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※ 甘い香りは堕落のかをり
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朔耶は慎重に階段を降りていく。薄暗く、仮面のせいで足元が覚束ない。ここで転げ落ちたら大怪我だけでは済まされない。
幸い、下からは明かりが見えている。扉がないのか入口には暖簾のようなもので間仕切りされているだけ。そのおかげで明かりが見える。
それに、下に行くにつれて甘い匂いが段々と強くなる。これは長時間嗅いでいてはいけないと、脳内が警告する。体に害あるものだと・・・・・
極力、呼吸をするのをやめる。階段を降りきったらすぐにハンケチで口元や鼻を覆う。
ゆっくりと明かりの漏れ出る所に行き、ゆっくりと暖簾を少しだけ開き、中の様子を確認する。
沢山の蝋燭が煌々と燃え上がる。何故か中央には護摩壇と何かの祭壇みたいなものがある。
そして、その周りには人がいるが、その人達の格好に朔耶は息を呑んだ。
「ひっ!!」
着物やドレスや燕尾服を着ているが、どの人達も衣類は乱れ中には着てない者もいる。
そして、殆どの者達は男女の営みを繰り返す。
組んず解れつ、中には複数で・・・・・
女性の嬌声が響き木霊する。朔耶がしているような仮面をしている者もいれば、素顔をさらけ出している。恍惚とし、惚けて、涎や涙を流す。
「なんなの・・・・・・」
朔耶はこの光景が信じられなかった。だから暖簾を開けたまま固まってしまった。
それがいけなかったのだろう。何人かの男女が朔耶の姿をとられる。
すると、一斉に近づき固まる朔耶を捕まえる。
「!!いやぁぁぁ!!」
ニヤニヤ笑い、腕や足、体に沢山の手が絡みつく。そのまま何かが燻る部屋に引きずり込まれる。
地べたに座らされ、両手はそれぞれ掴まれて動かせない。乱暴な手が無遠慮に朔耶の胸をドレスの上からや、無理矢理、空いてる胸元から手を差し込み直に触る。
耳に誰か分からない舌が捩じ込まれる。
「いや!いや!!離して!!いやぁぁぁ!!」
恐怖と気持ち悪さで上手く力が入らない。そもそも、複数人に抑え込まれているから体の自由なんてほぼ無い。
自然と涙が溢れる。こんな陵辱行為を受ける日が来るなんて・・・・・気持ち悪い!助けて!触らないで!
嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!!
火澄様に触れられた時はこんな感情なかった。気持ち悪さなんて何一つなかった。
けど、今は気持ち悪い。
スカートを持ち上げられ、下に着ているドロワーズを引っ張られる。
少しでも反抗する為、足や体を動かす。
もう駄目だ・・・・・・私はこのままここで辱めを受けるのか・・・・・
自分に向けられる腐った視線を、見るのも向けられるのも辛くて目を閉じる。
力の限り暴れて、逃げようとするが一人対複数人では結果は見えている。
━━━━━絶体絶命だ。
そして、脳裏には何故か火澄様の笑った顔がチラつく。きっと、私は好いているのだ。どんな事をされようと、あの方ならば許してしまう程に。
だから、あの時の夜の事も許しているのだ。
こんな事ならあの方に捧げたかった・・・・・
ドロワーズを引っ張られる。ある意味、最後の砦を奪われようとされた時、人の手で戒められていた片手が自由になる。
「え?」「遅れてすみません!!」
自分の背中に温もりが伝わる。脳裏に浮かび上がった人の声が直ぐ側に聞こえる。
閉じていた目を開いて、声のする方を見る。
気迫に満ちた、変な言い方をするならば、人を殺めたような恐ろしい顔をした人がいた。
私に纏わりつく手や体を引き離しては壁や人山に投げつける。
「ひ・・・ずみ、さま・・・・・」
体の緊張が一気に抜け落ちる。ガクッと力が抜けていくのが自分でも分かる。
「大丈夫ですか!!もう、安心して下さい」
大きくて安心する手が私を支えてくれる。それだけで、安心して涙が出てくる。
けど、まだ、終わってない。
私を引き離した人は地面に伸びて気を失っているが、それ以外にも人はいる。
騒ぎを聞いて、私達に注目している。
淀んだ瞳を向けて、涎を垂らした口をだらしなく開き、自分が衣服を身に着けているのかも分かってない。
そんな状態の人達がゆっくりとこちらに向かってくる。
「火澄様・・・・・・どうか、私をあの祭壇まで連れて行ってください!」
「なんでですか?このまま逃げますよ!」
「駄目です。追いかけて来ます!大丈夫です。私には秘策がありますから」
火澄様の言いたいことも分かるが、ここは私に任せて欲しい。
「・・・・・・・分かりました。立てますか?いいですか?走りますよ!!」
私の肩や手を掴み立たせてくれる。そして、合図と共に走り出す。
慣れない靴やドレスに苦戦したが、すぐに辿り着く。
私達を追いかける人達は私達のいる場所━━━━中央にある祭壇に向かい歩いてくる。
祭壇には変色した赤いものが無数にある。間違いない。これは、血液が変色したものだ。下を見ると大小様々な絨毯が祭壇の周りに敷かれている。まるで床を隠すように。けど、僅かに空いた隙間から見えるのは線や、異国の文字か記号が書かれている。
間違いない。ここで悪魔召喚の儀をしている証拠。ならば、この者たちは一体、何者だろう?
