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第二章:私の心を掻き乱さないでくださいっ!
47.手に入れたいもの-sideエルネスト-
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掌から伝わる彼女の体温を感じていると、同時にこの手を離したくないという気持ちが膨らんでいく。
彼女と過ごす時間が重なる度に、自分の中で独占欲というものの存在が大きくなっているような気さえする。
今はただの友人であるが、それ以上の関係を望んでいるのもまた事実。
まさかこんな気持ちを知ることになるなんて、出会った頃は思いもしなかった。
彼女はどこにでもいそうな普通の令嬢だ。
この学園に通い始めて三年目になるが、彼女の存在を知ったのもつい最近だった。
きっと姉上の事が無ければ、興味を持つことも、声をかけることもなかっただろう。
「エルネスト様……」
「どうした?」
「そろそろ手を離してください」
彼女は困ったように眉を下げて呟いた。
その頬は僅かに赤く染まっていて、照れているように見える。
そんな顔をされると、もっと困らせてみたいと思ってしまう。
「私に触れられるのは嫌か?」
「い、嫌ではないですけど……、私が困ります」
「どうして困るのか聞いてもいいか?」
「それはっ……、緊張するんですよ!さっきから私の心臓がずっとバクバク鳴っていて、止まらないんです」
彼女は顔を赤く染めながら、必死な顔で訴えてきた。
それもまた可愛らしいと思ってしまう。
彼女が与える言葉は何でも私を喜ばせるようだ。
(表現が素直でフェリシアらしいな)
「そう思っているのは案外フェリシアだけではないかもしれないぞ」
「……?」
「私もフェリシアに触れているとドキドキする。このまま時が止まってくれたら、ずっとフェリシアの傍にいられるのに、なんて考えてしまう時が結構あるよ」
「……っ!そ、そんなこと言わないでください。誤解しちゃいます」
「誤解?何を誤解するんだ?」
「そ、それはっ、その……エルネスト様が」
「私が?」
「なんでもありませんっ!」
しつこく聞き返すと彼女の頬は更に赤みを増し、焦ったのか俯いてしまった。
(本当に分かりやすいな。耳まで真っ赤だ)
私の言葉が彼女を動揺させているのだと思うと、嬉しくなり自然と笑みが零れてきてしまう。
そして顔を彼女の耳元へと移動させる。
これだけ素直に反応しているのだから、少しは私のことを意識してくれているのだろうか。
もっと追いつめたら、私の思いに気付いてくれるだろうか。
彼女の心を私で埋め尽くしたいという欲望に駆られていく。
「少しいじめすぎてしまったか?」
「ひぁっ!」
私が耳元で囁くと、ビクッと体を震わせながら彼女は声を上げた。
驚いてすぐに顔をあげたことで、息がかかるほどの距離にまで近づいていた。
大きく見開いた瞳がじっとこちらを捉えている。
「フェリシアは耳が弱かったね。忘れていたよ。驚かせたか?すまないな。だけど可愛いものが見れたな」
「……っ!またからかって、酷いです」
「からかったわけではないよ。少し意地悪なことをしたとは思っているけどね」
「……っ」
「私はフェリシアだからこんなことをしているんだ。君の心の隙間に入り込みたいと思っているからね」
「どういう意味ですか?」
「今はまだ友人だけど、私はそれ以上の関係になりたいと思っている。友人以上の関係、フェリシアには分かるかな?」
「友人以上って……、し」
彼女の口から出た言葉で何のことか理解し、それ以上言わせない為に唇に指を押し当て言葉を奪う。
「多分違うな。フェリシアはわざと間違えて、私に言わせようとしているの?鈍感な君なら本気でそう思っている可能性もないとは言えないけど、その表情ならなんとなく理解はしているのかな」
唇に押し当てた指をゆっくりと動かし、輪郭をなぞる様に滑らせていく。
「次に会った時にもう一度答えを聞かせて。正解したら君が喜ぶものをプレゼントするよ。だけど不正解だったら、また意地悪してしまうかもしれないね」
「…………」
私はわざとらしく微笑んでみせた。
彼女は顔を赤く染めて瞳を揺らし戸惑っている様子だった。
この間は私の事だけを考えてくれていたらいいなと、心の中で思っていた。
