊也、遊んでないで」
「仕方がないじゃないですか。こんなにかわいらしい乳首を晒している真琴が悪いんですよ?」
カメラがざっとブレて、浴室の壁を映しながら、俺の啼き声と一緒にちゅぱっとか、ちゅくっとか、濡れた音が聞こえる。マイクもむかつくほど高性能だ。
「舐められるのは気持ちいのか? マコ?」
「ふぅ くぅんッ イッああああっ!」
「指と舌、どっちが気持ちいい?」
「あぁッ あっ あっく。舌……し、た……のが、イイッ 指、ギュって、痛ぁ……ぃ」
映ってなくてもわかる。片方を柊也に舐められて、片方を藤也に捻られたんだ。
閉じた洗濯バサミをそのまま外された乳首は、先端の部分までひどく敏感になっていて、今だって、ちょっとシャツと擦れただけでピリっとした痛みをもたらすのに、指で摘ままれたりしたら、きっと涙がにじむくらい痛い。
「マコは乳首舐められるの好き?」
「んっ すき」
うああああああ! なに誘導されてる俺!?
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