けど、今はそんな事を考える余裕はない。
朔耶は手袋をした手を片方、口元に持ってくると人差し指と中指を立て、それ以外の指を折り込む。
「あんたりをん そくめつそく びらりやびらり そくめつめい ざんざんきめい・・・・・」
朔耶の周りの空気が一斉に変わる。周りは淀んだ空気なのに朔耶だけは違う。澄んで清らかな風だ。
ほのかに光り輝いても見える。征一郎は朔耶が何かしらの呪術を使っているのだと分かるが、その、呪術が何に作用するかまでは分からない。
朔耶を守らないといけないと分かっているのに、あまりにも非現実的でいて、不思議な光景に目が離せない。
「・・・・・・・ぜつめい そくぜつ うん ざんざんだり ざんだりはん!」
清らかな風と光を纏った朔耶は、手袋をした手で一拍する。
すると、風と光は水面に落ちた水のように波紋となり追いかける人々に広がる。すると人々は白目を剥いて次々に倒れていく。
「・・・・・死んだのですか?」
目の前で行われた摩訶不思議な光景に征一郎は唖然としながらも、目の前で倒れた人々がどうなったのか気になり隣の朔耶に聞いてしまった。
「いいえ。遠当法の一つで、相手を気絶させるものなのでご安心下さい」
征一郎のにわかに信じられないと言った、焦りとも不安とも取れる声色に、朔耶は普段と同じ声色で話す。
無理もないとしか言えない。呪術師なら出来る芸当で何も感じないだろうが、一般人の火澄様では何が行われたのか見当皆無な摩訶不思議な光景だっただろう。
「危険は免れました・・・・・・っ・・・・・」
「朔耶様!」
目の前の恐怖がなくなった途端、体が急に震えだす。立っていられなくて、その場に崩れ落ちるようにへたり込む。
怖かったのだ。火澄様が助けに来なかったら私はどうなっていたのか?答えは目の前に倒れている人々と同じになっていたに違いない。
ドレスは乱れ、着衣さえもしてないかもしれない。男女の営みを繰り返し、相手を変え、快楽の境地を何度もこの身に享受していただろう。
朔耶は恐ろしくなり、脱力してしまった。今も漂う甘い香りが頭を可笑しくさせる。恐怖しかなかったのに、体が急に熱くなる。
「朔耶様・・・・・?!!しまった!この漂う香りは「あれ」か・・・・・・緊張が緩んで一気に・・・・・」
征一郎は朔耶の様子を見て一瞬で悟った。
室内に漂う甘い香りは、朔耶にとっては毒に等しい。こんな所にずっといたら可笑しくなる。まして、襲われかけたのだ。沢山、空気を取り込んだに違いない。そして、緊急を脱した今、体が素直に反応を示した。
征一郎はハンケチを取り出し、朔耶の口元を覆う。時すでに遅しだろう。気休めにしかならないが。
「朔耶様、ここを離れます。ハンケチで口元を覆って下さい。あと、失礼しますよ!」
仮面をしていても分かる。顔が赤くなり、呼吸も浅い朔耶は力なく地面に座る。もし、征一郎の支えがなければそのまま寝っ転がっていたに違いない。
ぼーっとしてきた頭の中で征一郎の言われた事を何とか理解し、征一郎が当てたハンケチで自ら口元を押さえる。
甘い香りとは別に爽やかな香りも鼻腔に漂う。
・・・・・・火澄様の香りかな?森林のような素敵な香りがする・・・・・けど、この頭を可笑しくさせる甘い香りが強すぎて・・・・・
それに、この状態、前にも体験した覚えがある。たしか、夜会の・・・・・・時?
