私の婚約者を奪おうとしないでくださいっ!【R18】

Rila

文字の大きさ
47 / 66
第二章:私の心を掻き乱さないでくださいっ!

47.手に入れたいもの-sideエルネスト-

しおりを挟む
掌から伝わる彼女の体温を感じていると、同時にこの手を離したくないという気持ちが膨らんでいく。
彼女と過ごす時間が重なる度に、自分の中で独占欲というものの存在が大きくなっているような気さえする。

今はただの友人であるが、それ以上の関係を望んでいるのもまた事実。
まさかこんな気持ちを知ることになるなんて、出会った頃は思いもしなかった。

彼女はどこにでもいそうな普通の令嬢だ。
この学園に通い始めて三年目になるが、彼女の存在を知ったのもつい最近だった。
きっと姉上の事が無ければ、興味を持つことも、声をかけることもなかっただろう。

「エルネスト様……」
「どうした?」

「そろそろ手を離してください」

彼女は困ったように眉を下げて呟いた。
その頬は僅かに赤く染まっていて、照れているように見える。
そんな顔をされると、もっと困らせてみたいと思ってしまう。

「私に触れられるのは嫌か?」
「い、嫌ではないですけど……、私が困ります」

「どうして困るのか聞いてもいいか?」
「それはっ……、緊張するんですよ!さっきから私の心臓がずっとバクバク鳴っていて、止まらないんです」

彼女は顔を赤く染めながら、必死な顔で訴えてきた。
それもまた可愛らしいと思ってしまう。
彼女が与える言葉は何でも私を喜ばせるようだ。

(表現が素直でフェリシアらしいな)

「そう思っているのは案外フェリシアだけではないかもしれないぞ」
「……?」

「私もフェリシアに触れているとドキドキする。このまま時が止まってくれたら、ずっとフェリシアの傍にいられるのに、なんて考えてしまう時が結構あるよ」
「……っ!そ、そんなこと言わないでください。誤解しちゃいます」

「誤解?何を誤解するんだ?」
「そ、それはっ、その……エルネスト様が」

「私が?」
「なんでもありませんっ!」

しつこく聞き返すと彼女の頬は更に赤みを増し、焦ったのか俯いてしまった。

(本当に分かりやすいな。耳まで真っ赤だ)

私の言葉が彼女を動揺させているのだと思うと、嬉しくなり自然と笑みが零れてきてしまう。
そして顔を彼女の耳元へと移動させる。

これだけ素直に反応しているのだから、少しは私のことを意識してくれているのだろうか。
もっと追いつめたら、私の思いに気付いてくれるだろうか。
彼女の心を私で埋め尽くしたいという欲望に駆られていく。

「少しいじめすぎてしまったか?」
「ひぁっ!」

私が耳元で囁くと、ビクッと体を震わせながら彼女は声を上げた。
驚いてすぐに顔をあげたことで、息がかかるほどの距離にまで近づいていた。
大きく見開いた瞳がじっとこちらを捉えている。

「フェリシアは耳が弱かったね。忘れていたよ。驚かせたか?すまないな。だけど可愛いものが見れたな」
「……っ!またからかって、酷いです」

「からかったわけではないよ。少し意地悪なことをしたとは思っているけどね」
「……っ」

「私はフェリシアだからこんなことをしているんだ。君の心の隙間に入り込みたいと思っているからね」
「どういう意味ですか?」

「今はまだ友人だけど、私はそれ以上の関係になりたいと思っている。友人以上の関係、フェリシアには分かるかな?」
「友人以上って……、し」

彼女の口から出た言葉で何のことか理解し、それ以上言わせない為に唇に指を押し当て言葉を奪う。

「多分違うな。フェリシアはわざと間違えて、私に言わせようとしているの?鈍感な君なら本気でそう思っている可能性もないとは言えないけど、その表情ならなんとなく理解はしているのかな」

唇に押し当てた指をゆっくりと動かし、輪郭をなぞる様に滑らせていく。

「次に会った時にもう一度答えを聞かせて。正解したら君が喜ぶものをプレゼントするよ。だけど不正解だったら、また意地悪してしまうかもしれないね」
「…………」

私はわざとらしく微笑んでみせた。
彼女は顔を赤く染めて瞳を揺らし戸惑っている様子だった。
この間は私の事だけを考えてくれていたらいいなと、心の中で思っていた。

私の独占欲は想像以上に大きいようだ。

しおりを挟む
感想 127

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幼馴染

ざっく
恋愛
私にはすごくよくできた幼馴染がいる。格好良くて優しくて。だけど、彼らはもう一人の幼馴染の女の子に夢中なのだ。私だって、もう彼らの世話をさせられるのはうんざりした。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。

真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。 親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。 そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。 (しかも私にだけ!!) 社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。 最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。 (((こんな仕打ち、あんまりよーー!!))) 旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。

処理中です...