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第一章
46.強い後悔
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ジェラルドに唇を塞がれると、唇の合間から熱を帯びた舌が入り込んで来る。
強引に私の歯列を割って入って来たそれは、咥内に入り込むと貪る様に犯していく。
「んんっ…!!ジェラルドっ…まっ…て!」
「シャルの唇は…甘いな。まるで媚薬の様だ」
ジェラルドは荒々しく熱の篭った吐息を漏らし、その瞳の奥は欲望に飲み込まれ深い色に染まっているかのように見える。
私はゾクッとして力いっぱいジェラルドの胸を押しやった。
「ジェラルド…しっかりしてっ!ここにはロランだっているのにっ!」
「そうだな、だけど今は眠ってる。僕が以前飲んだものと同じなら、何があっても効き目が切れるまでは起きないだろうな」
ジェラルドは逃げようとする私の手首を掴むと、ベッドの上に押し倒した。
「…なっ…何をするつもり…!?」
「さっき逃げるチャンスを与えてやったのに…、シャルはそれを自らふいにした」
ジェラルドはすぐに私に覆い被さる様に組み敷いた。
「そ、それはっ…!」
「何をされるのかは…、ここまで来たら分からない?」
その言葉を聞くと、顔の奥からじわじわと熱が込み上げてくるのを感じ、あっという間に私の顔は赤く染まっていった。
ジェラルドの欲望に染まった瞳を見ていれば、何をされるかなんて簡単に想像がつく。
だけどすぐ傍にはロランもいて、そんな場所でするなんて絶対に嫌だった。
「いや…!私、もうロランと婚約したの!そういうことも…ロランとしかしないって決めてるからっ!」
私がきっぱりと言い張るとジェラルドは一瞬驚いた顔を見せた。
「……もしかして、シャルは…もうロランに抱かれたのか?」
「……っ…、そうだったとしてもロランは婚約者なんだし、何も問題はないわ」
直接ロランとの関係を口に出されると恥ずかしくなり、視線を逸らして小さく答えた。
私がそう答えた途端、ジェラルドは突然静かになった。
それが返って不安になり、私はジェラルドの方に視線を向けた。
「ジェラルド?」
「……本当に僕は馬鹿だな。こんなことになるなんて…、な。あんなことで…っ…、ずっと好きだったシャルを手放すことになって、その上…ロランに奪われるなんてな。あんな事が無ければ…、シャルは今でも僕の事を好きでいてくれた?」
ジェラルドは切なそうな表情を私に向けた。
「……っ…」
その表情はどこか悲しそうで、実際には泣いてはいなかったが泣いている様に見えて私は胸の奥が痛くなった。
そしてジェラルドの言葉に私は口を噤んでしまう。
今のジェラルドの表情を見れば、本気で悔いていることは分かったし、私の事を今でも思っていてくれることも分かってしまった。
だからそんな表情を向けられてしまうと、胸の奥が抉られる様に痛くなる。
まるで裏切ったのは私の方みたいに感じてしまったからだ。
「だったら…、どうしてあの時何も言ってくれなかったの?あんな態度取られたら、私…捨てられたって思って当然だよ」
「……そうだよな。ごめん。あの時はシャルに知られるのが怖くて、嫌われる事に恐れて何も言えなかったんだ。内々に片づけてしまいたかった」
ジェラルドの言いたい事は分かる。
もし私が逆の立場だっとしても、今のジェラルドと同じ思いを持っていたのだと思う。
納得出来てしまうと、私はそれ以上なんて答えたら良いのか分からなくなってしまっていた。
ただ黙って俯いていると、ジェラルドの手が伸びて来て顔を上げられる。
私が困った顔をして見つめると、ジェラルドは力なく笑った。
「僕は今でもシャルのことが好きだよ。だから、シャルにもう一度聞く」
ジェラルドは真直ぐに私の事を見つめていた。
媚薬の所為で顔をは赤く染まり、僅かに吐息も荒いようだが必死に耐えている様に見えた。
「僕に対して、一切そういう感情を持っていない様なら今すぐにここから出て行って。きっとここにいたら僕はシャルに酷い事をしてしまうから…、これ以上シャルに嫌われるのは耐えられないんだ」
「……っ…で、でもっ!」
「この期に及んで、『でも』なんてまだ言えるのか?シャルは本当に馬鹿だな。この状況を見ていれば分かるだろ?ここにいたら僕に何をされるのか…。それでも残るつもりなら、僕はもう遠慮はしない。決めるのはシャルだ」
ジェラルドは呆れた様にどこか困った様に話すと、私から離れてベッドの端の方に腰を掛けた。
私は体が解放され起き上がったはいいけど、それ以上行動を取ることが出来なかった。
(どうしよう…!早く出て行った方が良いのは分かるけど…)
この時の私は、迷いと焦りでどうしていいのかが分からなかった。
今の私が誰よりも大切に思っているのはロランだけど、私にとってジェラルドも大切な存在であることには変わりなかった。
その上、あんな話を聞かされて私は罪悪感をどこかで感じていたのかもしれない。
そして何よりも怖かった。
今ここから離れてしまえば、完全にジェラルドとの関係が壊れてしまう気がしたから。
幼い頃からずっと傍に居て、私にとってはかけがえのない人であったことは間違いない。
誤解から一度は離れてしまったが、どこかで失いたく無いと思っている自分がいた。