頭が混乱し始める。それと同時に体が熱く、震える。体の奥の奥、腹よりも奥にある所が疼く。
腹痛とも違う。何かを欲するように悲しく疼く。
征一郎はハンケチで朔耶の口元を覆う。それから朔耶自身が押さえるように促す。
次に、朔耶の膝下と脇の下に手を差し込むと横抱きに抱き上げる。
何もなければきっと朔耶は驚き、目を白黒させているだろう。けど、今はそれどころではない状態だ。ぐったりとし、荒い呼吸を繰り返す。
服越しでも分かるほど体が熱くなっている。
ドレスで多少の抱きにくさはあるが、朔耶ほど小柄ならば気にすることはない。
征一郎は倒れている人々を避けながら、間を抜けていく。そして、一気に階段を駆け上がる。
扉を抜け、そのまま征一郎は屋敷を後にする。そのまま自分達が乗ってきた馬車乗り場まで辿り着く。
ここにはもう、用はない。とどめを刺すのは後日だ。
多少の自由時間に感謝すればいい・・・・・今は、朔耶を助けるのが最優先だ。
朔耶の状態を見て、大塚卿相の行ってきた悪行を本気で呪う。他の人間ならいざ知らず、朔耶に二回もこの苦しみを味合わせるとは・・・・・
「せい・・・圭吾様?どうされたのですか?さ、薫子様も!!」
行者に扮した万次郎が征一郎達を見て、慌てて駆け寄る。
「万次郎!今すぐ帰るぞ。仕事は終わった!朔耶様は例の薬・・・・・・「アフロディーテの雫」にやられた」
「はい?!!なんでまた、厄介のが・・・・・あぁ~~今はそれどころじゃねえか!今すぐ出しますので乗り込んで下さい」
扉を多少乱暴に開けて中に促すと、万次郎はそのまま馬を操るため行者台に乗り込む。
征一郎も朔耶を抱いたまま乗り込み扉を閉め、朔耶を抱いたままそのまま座り、乱暴に着けていた仮面を外し、いつでも動いてもいいように準備する。
辛そうな朔耶から仮面を外す。苦しいのか瞼を閉じ、代わりに唇は僅かに開き、熱い吐息が激しく出入りする。
知っている。この苦しみを早くなくすにはどうしたらいいのかを。
征一郎は朔耶の頬にそっと手を添えると、僅かに開いた唇を己の唇で深く塞いだ。
記憶は多少の曖昧なところもあるが、大体のことは理解している。
全ての終わりを悟った瞬間、助けられた。そこから何とかして危険を回避出来たが、代わりに私が足を引っ張ってしまった。
あの部屋に漂う甘い香りに体が反応したのか、急に熱くなり立つのも苦しくて・・・・・・
体の奥底で鉄を溶かしたように熱く、ドロドロしたものが渦巻く。
この苦しみは一度だけ体験している。その苦しみと同じだ。
火澄様は焦って、待っているハンケチを貸してくれると、私を簡単に抱き上げて階段を駆け抜ける。仮面もしていて、薄暗いのにどうしてあんなに早く、まるで見えているように階段を駆け上がるのか不思議だ。
そして、乗ってきた馬車まで来ると乗り込んでいた。
私を抱き上げたまま座り、火澄様の膝に乗る。私が一人で座れないと判断したのかもしれないが、恥ずかしい。けど、そんな事、言ってられない程苦しくて・・・・・・
煩わしさがあった仮面を外される。これで、多少の解放感があるのかと思ったが特になく。そしたら火澄様の手が私の頬に触れる。
冷たくて、気持ちよくて・・・・・大きな手は安心感を与えてくれる。この手が好きだ。手のひらにいくつもの剣ダコがあるのは、努力してきた証。その手が私の体に触れるだけで、どきどきと胸が高鳴る。
火澄様の手にどきどきしていたら、急に息苦しくなる。唇が塞がれてしまったのだ。何に、塞がれたのか一瞬、分からなかった。けど、塞いだそれは冷たくて、少しだけカサついて・・・・・・
閉じていた瞼を少しだけ開く。
目の前を覆うように、火澄様のお顔があった。整った形のよい眉や通った鼻筋。泣き黒子が特徴的な目は瞼で閉じられていた。
そして、薄い唇は私の唇を覆うようにかぶさっている。
「!!・・・・・・・・ん、んん!」
以前された様な荒々しさはない。只々、塞ぐだけ。なのに、火澄様の唇が塞いだと思うと、急に全身が熱くなる。
縋りたい衝動に駆られたのか、ただ単に心許ないのか、火澄様の衿を掴んでしまう。
すると、私の頬を優しく触れていた手が首筋、胸、お腹と筋を書くように撫でていく。
スカートを掴み、手繰り寄せ、裾から手を入れ、更に、ドロワーズの中に手を入れる。
くちゅ・・・・・・・
「!!!んん~!!」
勿論、ドロワーズの中に手を入れ、最初に触れたのは、秘部だった。そこは人肌よりも熱く、粗相をした様に濡れ、疼く場所。
そんな所を触れられれば、悲鳴にも近い言葉が出てしまう。けど、その言葉全て火澄様の口の中に飲み込まれていった。
苦しくて、恥ずかしくて頭を振って火澄様の唇から逃げる。今度は簡単に逃げられて、私は必要以上に肺に空気を取り込んでった。
「ハァーハァーひ、ひずみ様・・・・な、んで・・・・・・」
「「アフロディーテの雫」を覚えてますか?」
━━━━━━アフロディーテの雫?
