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色々整理するのは当然で。
女性に年齢を聞くのはよくないと思います。聞かれてないけど。
しおりを挟む「だから、学園卒業と成人を機に立太子される予定だったんだが、雲行きは怪しいな。よほどの後ろ盾を得られなければおそらくこのまま、第二王子が成人される二年後まで塩漬けだろう」
むしろあのボンクラが立太子して王になるとかこの国の行く末が心配すぎるから、人格も優良で成績も優秀だという第二王子が立太子された方がいいのでは?
「私がリリアーネと入れ替わってるってわかったら、絶対また自分に都合のいいように解釈し始めますよ」
自分は王太子になって王様になるって信じ込んでるから、リリアーネと結婚しないと王になれないとわかって、なおかつ中身が私と知れば、私と結婚したらリリアーネと結婚したことになる! とか思いつきそう。って言うかそれしか思いつかなそう。
再びげんなりした顔をしていたんだろう。メグがきびきびした動作で紅茶を入れ替え、お菓子も変えて目を引きやすいところに置いてくれたので、遠慮なく一枚頂く。
「そこでだが」
めんどくさいなーって表情を隠さなかったら、苦笑した辺境伯が、するりと長い足を組み替える。
「君は王都には今現在帰りたくはない、できればしばらくこちらに滞在したい希望である」
「はい。そうです」
「君の安全はできうる限り守ろう。衣食住──着るものはあまり期待に沿えないかもしれないが、食べることと住むところも保証する。ただ、一つ頼みたいことがある」
「なんでしょうか?」
「女性に頼むべきことではないとは思うが、この地では頻繁にスタンピードが起こる。そしてそのたびに、多くのけが人と……死人が出る。今回も、大切な仲間が死んだ」
一つ、息を吐いて。
「前線は、血にまみれた戦場だ。危険がないとは言い切れない。だが……」
「いいですよ?」
言いよどんだ辺境伯に、答える。
「私がそこにいれば、生存率が上がるというなら、喜んでそこに立ちましょう。少々中身がこぼれてても、手足がちぎれてても、いや、ちぎれた先があればですけどくっつけるくらいはできるんで」
「……君、若いお嬢さんだよね?」
「たぶん」
すみません、前世分の追加もあるんで、そこについてはあまり自信がないです。
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