私の独占欲は想像以上に大きいようだ。
彼女と過ごす時間が重なる度に、自分の中で独占欲というものの存在が大きくなっているような気さえする。
今はただの友人であるが、それ以上の関係を望んでいるのもまた事実。
まさかこんな気持ちを知ることになるなんて、出会った頃は思いもしなかった。
彼女はどこにでもいそうな普通の令嬢だ。
この学園に通い始めて三年目になるが、彼女の存在を知ったのもつい最近だった。
きっと姉上の事が無ければ、興味を持つことも、声をかけることもなかっただろう。
「エルネスト様……」
「どうした?」
「そろそろ手を離してください」
彼女は困ったように眉を下げて呟いた。
その頬は僅かに赤く染まっていて、照れているように見える。
そんな顔をされると、もっと困らせてみたいと思ってしまう。
「私に触れられるのは嫌か?」
「い、嫌ではないですけど……、私が困ります」
「どうして困るのか聞いてもいいか?」
「それはっ……、緊張するんですよ!さっきから私の心臓がずっとバクバク鳴っていて、止まらないんです」
彼女は顔を赤く染めながら、必死な顔で訴えてきた。
それもまた可愛らしいと思ってしまう。
彼女が与える言葉は何でも私を喜ばせるようだ。
(表現が素直でフェリシアらしいな)
「そう思っているのは案外フェリシアだけではないかもしれないぞ」
「……?」
「私もフェリシアに触れているとドキドキする。このまま時が止まってくれたら、ずっとフェリシアの傍にいられるのに、なんて考えてしまう時が結構あるよ」
「……っ!そ、そんなこと言わないでください。誤解しちゃいます」
「誤解?何を誤解するんだ?」
「そ、それはっ、その……エルネスト様が」
「私が?」
「なんでもありませんっ!」
しつこく聞き返すと彼女の頬は更に赤みを増し、焦ったのか俯いてしまった。
(本当に分かりやすいな。耳まで真っ赤だ)
私の言葉が彼女を動揺させているのだと思うと、嬉しくなり自然と笑みが零れてきてしまう。
そして顔を彼女の耳元へと移動させる。
これだけ素直に反応しているのだから、少しは私のことを意識してくれているのだろうか。
もっと追いつめたら、私の思いに気付いてくれるだろうか。
彼女の心を私で埋め尽くしたいという欲望に駆られていく。
「少しいじめすぎてしまったか?」
「ひぁっ!」
私が耳元で囁くと、ビクッと体を震わせながら彼女は声を上げた。
驚いてすぐに顔をあげたことで、息がかかるほどの距離にまで近づいていた。
大きく見開いた瞳がじっとこちらを捉えている。
「フェリシアは耳が弱かったね。忘れていたよ。驚かせたか?すまないな。だけど可愛いものが見れたな」
「……っ!またからかって、酷いです」
「からかったわけではないよ。少し意地悪なことをしたとは思っているけどね」
「……っ」
「私はフェリシアだからこんなことをしているんだ。君の心の隙間に入り込みたいと思っているからね」
「どういう意味ですか?」
「今はまだ友人だけど、私はそれ以上の関係になりたいと思っている。友人以上の関係、フェリシアには分かるかな?」
「友人以上って……、し」
彼女の口から出た言葉で何のことか理解し、それ以上言わせない為に唇に指を押し当て言葉を奪う。
「多分違うな。フェリシアはわざと間違えて、私に言わせようとしているの?鈍感な君なら本気でそう思っている可能性もないとは言えないけど、その表情ならなんとなく理解はしているのかな」
唇に押し当てた指をゆっくりと動かし、輪郭をなぞる様に滑らせていく。
「次に会った時にもう一度答えを聞かせて。正解したら君が喜ぶものをプレゼントするよ。だけど不正解だったら、また意地悪してしまうかもしれないね」
「…………」
私はわざとらしく微笑んでみせた。
彼女は顔を赤く染めて瞳を揺らし戸惑っている様子だった。
この間は私の事だけを考えてくれていたらいいなと、心の中で思っていた。
私の独占欲は想像以上に大きいようだ。
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追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
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