勿論、覚えている。飲み物に混ぜられたもので、誰が何の目的で混入したのかは未だに不明だ。
苦しくて、体が熱くなって、そして・・・・・
「な、んで、それが・・・・・」
訳が分からない。なぜ、今ここで「アフロディーテの雫」なのか。
「・・・・・あの部屋に充満していた香の正体は「アフロディーテの雫」です。周りが見えなくなるほど強く焚いてました。朔耶様はそれを大量に摂取したのです。だから、体が辛くないですか?あの時の夜会で経験した事を繰り返し経験してませんか?」
「・・・・・・・」
嫌な予感は的中した。体はドロドロの鉄を飲まされたように熱く、掻きむしりたいほど疼く。
恥ずかしいが火澄様の手が触れている半身は、意識すれば濡れていて、恥ずかしいかな尻の穴も濡らすほど垂れてきている。
その全てが、火澄様と初めて会った夜会で使用された「アフロディーテの雫」が原因なのか。
真剣な視線を向ける火澄様に、泣きそうな顔を向けてしまう。けど、事実、私の体は一度「アフロディーテの雫」を経験した。「アフロディーテの雫」の効能を辛さを知っている。
「は、い・・・・・・」
泣くなと言いたいのに、自然と涙が溢れては溢れる。火澄様もきっと戸惑うに違いないのに、私の涙腺は言う事を聞かない。
「泣かないで・・・・・大丈夫。以前も言いましたが「発散」させればいいのです。ここでは恥ずかしいのかもしれませんが、私に任せて下さい・・・・・いいですか?」
私の脳裏には先程の出来事が頭を覆う。
淀み、虚ろな目を向けながら、口からはだらしなく涎を流し、下卑た笑いなのか、よく分からないニタニタ顔を向けながら私に触れる。
気持ち悪くて、吐きそうで、なのに、逃げ出すことも出来ず、酒臭い息を吹きかけながら耳を舐め、胸を揉みしだく。
思い出すと急に怖くなり、触れられていた所が気持ち悪くなる。
「あ・・・・・怖い・・・・助けて・・・・・」
穢れた所を清めるように火澄様に触ってほしい・・・・・
助けを乞う様にずっと握っていた衿を、更に強く握り、火澄様の顔を見つめる。今は目の前の火澄様に助けを乞う以外ない。それに、助けてくれるのなら火澄様がいい。
火澄様じゃないと嫌だ。早く、気持ち悪い感触も何もかも上書きして欲しい。
「・・・・・・なるべく声を我慢して下さいね。万次郎に聞かせたくない」
再び、私の唇が火澄様の唇に覆われる。それと同時に触れるだけだった、秘部に置かれた手が突然、動き出す。
「!!━━━━━━━ん!!っん、んん!!」
蜜粒を腹の指でくりくりと優しく円を描く様に動き出す。何度も何度も優しく・・・・・
そう思えば、突然、ぐっと、押さえつける。
「!!ん゛!」
体がビクッと大きく震えて、衿を掴んでいた手を更に強める。
唇は塞がれているから声は全て掻き消される。
閉じていた目は、あまりの快楽に驚き開いてしまう。見えるのは馬車の何の変哲もない天井と火澄様の髪・・・・・
蜜口からはだらだらと蜜が溢れ、征一郎の指を濡らす。まるでその蜜が欲しかったように征一郎は、その蜜を指に何度も何度も塗りつけていく。
そして、蜜に濡れた指を蜜口に充てがうと、壊れものを扱うようにゆっくりと、そっと、けど、確実に指を泥濘んだ蜜口に埋めていく。
「!!」
朔耶は驚いてしまった。自分でも用を足した時にしか触らぬ場所、ましてやその奥など一切、触れた事などない。そんな所に指を埋めていく行為に怖くる。
征一郎の剣を扱うせいか、ごつごつと節くれだった指は太い。そんな指が隘路を進む。
恐ろしい方が当たり前。条件反射の如く、下半身に力が入る。それは征一郎の指を受け入れない様にする為の行為。なのに、指をしっかりと感じてしまい、朔耶は慄く。
「力を抜いて・・・・・・大丈夫。朔耶の気持ちい場所を見つけるだけだから。そしたらもっと気持ちよくなって、すぐに薬が抜けるから・・・・・大丈夫・・・・・・」
耳元で囁かれる。すると、突然、耳に熱いモノが当てられる。それは、柔らかくて・・・・・そんなモノが動いていく。
