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第一章
20.心の迷い
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ロランの瞳は真直ぐに私に向けられていて、その顔を見れば嘘では無い事に気付いた。
だけど突然の事に動揺してしまった私は、なんて返したら良いのか分からず言葉が出て来ない。
「シャルが本気でジェラルドの事を好きだったのは知ってる。ずっと傍で見て来たからな…。だけどジェラルドはあの王女と婚約関係を結んだ。ジェラルドにも何か事情があっての事かもしれないけど…シャルには何も伝えなかったんだろ?シャルがどんな気持ちでいるのかも分かっていながら…ジェラルドは何もしなかった。それってシャルの事、大事にしてたって言えるのか…?」
「……っ…」
ロランの言葉を聞いて胸の奥がズキンと痛くなった。
ここ最近のジェラルドは、まるで私にアリエル王女との仲を見せつけるかの様に仲良くしていた。
きっと私がどんな気持ちでいるのかも分かっていてやっていたのだろう。
そう思うとジェラルドには腹が立つし、信じられなくなるのも当然の事だろう。
それでも…好きと言う気持ちは簡単には消し去ることが出来なかった。
私だって忘れられるなら、ジェラルドの事なんて直ぐにでも忘れてしまいたい。
だけどそれが出来ないから今も苦しんでいる。
「……わかってるよっ…そんなのっ…」
私は目に涙を溜めてロランを睨みつけた。
「ごめん…、お前の気持ちを考えない発言だったな」
「…ロランは…、そんなに私の事が好きだって言うのなら…ジェラルドの事を忘れさせてよっ…!私だっていつまでも未練がましくジェラルドの事なんて好きでいたくないよっ…いたくないけど…忘れられないんだもん…。どうすればいいって言うの…?…教えてよっ…」
私は涙でぐちゃぐちゃになった顔で、ロラン胸元をぎゅっと掴んだ。
それは私の本心から出た言葉だった。
「俺が…忘れさせてやる…。ジェラルドの事なんて忘れてしまうくらい…俺がシャルの事を愛すから…。俺の傍にいて欲しい。俺は…シャルが傍にいてくれればそれだけでいいんだ。俺を選んだこと…絶対後悔させない…」
ロランは私の事をきつく抱きしめると、熱が籠った声で呟いた。
私はその言葉に縋りたくなってしまった。
だけどそれはジェラルドを忘れる為に、ロランを利用すると言う事になる。
(私…なにを考えてるの…?だめよ…そんなこと…。でも…)
「本当…に?」
「ああ…、シャルは俺を受け入れてくれるだけでいい」
ロランは抱きしめる力を緩めると、真直ぐに私の事を視界に捉えた。
私の瞳は揺れていた。
真直ぐに見つめるロランの瞳は、まるでそれも含めて全て受け入れてやるとでも言っている様に思えた。
(ロランに…甘えてもいいのかな…)
私が心の迷いに葛藤していると、唇に柔らかいものが重なった。
唇からロランの熱を感じると私はゆっくりと目を閉じた。
だけど突然の事に動揺してしまった私は、なんて返したら良いのか分からず言葉が出て来ない。
「シャルが本気でジェラルドの事を好きだったのは知ってる。ずっと傍で見て来たからな…。だけどジェラルドはあの王女と婚約関係を結んだ。ジェラルドにも何か事情があっての事かもしれないけど…シャルには何も伝えなかったんだろ?シャルがどんな気持ちでいるのかも分かっていながら…ジェラルドは何もしなかった。それってシャルの事、大事にしてたって言えるのか…?」
「……っ…」
ロランの言葉を聞いて胸の奥がズキンと痛くなった。
ここ最近のジェラルドは、まるで私にアリエル王女との仲を見せつけるかの様に仲良くしていた。
きっと私がどんな気持ちでいるのかも分かっていてやっていたのだろう。
そう思うとジェラルドには腹が立つし、信じられなくなるのも当然の事だろう。
それでも…好きと言う気持ちは簡単には消し去ることが出来なかった。
私だって忘れられるなら、ジェラルドの事なんて直ぐにでも忘れてしまいたい。
だけどそれが出来ないから今も苦しんでいる。
「……わかってるよっ…そんなのっ…」
私は目に涙を溜めてロランを睨みつけた。
「ごめん…、お前の気持ちを考えない発言だったな」
「…ロランは…、そんなに私の事が好きだって言うのなら…ジェラルドの事を忘れさせてよっ…!私だっていつまでも未練がましくジェラルドの事なんて好きでいたくないよっ…いたくないけど…忘れられないんだもん…。どうすればいいって言うの…?…教えてよっ…」
私は涙でぐちゃぐちゃになった顔で、ロラン胸元をぎゅっと掴んだ。
それは私の本心から出た言葉だった。
「俺が…忘れさせてやる…。ジェラルドの事なんて忘れてしまうくらい…俺がシャルの事を愛すから…。俺の傍にいて欲しい。俺は…シャルが傍にいてくれればそれだけでいいんだ。俺を選んだこと…絶対後悔させない…」
ロランは私の事をきつく抱きしめると、熱が籠った声で呟いた。
私はその言葉に縋りたくなってしまった。
だけどそれはジェラルドを忘れる為に、ロランを利用すると言う事になる。
(私…なにを考えてるの…?だめよ…そんなこと…。でも…)
「本当…に?」
「ああ…、シャルは俺を受け入れてくれるだけでいい」
ロランは抱きしめる力を緩めると、真直ぐに私の事を視界に捉えた。
私の瞳は揺れていた。
真直ぐに見つめるロランの瞳は、まるでそれも含めて全て受け入れてやるとでも言っている様に思えた。
(ロランに…甘えてもいいのかな…)
私が心の迷いに葛藤していると、唇に柔らかいものが重なった。
唇からロランの熱を感じると私はゆっくりと目を閉じた。
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