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時間外勤務が日常 4
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「桐生くん発案の、前倒しで提案してみる。それなら工事もやりやすいし」
「それと、当院の工事を担当した企業一覧と、その時の議事録がデータベースにありましたので印刷してお渡しします」
「30年前の資料もデジタル化されてるの?」
「資料のデジタル化を委託しています。今回の情報はすでにデジタル化されていたので、運が良かったと思います」
「運とかそう言う問題じゃなくて……よく見つけたね」
「あることはわかっていたので」
いやいやいや、分かってたのでじゃねえよ。ここに、おなじ職員なのに知らなかった人がいますよー。
というか、普通、ほかの部署が何やってんのか知らねえだろ。
どうやってこういう情報を集めてるんだか。
「凄いわねえ……桐生くんって。じゃあ、さっきの行程の最初の部分はもう終わってるじゃない」
これには絹井先生も目を見開いた。
そうなんだよ。
桐生さんは仕事が早い。
「はい。その資料があれば、当院にも事故があった高校体育館と同じ素材が使われていることがわかります。それと、先日の記者会見の後、企業サイドは実験のやり直しについて結果を公表していませんが、複数の大学や検査機関が行った結果もあります。これらは報道機関の依頼で行われたもののようですが、資料としては使えるかもしれません」
そんなものまで調べてたんだ。
いやあ……こええなあ、桐生さん。
「また、当院で同様の事故が生じた場合の、被害予想も作りました。崩れるとしても、多少破片が落ちる程度であればたいしたことはないかもしれませんが、警戒しなければならないのがパニックとそれによる混乱です。誰もが理性的に行動できるとは思いません」
ため息が聞こえた。
どうやら、私が無意識のうちに漏らしたため息が、北階段に反響していたらしい。
「病院で新たに怪我人を出してはなりませんから……」
だよな、と頷いていると唐突に絹井先生が笑い出した。
「あのねえ。病院で怪我した二人組が何言ってんの」
二人組って……えええ!
「待ってください、俺も含まれるんですか?」
「当然でしょ。ほんっと、バカねえ」
絹井先生の表情が柔らかい。
手すりに乗ったクロネコが、そこから私の肩に飛び乗り、頭の上に顎を乗せてきた。
私からその一連の動きは見えていないはずだし、重さも感じていないはずなのだが、なぜだか分かってしまう。こいつ、本当に幽霊なんだなあ。
「わたしもできる限りの事はするから、安心してちょうだい。それにね、忘れてるかもしれないけど。事務局長の部屋はここの2階だし、管理課は地下にあるのよ」
言われてみれば、院内の偉い人たちの部屋は庶務課のすぐ近くにある。
つまり、この北階段からほど遠くないところに、彼らの部屋があるのだ。
「自分たちだって生き埋めになるかもしれない状況なんだから、これはまずいって思うでしょ」
「それと、当院の工事を担当した企業一覧と、その時の議事録がデータベースにありましたので印刷してお渡しします」
「30年前の資料もデジタル化されてるの?」
「資料のデジタル化を委託しています。今回の情報はすでにデジタル化されていたので、運が良かったと思います」
「運とかそう言う問題じゃなくて……よく見つけたね」
「あることはわかっていたので」
いやいやいや、分かってたのでじゃねえよ。ここに、おなじ職員なのに知らなかった人がいますよー。
というか、普通、ほかの部署が何やってんのか知らねえだろ。
どうやってこういう情報を集めてるんだか。
「凄いわねえ……桐生くんって。じゃあ、さっきの行程の最初の部分はもう終わってるじゃない」
これには絹井先生も目を見開いた。
そうなんだよ。
桐生さんは仕事が早い。
「はい。その資料があれば、当院にも事故があった高校体育館と同じ素材が使われていることがわかります。それと、先日の記者会見の後、企業サイドは実験のやり直しについて結果を公表していませんが、複数の大学や検査機関が行った結果もあります。これらは報道機関の依頼で行われたもののようですが、資料としては使えるかもしれません」
そんなものまで調べてたんだ。
いやあ……こええなあ、桐生さん。
「また、当院で同様の事故が生じた場合の、被害予想も作りました。崩れるとしても、多少破片が落ちる程度であればたいしたことはないかもしれませんが、警戒しなければならないのがパニックとそれによる混乱です。誰もが理性的に行動できるとは思いません」
ため息が聞こえた。
どうやら、私が無意識のうちに漏らしたため息が、北階段に反響していたらしい。
「病院で新たに怪我人を出してはなりませんから……」
だよな、と頷いていると唐突に絹井先生が笑い出した。
「あのねえ。病院で怪我した二人組が何言ってんの」
二人組って……えええ!
「待ってください、俺も含まれるんですか?」
「当然でしょ。ほんっと、バカねえ」
絹井先生の表情が柔らかい。
手すりに乗ったクロネコが、そこから私の肩に飛び乗り、頭の上に顎を乗せてきた。
私からその一連の動きは見えていないはずだし、重さも感じていないはずなのだが、なぜだか分かってしまう。こいつ、本当に幽霊なんだなあ。
「わたしもできる限りの事はするから、安心してちょうだい。それにね、忘れてるかもしれないけど。事務局長の部屋はここの2階だし、管理課は地下にあるのよ」
言われてみれば、院内の偉い人たちの部屋は庶務課のすぐ近くにある。
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「自分たちだって生き埋めになるかもしれない状況なんだから、これはまずいって思うでしょ」
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