耳朶の輪郭をなぞる。何度も優しく。けど、段々と内側に入り込むと耳の穴に差し込まれ、くちゅくちゅと水音を鼓膜に響かせる。
それが火澄様の舌だと分かったのは、鼓膜に響く水音を聞いたから。頭の中を水音でいっぱいになる。考える事も出来ないぐらい・・・・・
だからなのか、力が抜けた。すると、私の中に入り込もうとしていた指が再び、隘路を掻き分け進む。何かを確かめるように指を、肉壁に擦り付けながら、時にくの字に曲げて。
そして、腹辺りの肉壁を擦られた時に、電流が流れたのかと勘違いする程の痺れが襲う。
「い゛っ、ああぁぁ!!」
あまりの事に体が丸くなる。縋るように掴んでいた衿を引き寄せようとする。
「・・・・・ここが朔耶の気持ちのいい場所。ここを何度も愛してあげようね」
「っ、あっ!!ゃぁぁ、へんなのぉ!!~~~ん、んん!!」
例えるなら体の中に風船がある。その、風船に空気を送り込むと膨れる。段々と、大きく。
けど、物事には必ず限界があるものだ。その、風船だって限界はある。空気を送り続ければ膨れ上がり、やがては限界を迎えて弾け割れる。
今当に、朔耶は限界を迎えそうな風船そのものだ。
優しく、けど、一方的に与えられる快楽に体は限界を迎えそうになる。
その、快楽を与える指は、朔耶の可笑しくなる場所を集中的に擦る。時にはぐぐぅ~と、腹側に押し上げるように押したり、指を細かく振動させたり。指で様々な技巧を繰り返し、朔耶を追い詰める。そして、等々、朔耶の限界は弾けた。
「い~~~つ゛つ゛っッ!!」
指が腹側に押し上げるようにして押さえ込んだ時、朔耶は背中を仰け反らした。雷のようなものが押さえ込まれた所に落ちたと思ったら、いつの間にか全身に広がっていた。
暫く仰け反ったまま、かたかたと震えていたが、糸の切れた人形のように、がくっと征一郎の腕の中で力なく倒れ込む。
征一郎の指を飲み込んだ蜜口からは、指を更に濡らすように蜜が溢れ、菊口をも蜜で滴らせる。
「・・・・・・朔耶?目の前で何かが弾けそうな、頭が真っ白になりそうな時には「イく」と言わないと失礼だと教えましたよね?たとえ、どんな状態であろうと言わないと失礼ですよ?」
耳を舐めていた征一郎は、朔耶の耳元でそっと、優しく語る。けど、どこか声色は硬い。非難しているようにも感じとられる。
頭が真っ白な状況で、ふわふわしていたのに、征一郎の声を聞いて、一瞬でふわふわとした意識は飛んでしまった。
「あ、あぁ・・・・・・ごめ、んなさい・・・・も、う、しない、から・・・・・」
非難の声を聞いて朔耶は怖くなり息も整わないのに、一生懸命に謝った。
火澄様だけには嫌われたくない。見捨てられたくない・・・・・そんな、気持ちが生まれてくる。
「ん・・・・・分かってくれたのなら、もう一度。今度はちゃんと出来ますよね?」
「できまぁ・・・・・ん!ああぁぁ!~~~~っッ!!」
征一郎に縋りつく朔耶は必死になって、征一郎の期待に応えようと返事をした。けど、最後まで言わないうちに、朔耶に埋め込まれた指が再び動き出す。
一度、達した体は簡単に限界を迎える。ましてや薬で可笑しくなった体は事さらに簡単に・・・・
朔耶の体はまだまだ、開拓の途中。快楽には弱く脆い。与えられればすぐに応えてしまう。
くちゅ、くちゅ・・・・・
自分の半身から淫らな水音が、狭い馬車の室内に響く。その音が更に朔耶を追い詰める。
内股に力が入り、膝同士を合わせ、つま先が丸くなる。限界がそこまで来ているのが征一郎にはすぐに分かった。
だから、追い詰めるために、親指は蜜粒を押さえつけ、ぐりぐりと円を描く。
「ひっ!!あ、ああ!!も、おぅ・・・・・っッぅぅ━━━━━━!!」
突然の事に体が驚き、征一郎の膝の上で飛び跳ねる。けど、弾けるのが怖くて、必死に耐えた。
耐えていたのに、火澄様は私を執拗に追い詰めていく。そこを触られると、とても感じてしまい、声が出でしまう。
体を丸くして、追い詰められる快楽から逃げたいのに、火澄様は良しとしない。
中と外の可笑しくなる場所を、ぐりぐりと苛められ、追い立てられれば、もう、弾ける以外あるの?
