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第二章:私の心を掻き乱さないでくださいっ!
42.知らなかった真実②
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「フェリシア、大丈夫か?悪いな。嫌な話だよな」
「だ、大丈夫です……。だけどそんな嘘まで付いてやり方が汚い」
「ああ、そうだな。姉上はそういう人だ。他人の気持ちなど全く気にしたりはしない」
「……っ!」
今までのミレーユの言動を見てきたので、それが明らかなのは十分わかっている。
だけど、振り回されて良い様にに踊らされていたと思うと悔しくたまらない。
私は耐えるように、掌をぎゅっときつく握りしめた。
「なんとかならないんですか?もし、ロジェが言っていることが本当で相手が別にいたとしたら。それが証明出来たらロジェを助けられるかもしれない」
「フェリシアは彼を助けたいのか?」
「あ……」
エルネストの言葉にハッと我を取り戻す。
そして表情を歪める。
私がロジェとの婚約を白紙に戻させた。
もし私がそう行動しなければ、ロジェがこんなことに巻き込まれることもなかったのかもしれない。
そんな罪悪感を覚えていた。
「たしかに、私はロジェのことは許せなかったし、これ以上関わりたいとは思っていません。だけどっ、こんなのって……後味が悪いっていうか、酷すぎる」
「理不尽だよな。だけど、この婚約に否定的なのは彼だけだ。オクレール侯爵はあっさりと受け入れたからな。あの男には野心があるのだろう。子息が王族と繋がりを持てれば、それは色々な所で強みになるからな。だからあんな姉上との婚約を簡単に受け入れたんだと思う」
今の話を聞くと胸の奥が締め付けられるような気分になる。
やっぱり私は望まれていなかったのだと、言われているようで涙が出そうになった。
「彼は可哀想に思えるが、一度は心を許した人間だ。それに姉上も彼の前では少し大人しくなるからな。案外上手くいくのかもしれない」
「…………」
ロジェがミレーユに惹かれていたことは知っている。
だからエルネストの言うとおり、二人にとってはこれこそが最高の結末なのかも知れない。
そう思ってはいるはずなのに、昼間のロジェの戸惑った姿が気になって忘れられないでいた。
必死さを感じているように見えたし、私は長い間ロジェと一緒に過ごしてきた。
だからある程度ロジェのことは見ていれば分かる部分もある。
(もう何を信じて良いのか分からないよ)
私が俯いていると「フェリシア」と名前を呼ばれて、困った顔でエルネストを見つめた。
「そんなに心配そうな顔はしなくていい。私はいつでもフェリシアの味方だ。また心配事があるのならいつでも話を聞くし、協力するよ」
「どうして、そこまで私に優しくしてくださるんですか?」
エルネストの気遣いが胸に刺さり、鼓動が早くなる。
私はドキドキしながら問いかけた。
もうロジェとのことは解決したし、ミレーユの件は私からは離れている。
それなのに、どうしてエルネストはまだ私のことを気遣ってくれるのだろう。
エルネストは私の言葉を聞くと、僅かに口元を緩めた。
「なんだろうな。私にとってフェリシアは放っておけない存在だというのは間違いないな。愛着が沸いたとでも言うのかな」
「私は動物ではありませんっ!」
愛着と言われて恥ずかしくなり、咄嗟にムッとした顔で返してしまう。
するとエルネストはクスッと小さく笑った。
「動物というのは以前小動物みたいだと言ったからか?あれは可愛らしいと言う意味での比喩だったんだが」
「……っ」
エルネストに可愛いと言われると何故か照れてしまう。
私の頬は赤く染まり、恥ずかしさから顔を背けた。
「だ、大丈夫です……。だけどそんな嘘まで付いてやり方が汚い」
「ああ、そうだな。姉上はそういう人だ。他人の気持ちなど全く気にしたりはしない」
「……っ!」
今までのミレーユの言動を見てきたので、それが明らかなのは十分わかっている。
だけど、振り回されて良い様にに踊らされていたと思うと悔しくたまらない。
私は耐えるように、掌をぎゅっときつく握りしめた。
「なんとかならないんですか?もし、ロジェが言っていることが本当で相手が別にいたとしたら。それが証明出来たらロジェを助けられるかもしれない」
「フェリシアは彼を助けたいのか?」
「あ……」
エルネストの言葉にハッと我を取り戻す。
そして表情を歪める。
私がロジェとの婚約を白紙に戻させた。
もし私がそう行動しなければ、ロジェがこんなことに巻き込まれることもなかったのかもしれない。
そんな罪悪感を覚えていた。
「たしかに、私はロジェのことは許せなかったし、これ以上関わりたいとは思っていません。だけどっ、こんなのって……後味が悪いっていうか、酷すぎる」
「理不尽だよな。だけど、この婚約に否定的なのは彼だけだ。オクレール侯爵はあっさりと受け入れたからな。あの男には野心があるのだろう。子息が王族と繋がりを持てれば、それは色々な所で強みになるからな。だからあんな姉上との婚約を簡単に受け入れたんだと思う」
今の話を聞くと胸の奥が締め付けられるような気分になる。
やっぱり私は望まれていなかったのだと、言われているようで涙が出そうになった。
「彼は可哀想に思えるが、一度は心を許した人間だ。それに姉上も彼の前では少し大人しくなるからな。案外上手くいくのかもしれない」
「…………」
ロジェがミレーユに惹かれていたことは知っている。
だからエルネストの言うとおり、二人にとってはこれこそが最高の結末なのかも知れない。
そう思ってはいるはずなのに、昼間のロジェの戸惑った姿が気になって忘れられないでいた。
必死さを感じているように見えたし、私は長い間ロジェと一緒に過ごしてきた。
だからある程度ロジェのことは見ていれば分かる部分もある。
(もう何を信じて良いのか分からないよ)
私が俯いていると「フェリシア」と名前を呼ばれて、困った顔でエルネストを見つめた。
「そんなに心配そうな顔はしなくていい。私はいつでもフェリシアの味方だ。また心配事があるのならいつでも話を聞くし、協力するよ」
「どうして、そこまで私に優しくしてくださるんですか?」
エルネストの気遣いが胸に刺さり、鼓動が早くなる。
私はドキドキしながら問いかけた。
もうロジェとのことは解決したし、ミレーユの件は私からは離れている。
それなのに、どうしてエルネストはまだ私のことを気遣ってくれるのだろう。
エルネストは私の言葉を聞くと、僅かに口元を緩めた。
「なんだろうな。私にとってフェリシアは放っておけない存在だというのは間違いないな。愛着が沸いたとでも言うのかな」
「私は動物ではありませんっ!」
愛着と言われて恥ずかしくなり、咄嗟にムッとした顔で返してしまう。
するとエルネストはクスッと小さく笑った。
「動物というのは以前小動物みたいだと言ったからか?あれは可愛らしいと言う意味での比喩だったんだが」
「……っ」
エルネストに可愛いと言われると何故か照れてしまう。
私の頬は赤く染まり、恥ずかしさから顔を背けた。
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