65 / 129
雀の上の鷹、鼠の上の猫
初めて見ましたが、これって世に言う……
柊也が長さ五十センチくらいはあろうかってこれまたふっさふさの尻尾を取り出してきてやっと思い出したんだ。ホテルでの双子の会話。
そしてまた、マヌケにも聞かなくていいことを聞いてしまったんだ。
「え、しっぽはいっぽん?」
って。
だってさ、それまでのパーツがご丁寧にすべて二種類だったわけよ。尻尾も長さとか違いがあるのが出てくるのかなーって思うのが当然の思考じゃない?
あと、どうやってつけるのかもわからなかったし。
そん時、俺、双子の宣言通り、素っ裸だったわけではなかったんだけど。サイズの合ってないシャツとこっちは自分のトランクスだけ履いてる状態は、この双子にとって、素っ裸とあんまり変わらなかっただろう。
俺がホテルに着て行った服は、ドレスコードに合わせた服で、それを着たままベッドで寝るってのは以ての外。
藤也にパジャマとかないのかって聞いたら、それこそいつも素っ裸で寝るからンなモンないって言われるし。
貸してやろうかって出てきたのは、真っ黒のTシャツ。結構生地がしっかりしてて、パジャマ代わりにするにはお高そうな雰囲気だったけど、トランクス一枚で寝るのも心もとなくて、仕方なくそれを着た。
けど、でかかった。まず肩幅が違うから、袖が余裕で肘の下まである。襟ぐりも別に伸びたりヨレたりしてるわけでもないのに、ズルズル肩が出そうになる。なんなのこの体格差!
ネコ耳とかつけろとは言われたけど、服を脱げとは言われなかった。
だから、なんか着てるものにクリップかなにかでつけるのかなーくらいにしか思ってなかったんだ。
「尻尾は一本ですが、ジョイントはたくさんありますよ、見ますか?」
じょいんと?
箱の中に、更に別箱梱包になっていたその『じょいんと』を好奇心に負けて覗き込んだ俺がバカでした。
なんかねー
大きさが違う真珠玉みたいのが連なったのと。
ねじりアメみたいなのと。
ゴムっぽい、短い毛が生えたようなのと。
パチンコ玉半分にしたようなツブツブのでたやつと。
正真正銘『アレ』の形なのと。
入ってた。
リアルにその形なのなんか、双子の親指くらいのから、そのものサイズくらいの間で、五つくらいサイズ違いがそろってました!
なんか、コレ、他の追随を許さぬ種類数なんですけど。
初めて見ましたが、これって世に言う、ばいぶ、というものではないのでしょうか?
ついでに、サイズ違いの『そのものズバリ』なやつはともかく、妙な形の他のも結構大きい、気がするのですが?
ええ。サイズ違いでそろってるやつの、一番でかいやつよりワンサイズ小さいくらいあるみたいなんですけど、これって普通のでかさなんでしょうか?
せめて脳内ですごく丁寧に問うてみるけど、実際、声に出してなんて怖くて聞けない。
頭の中で無駄に敬語になりながらぐるぐるしてる俺を放置で、双子が矯(た)めつ眇(すが)めつしながらそれらを手に取って見ている。
「ちょっとでかくねぇ?」
「サイズは悩んだんですが、真琴のお尻は私たちのを喜んで食べてしまえましたから、このくらいが妥当かと」
これが、ネコ尻尾のジョイント……って、ことは。
──────────────────────────────
ってことは。
こんなところで申し訳ない感じですが、年末までこんなお話にお付き合いいただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
私は紅白で純烈と刀剣男士を見て、いつものあの番組でいつの間にか年越ししたいと思います。
それではみなさま、よいお年をお迎えください。
あなたにおすすめの小説