「ああぁぁ、だ、めぇぇ!!いっ、くぅぅ━━━━━!!」
閨での決まり事をしない自分が悪いのであって、それを教えてくれた火澄様の手を煩わしたくない。ちゃんとしないと・・・・・・・
だから、頭が真っ白になって、自分の中にある風船が弾けた時に、頑張って教わった言葉を叫ぶように言っていた。
変に体に力が入り、火澄様の指を締め付けてしまう。感じたくないのに半身は指の形を捉える。それが余計に恥ずかしい。
「あぁ、上手に言えましたね・・・・・けど、体はまだ、お辛いでしょう?大丈夫です。唇は塞いでおきますので、何度も達して下さい。そう、何度でも」
「ん゛ん゛━━━━━━━~~~~~!!」
唇が再び、征一郎の唇で塞がれる。すると肉壁で指を締め付けているのに、その指は遠慮なく、ぐちゅ、ぐちゅゅ・・・・と挿入と引き抜き行為を繰り返す。いつの間にか指は二本に増やされ、隘路でばらばらと動かし、蜜粒はかりかりと爪で弾く。
その度に朔耶は嬌声を出し、頭を白くさせ、仰け反る。大きく開いた瞳から透明な涙を流しながら、征一郎を見た。
その顔は恍惚としていてた。まるで、悪魔召喚の儀をしている人達のように、何かに魂を魅了された人のように、目を細め、朔耶の全てを取り込もうとするように・・・・・・
背中にぞわぞわとしたものが走る。果たしてそれは火澄様を見て慄いたのか、快楽に浮かされて仰け反ったのか、自分でも分からない。
何度目か分からない、爆ぜた快楽をこの可笑しくなった身に享受した時、朔耶は白くなる頭の中で全ての意識を手放すように気絶した。
それは、ある意味、逃げにも等しいし、あるいは、己の身を守る為の行為でもある。
気絶した朔耶を眺めた征一郎は蜜口から指を引く抜く。銀色の濡れた糸は指と蜜口を繋ぐが、やがて全て途切れる。
力なく、ぐったりとした朔耶を抱き締める。征一郎は目を閉じた。代わりに唇の端が微かに歪む。
「朔耶様?書き換えは出来たでしょうか?下劣な者共に触られた所はさぞかし気持ち悪いでしょう?だから、私で上書きしましょう。私も嫌ですよ・・・・・だから、ね?」
更に強く抱き締める。けど、朔耶は身動ぎ一つしない。
「全て、書き換えましょう」
耳元でゆっくりと囁いた声は、ぞっとする程の冷たさと、絡みつくような執拗さを織り交ぜた声をしていた。
「朔耶の全ては全部、私のものですよ・・・・・・」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
性格の裏表が激しい征一郎です。そして、基本、ヤンデレ枠。病んでもらわんと楽しくない!!で、性格、感情、エトセトラ・・・・・
それに振り回されるヒロイン枠は大変です。
そして、朔耶様の神秘なるお力が炸裂しました!やっぱり魔法とか呪術とか、目に見えない力を使って、不思議な言葉や、決まった呪文を使うのはたまらなくカッコいい!!
これからも、沢山使わせてもらいます!
