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ヒラ事務員の切ない日常3
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「生徒がSNSに情報を流していたことがきっかけのようです」
「ああ、ツイッターとかインスタグタムとか」
「そうですね。東日本の震災以来、年齢が高い方の間にも広がっていますから」
「それで家族があんなにきてたのか」
「情報の混乱が起きたのもそれが原因のようです」
「家族が3階に行ってたっていう……俺たちが北階段で見かけたあれだな」
「はい。院内の人間であれば、入院する患者は3回になどという案内をするはずはありませんから」
「そういうことか」
「今は学校側から情報を流すことが禁止されているようですが、混乱は続いています。救急車よりも先にマスコミからの問い合わせがきたほどで、数が多いので医療機関同士の連絡が取りづらい状態です」
「はあ? なんだそりゃ。んなもん、即ギリすりゃいいだろ。こっちは命がかかってるんだぞ」
「そうもいきません。丁寧な対応をしなければ、対応クオリティーが低いということで当院が叩かれます」
「マジか」
「現在は、マスコミ対応マニュアルを各所に渡してありますので、問題はないかと思いますが……」
「お断りマニュアルだろ? 個人情報についてはお答えできませんって言う」
「丁寧に、しかし可能な限り早く終わらせるためのマニュアルです」
「早くったってさ。丁寧にやるって事は時間がかかるじゃねえか」
ため息が漏れる。
クロネコが甘えるように私の足元に絡みつく。
少し、疲労感を覚えていたようだ。
「大手化学メーカーの不正の発覚が、どのように始まったか、ご存知ですか?」
「いや。あんまりニュースとか見てないんだよな」
「内部からの告発がきっかけだったそうです。今回も初めに情報が漏れたのは生徒のSNSですから……そこに相手が欲するものがあると、気づかれないようにすることが重要なのかもしれません」
「知られる前に、気づかれないことが重要か」
「ヒビの入ったカップに水をとどめておくことはできませんが、そのヒビを叩いて大きくする存在もありますから」
小さな亀裂はやがて大きな崩壊につながる。
内側からにせよ、外側からにせよ。
クロネコが私をじっと見上げている。
何かを訴えているようだった。
「ああ、ツイッターとかインスタグタムとか」
「そうですね。東日本の震災以来、年齢が高い方の間にも広がっていますから」
「それで家族があんなにきてたのか」
「情報の混乱が起きたのもそれが原因のようです」
「家族が3階に行ってたっていう……俺たちが北階段で見かけたあれだな」
「はい。院内の人間であれば、入院する患者は3回になどという案内をするはずはありませんから」
「そういうことか」
「今は学校側から情報を流すことが禁止されているようですが、混乱は続いています。救急車よりも先にマスコミからの問い合わせがきたほどで、数が多いので医療機関同士の連絡が取りづらい状態です」
「はあ? なんだそりゃ。んなもん、即ギリすりゃいいだろ。こっちは命がかかってるんだぞ」
「そうもいきません。丁寧な対応をしなければ、対応クオリティーが低いということで当院が叩かれます」
「マジか」
「現在は、マスコミ対応マニュアルを各所に渡してありますので、問題はないかと思いますが……」
「お断りマニュアルだろ? 個人情報についてはお答えできませんって言う」
「丁寧に、しかし可能な限り早く終わらせるためのマニュアルです」
「早くったってさ。丁寧にやるって事は時間がかかるじゃねえか」
ため息が漏れる。
クロネコが甘えるように私の足元に絡みつく。
少し、疲労感を覚えていたようだ。
「大手化学メーカーの不正の発覚が、どのように始まったか、ご存知ですか?」
「いや。あんまりニュースとか見てないんだよな」
「内部からの告発がきっかけだったそうです。今回も初めに情報が漏れたのは生徒のSNSですから……そこに相手が欲するものがあると、気づかれないようにすることが重要なのかもしれません」
「知られる前に、気づかれないことが重要か」
「ヒビの入ったカップに水をとどめておくことはできませんが、そのヒビを叩いて大きくする存在もありますから」
小さな亀裂はやがて大きな崩壊につながる。
内側からにせよ、外側からにせよ。
クロネコが私をじっと見上げている。
何かを訴えているようだった。
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