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相談室の慌ただしい日常1
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相談室は、当院において最も忙しい部署と言っても過言ではない。
ドアを開くなり、いくつもの電話が鳴り響き、相談員が右へ左へ動き回り、アシスタントの事務パートさんたちが椅子を横にどかして立ったままパソコンを操作している。
「う―わー……知ってたけど、すげえな」
ここにいるのはメディカルソーシャルワーカー、日本語で言えば社会福祉士の資格を持つ相談員をはじめとした患者支援のプロフェッショナルたちだ。
患者の入院から転院退院に至る一連の手続きはもちろん、退院後の生活支援の相談や病気のせいで不安定になったメンタルケアまでひきうけてくれる。
更に、店員や退院後も相談員との関係は切れない。病院に保管されている患者の情報は、必要に応じて相談員を通して医療機関同士で共有され、患者にとってベストな治療が受けられるようになっている。
設備が整っている大きな病院でしか受けることができない特別な検査や高度な治療や手術を受けたのちは、かかりつけ医の元に戻って日常的なケアを行ってもらう――これを医療の地域連携といい、相談員はその橋渡しを担う。
それだけに、精神的にも肉体的にもハードなポジションだ。
「庶務課さん、何か用ですか?」
首から下げているタグで庶務課だと分かったらしい。通りすがりの看護師が声をかけてくれた。犬飼さんを担当していた若王子さんに用があることを伝えると、部屋の隅で待っているように指示される。
若王子さんは、患者対応の最中とのことだが、カンファレンスではないからすぐにくるとのことだった。手持無沙汰だが仕方がない。
「いやあ……みんな忙しそうだ」
「残業代の請求と有給休暇の要請が突出して多いのもここですからね」
「ま、現場にとってみりゃ、患者さんの命がかかってるわけだし、その家族だってこっちの勤務時間内に必ず連絡がつくわけじゃねえんだうけど。こっちからすりゃ心配だよな」
「そうですね。相談室のドアは本来5時で閉まりますが、夜しか連絡できない方も少なくありません。患者が入院していたらその家族は働かなければ医療費が支払えませんから」
「世知辛いねえ」
自分の家族が死にそうなときも仕事を優先して働く人は多い。
そんな時まで仕事かと、冷たいという人もいる。だが高額医療費制度を利用しても、それだけではカバーしきれない。食費や交通費、入院するために購入する日用品など、一つ一つは大きくなかったとしても合計すれば結構な金額になる。
「家族が死にそうな状態なときに、金のことは言ってられねえって人は多いだろ。死ぬと分かっていても」
「……友利さん」
「うん?」
「友利さんも、そうだった……のでしょうか」
ドアを開くなり、いくつもの電話が鳴り響き、相談員が右へ左へ動き回り、アシスタントの事務パートさんたちが椅子を横にどかして立ったままパソコンを操作している。
「う―わー……知ってたけど、すげえな」
ここにいるのはメディカルソーシャルワーカー、日本語で言えば社会福祉士の資格を持つ相談員をはじめとした患者支援のプロフェッショナルたちだ。
患者の入院から転院退院に至る一連の手続きはもちろん、退院後の生活支援の相談や病気のせいで不安定になったメンタルケアまでひきうけてくれる。
更に、店員や退院後も相談員との関係は切れない。病院に保管されている患者の情報は、必要に応じて相談員を通して医療機関同士で共有され、患者にとってベストな治療が受けられるようになっている。
設備が整っている大きな病院でしか受けることができない特別な検査や高度な治療や手術を受けたのちは、かかりつけ医の元に戻って日常的なケアを行ってもらう――これを医療の地域連携といい、相談員はその橋渡しを担う。
それだけに、精神的にも肉体的にもハードなポジションだ。
「庶務課さん、何か用ですか?」
首から下げているタグで庶務課だと分かったらしい。通りすがりの看護師が声をかけてくれた。犬飼さんを担当していた若王子さんに用があることを伝えると、部屋の隅で待っているように指示される。
若王子さんは、患者対応の最中とのことだが、カンファレンスではないからすぐにくるとのことだった。手持無沙汰だが仕方がない。
「いやあ……みんな忙しそうだ」
「残業代の請求と有給休暇の要請が突出して多いのもここですからね」
「ま、現場にとってみりゃ、患者さんの命がかかってるわけだし、その家族だってこっちの勤務時間内に必ず連絡がつくわけじゃねえんだうけど。こっちからすりゃ心配だよな」
「そうですね。相談室のドアは本来5時で閉まりますが、夜しか連絡できない方も少なくありません。患者が入院していたらその家族は働かなければ医療費が支払えませんから」
「世知辛いねえ」
自分の家族が死にそうなときも仕事を優先して働く人は多い。
そんな時まで仕事かと、冷たいという人もいる。だが高額医療費制度を利用しても、それだけではカバーしきれない。食費や交通費、入院するために購入する日用品など、一つ一つは大きくなかったとしても合計すれば結構な金額になる。
「家族が死にそうな状態なときに、金のことは言ってられねえって人は多いだろ。死ぬと分かっていても」
「……友利さん」
「うん?」
「友利さんも、そうだった……のでしょうか」
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