そして、突然のRの話(笑)書いていて楽しいの、何のって・・・・・
けど、まだまだ結ばせません!なので、もう少しだけ純粋な?二人でいて下さい。
さて、この後、大塚卿相はどうなるんでしょうね?暫しの自由時間をもらってますが・・・・何する?踊っておく?あぁ、既に征一郎の手のひらで踊っておったわ(本人は知らない間に)
ここまで読んで下さってありがとうございます
評価・ブックマーク登録等して頂ければ幸いです。
評価がモチベーションアップです。宜しければ応援お願いします。応援で狂喜乱舞しております。
応援してくださる皆様方、本当にありがとうございます
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極力、呼吸をするのをやめる。階段を降りきったらすぐにハンケチで口元や鼻を覆う。
ゆっくりと明かりの漏れ出る所に行き、ゆっくりと暖簾を少しだけ開き、中の様子を確認する。
沢山の蝋燭が煌々と燃え上がる。何故か中央には護摩壇と何かの祭壇みたいなものがある。
そして、その周りには人がいるが、その人達の格好に朔耶は息を呑んだ。
「ひっ!!」
着物やドレスや燕尾服を着ているが、どの人達も衣類は乱れ中には着てない者もいる。
そして、殆どの者達は男女の営みを繰り返す。
組んず解れつ、中には複数で・・・・・
女性の嬌声が響き木霊する。朔耶がしているような仮面をしている者もいれば、素顔をさらけ出している。恍惚とし、惚けて、涎や涙を流す。
「なんなの・・・・・・」
朔耶はこの光景が信じられなかった。だから暖簾を開けたまま固まってしまった。
それがいけなかったのだろう。何人かの男女が朔耶の姿をとられる。
すると、一斉に近づき固まる朔耶を捕まえる。
「!!いやぁぁぁ!!」
ニヤニヤ笑い、腕や足、体に沢山の手が絡みつく。そのまま何かが燻る部屋に引きずり込まれる。
地べたに座らされ、両手はそれぞれ掴まれて動かせない。乱暴な手が無遠慮に朔耶の胸をドレスの上からや、無理矢理、空いてる胸元から手を差し込み直に触る。
耳に誰か分からない舌が捩じ込まれる。
「いや!いや!!離して!!いやぁぁぁ!!」
恐怖と気持ち悪さで上手く力が入らない。そもそも、複数人に抑え込まれているから体の自由なんてほぼ無い。
自然と涙が溢れる。こんな陵辱行為を受ける日が来るなんて・・・・・気持ち悪い!助けて!触らないで!
嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!!
火澄様に触れられた時はこんな感情なかった。気持ち悪さなんて何一つなかった。
けど、今は気持ち悪い。
スカートを持ち上げられ、下に着ているドロワーズを引っ張られる。
少しでも反抗する為、足や体を動かす。
もう駄目だ・・・・・・私はこのままここで辱めを受けるのか・・・・・
自分に向けられる腐った視線を、見るのも向けられるのも辛くて目を閉じる。
力の限り暴れて、逃げようとするが一人対複数人では結果は見えている。
━━━━━絶体絶命だ。
そして、脳裏には何故か火澄様の笑った顔がチラつく。きっと、私は好いているのだ。どんな事をされようと、あの方ならば許してしまう程に。
だから、あの時の夜の事も許しているのだ。
こんな事ならあの方に捧げたかった・・・・・
ドロワーズを引っ張られる。ある意味、最後の砦を奪われようとされた時、人の手で戒められていた片手が自由になる。
「え?」「遅れてすみません!!」
自分の背中に温もりが伝わる。脳裏に浮かび上がった人の声が直ぐ側に聞こえる。
閉じていた目を開いて、声のする方を見る。
気迫に満ちた、変な言い方をするならば、人を殺めたような恐ろしい顔をした人がいた。
私に纏わりつく手や体を引き離しては壁や人山に投げつける。
「ひ・・・ずみ、さま・・・・・」
体の緊張が一気に抜け落ちる。ガクッと力が抜けていくのが自分でも分かる。
「大丈夫ですか!!もう、安心して下さい」
大きくて安心する手が私を支えてくれる。それだけで、安心して涙が出てくる。
けど、まだ、終わってない。
私を引き離した人は地面に伸びて気を失っているが、それ以外にも人はいる。
騒ぎを聞いて、私達に注目している。
淀んだ瞳を向けて、涎を垂らした口をだらしなく開き、自分が衣服を身に着けているのかも分かってない。
そんな状態の人達がゆっくりとこちらに向かってくる。
「火澄様・・・・・・どうか、私をあの祭壇まで連れて行ってください!」
「なんでですか?このまま逃げますよ!」
「駄目です。追いかけて来ます!大丈夫です。私には秘策がありますから」
火澄様の言いたいことも分かるが、ここは私に任せて欲しい。
「・・・・・・・分かりました。立てますか?いいですか?走りますよ!!」
私の肩や手を掴み立たせてくれる。そして、合図と共に走り出す。
慣れない靴やドレスに苦戦したが、すぐに辿り着く。
私達を追いかける人達は私達のいる場所━━━━中央にある祭壇に向かい歩いてくる。
祭壇には変色した赤いものが無数にある。間違いない。これは、血液が変色したものだ。下を見ると大小様々な絨毯が祭壇の周りに敷かれている。まるで床を隠すように。けど、僅かに空いた隙間から見えるのは線や、異国の文字か記号が書かれている。
間違いない。ここで悪魔召喚の儀をしている証拠。ならば、この者たちは一体、何者だろう?
