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雀の上の鷹、鼠の上の猫
天の神様、いい迷惑だと思う。
しおりを挟むお尻。って。こーとーはー!!!
ギャ――――!!!
二度あることは三度ある。逃げなくてはと考えてから行動するのでは、この双子の魔手を逃れることはできない。
ダブルらしきベッドはやたらとだだっ広い、うん、多分十二畳くらいはありそうな部屋の部屋のなぜか端っこ、壁に接して置かれてて、最初から俺に逃げ場なんてなかったんだけど、壁をスライドするように移動してたら、すぐにがっしり掴まった。
簡単に、あっさり転がされてトランクス奪われて、太ももくらいまであるシャツがめくれ上がるのも気にしないで、必死にじたばたしてたら、突然手足が動かなくなった。
原因は、両手両足のリストバンド。気づかなかったけど、なんかそれにもフック部分があって、あっという間に手足、纏められた。それも、右手と右足、左手と左足で。そんな風に固定されてうつぶせにされたら、自然とひざが折れてお尻が上がってしまう。
「うわっ ナニコレ卑怯ッ!!」
無駄に足掻いたせいで、大人しくしてたらお尻も隠れてたであろう長さのシャツは腰のあたりまでしかない。
手ぇ動くけど、動かそうと思ったら足まで動く!! しかも思ったとこまで届かねぇ!!
足が動いたら必然的に開くわけで。
慌てて手を動かした結果、晒さなくていいとこ晒しちゃって、もちろんすぐに閉じたけど、絶対見られたって思ってそーっと振り返ったら、柊也がニヤリ、藤也がニタリって感じで笑い返してきた。
「おやおや」
「あーあ。もどっちゃってんじゃん」
「もー!! バカアホ変態ッ!!」
戻りましたよ!! どーせ戻っちゃったよ!! そうそう簡単に剥けっぱなしにはなってくれないんだな……
俯せたままだと、足が上手く閉じきらなくて、体育座りみたいな状態でとにかく開かない様にぎゅーっと、足を抱いて横向きに転がって、背後に立つ双子を睨みつける。
「変態であることは認めますが、真琴よりはいろんな知識が豊富ですから、前の二つの単語は戴けませんね」
「ひうッ!!」
横向きになったのに、ころんと簡単にまた俯せにされて、たらり、と、お尻にひんやり、ねっとりした液体が垂らされた。
「俺は別に。マコとイイコトできるなら、バカでもアホでもなりましょうってもんでしょ。マコー? ころころと、くねくねと、もさもさと、つぶつぶ。どれがいい?」
俺の頭の方に、藤也がどっかりと腰かけて、例の箱を俺にも見えるように、って言うか、見せる為にナナメにした。
「どれもヤダ!!」
「ふーん。んじゃ、俺が決めようっと。どーれーにーしーよーかーなー♪ 天の神様の言うとおり。なのなのなっ 柿の種ー 猫のしっぽだよー」
二択三択、選べない時の、常套句で、藤也が楽しそうにブツが並んだ箱に向かって人差し指を振っている。
天の神様、こんなもの選ばされていい迷惑だと思う。
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あけましておめでとうございます。
年の初めから天の神様、大変なことさせられていますが通常運転です。
天の神様に選んでいただくための呪文は各地方や年代で違うので、違和感あったらごめんなさい。
うちの方では「鉄砲撃ってバンバンバン」とかもあります。
天の神様の言う通りのあとの言葉は大体どれも奇数なので、どれかか選べないからこれを行ってみたところで無意識にほしいものになるよう調整できる魔法の呪文です。
こんな感じですが、今年もよろしくお願いいたします。
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