だから、この場から離れることが出来なかった。
「本当にシャルは馬鹿だね。折角逃がしてあげようと思ったのに…。だけど逃げるつもりがないのなら、もう遠慮はしない。以前の気持ちを取り戻させて、シャルの事を奪い返させてもらうよ」
強引に私の歯列を割って入って来たそれは、咥内に入り込むと貪る様に犯していく。
「んんっ…!!ジェラルドっ…まっ…て!」
「シャルの唇は…甘いな。まるで媚薬の様だ」
ジェラルドは荒々しく熱の篭った吐息を漏らし、その瞳の奥は欲望に飲み込まれ深い色に染まっているかのように見える。
私はゾクッとして力いっぱいジェラルドの胸を押しやった。
「ジェラルド…しっかりしてっ!ここにはロランだっているのにっ!」
「そうだな、だけど今は眠ってる。僕が以前飲んだものと同じなら、何があっても効き目が切れるまでは起きないだろうな」
ジェラルドは逃げようとする私の手首を掴むと、ベッドの上に押し倒した。
「…なっ…何をするつもり…!?」
「さっき逃げるチャンスを与えてやったのに…、シャルはそれを自らふいにした」
ジェラルドはすぐに私に覆い被さる様に組み敷いた。
「そ、それはっ…!」
「何をされるのかは…、ここまで来たら分からない?」
その言葉を聞くと、顔の奥からじわじわと熱が込み上げてくるのを感じ、あっという間に私の顔は赤く染まっていった。
ジェラルドの欲望に染まった瞳を見ていれば、何をされるかなんて簡単に想像がつく。
だけどすぐ傍にはロランもいて、そんな場所でするなんて絶対に嫌だった。
「いや…!私、もうロランと婚約したの!そういうことも…ロランとしかしないって決めてるからっ!」
私がきっぱりと言い張るとジェラルドは一瞬驚いた顔を見せた。
「……もしかして、シャルは…もうロランに抱かれたのか?」
「……っ…、そうだったとしてもロランは婚約者なんだし、何も問題はないわ」
直接ロランとの関係を口に出されると恥ずかしくなり、視線を逸らして小さく答えた。
私がそう答えた途端、ジェラルドは突然静かになった。
それが返って不安になり、私はジェラルドの方に視線を向けた。
「ジェラルド?」
「……本当に僕は馬鹿だな。こんなことになるなんて…、な。あんなことで…っ…、ずっと好きだったシャルを手放すことになって、その上…ロランに奪われるなんてな。あんな事が無ければ…、シャルは今でも僕の事を好きでいてくれた?」
ジェラルドは切なそうな表情を私に向けた。
「……っ…」
その表情はどこか悲しそうで、実際には泣いてはいなかったが泣いている様に見えて私は胸の奥が痛くなった。
そしてジェラルドの言葉に私は口を噤んでしまう。
今のジェラルドの表情を見れば、本気で悔いていることは分かったし、私の事を今でも思っていてくれることも分かってしまった。
だからそんな表情を向けられてしまうと、胸の奥が抉られる様に痛くなる。
まるで裏切ったのは私の方みたいに感じてしまったからだ。
「だったら…、どうしてあの時何も言ってくれなかったの?あんな態度取られたら、私…捨てられたって思って当然だよ」
「……そうだよな。ごめん。あの時はシャルに知られるのが怖くて、嫌われる事に恐れて何も言えなかったんだ。内々に片づけてしまいたかった」
ジェラルドの言いたい事は分かる。
もし私が逆の立場だっとしても、今のジェラルドと同じ思いを持っていたのだと思う。
納得出来てしまうと、私はそれ以上なんて答えたら良いのか分からなくなってしまっていた。
ただ黙って俯いていると、ジェラルドの手が伸びて来て顔を上げられる。
私が困った顔をして見つめると、ジェラルドは力なく笑った。
「僕は今でもシャルのことが好きだよ。だから、シャルにもう一度聞く」
ジェラルドは真直ぐに私の事を見つめていた。
媚薬の所為で顔をは赤く染まり、僅かに吐息も荒いようだが必死に耐えている様に見えた。
「僕に対して、一切そういう感情を持っていない様なら今すぐにここから出て行って。きっとここにいたら僕はシャルに酷い事をしてしまうから…、これ以上シャルに嫌われるのは耐えられないんだ」
「……っ…で、でもっ!」
「この期に及んで、『でも』なんてまだ言えるのか?シャルは本当に馬鹿だな。この状況を見ていれば分かるだろ?ここにいたら僕に何をされるのか…。それでも残るつもりなら、僕はもう遠慮はしない。決めるのはシャルだ」
ジェラルドは呆れた様にどこか困った様に話すと、私から離れてベッドの端の方に腰を掛けた。
私は体が解放され起き上がったはいいけど、それ以上行動を取ることが出来なかった。
(どうしよう…!早く出て行った方が良いのは分かるけど…)
この時の私は、迷いと焦りでどうしていいのかが分からなかった。
今の私が誰よりも大切に思っているのはロランだけど、私にとってジェラルドも大切な存在であることには変わりなかった。
その上、あんな話を聞かされて私は罪悪感をどこかで感じていたのかもしれない。
そして何よりも怖かった。
今ここから離れてしまえば、完全にジェラルドとの関係が壊れてしまう気がしたから。
幼い頃からずっと傍に居て、私にとってはかけがえのない人であったことは間違いない。
誤解から一度は離れてしまったが、どこかで失いたく無いと思っている自分がいた。
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