けど、今はそんな事を考える余裕はない。
朔耶は手袋をした手を片方、口元に持ってくると人差し指と中指を立て、それ以外の指を折り込む。
「あんたりをん そくめつそく びらりやびらり そくめつめい ざんざんきめい・・・・・」
朔耶の周りの空気が一斉に変わる。周りは淀んだ空気なのに朔耶だけは違う。澄んで清らかな風だ。
ほのかに光り輝いても見える。征一郎は朔耶が何かしらの呪術を使っているのだと分かるが、その、呪術が何に作用するかまでは分からない。
朔耶を守らないといけないと分かっているのに、あまりにも非現実的でいて、不思議な光景に目が離せない。
「・・・・・・・ぜつめい そくぜつ うん ざんざんだり ざんだりはん!」
清らかな風と光を纏った朔耶は、手袋をした手で一拍する。
すると、風と光は水面に落ちた水のように波紋となり追いかける人々に広がる。すると人々は白目を剥いて次々に倒れていく。
「・・・・・死んだのですか?」
目の前で行われた摩訶不思議な光景に征一郎は唖然としながらも、目の前で倒れた人々がどうなったのか気になり隣の朔耶に聞いてしまった。
「いいえ。遠当法の一つで、相手を気絶させるものなのでご安心下さい」
征一郎のにわかに信じられないと言った、焦りとも不安とも取れる声色に、朔耶は普段と同じ声色で話す。
無理もないとしか言えない。呪術師なら出来る芸当で何も感じないだろうが、一般人の火澄様では何が行われたのか見当皆無な摩訶不思議な光景だっただろう。
「危険は免れました・・・・・・っ・・・・・」
「朔耶様!」
目の前の恐怖がなくなった途端、体が急に震えだす。立っていられなくて、その場に崩れ落ちるようにへたり込む。
怖かったのだ。火澄様が助けに来なかったら私はどうなっていたのか?答えは目の前に倒れている人々と同じになっていたに違いない。
ドレスは乱れ、着衣さえもしてないかもしれない。男女の営みを繰り返し、相手を変え、快楽の境地を何度もこの身に享受していただろう。
朔耶は恐ろしくなり、脱力してしまった。今も漂う甘い香りが頭を可笑しくさせる。恐怖しかなかったのに、体が急に熱くなる。
「朔耶様・・・・・?!!しまった!この漂う香りは「あれ」か・・・・・・緊張が緩んで一気に・・・・・」
征一郎は朔耶の様子を見て一瞬で悟った。
室内に漂う甘い香りは、朔耶にとっては毒に等しい。こんな所にずっといたら可笑しくなる。まして、襲われかけたのだ。沢山、空気を取り込んだに違いない。そして、緊急を脱した今、体が素直に反応を示した。
征一郎はハンケチを取り出し、朔耶の口元を覆う。時すでに遅しだろう。気休めにしかならないが。
「朔耶様、ここを離れます。ハンケチで口元を覆って下さい。あと、失礼しますよ!」
仮面をしていても分かる。顔が赤くなり、呼吸も浅い朔耶は力なく地面に座る。もし、征一郎の支えがなければそのまま寝っ転がっていたに違いない。
ぼーっとしてきた頭の中で征一郎の言われた事を何とか理解し、征一郎が当てたハンケチで自ら口元を押さえる。
甘い香りとは別に爽やかな香りも鼻腔に漂う。
・・・・・・火澄様の香りかな?森林のような素敵な香りがする・・・・・けど、この頭を可笑しくさせる甘い香りが強すぎて・・・・・
それに、この状態、前にも体験した覚えがある。たしか、夜会の・・・・・・時?
頭が混乱し始める。それと同時に体が熱く、震える。体の奥の奥、腹よりも奥にある所が疼く。
腹痛とも違う。何かを欲するように悲しく疼く。
征一郎はハンケチで朔耶の口元を覆う。それから朔耶自身が押さえるように促す。
次に、朔耶の膝下と脇の下に手を差し込むと横抱きに抱き上げる。
何もなければきっと朔耶は驚き、目を白黒させているだろう。けど、今はそれどころではない状態だ。ぐったりとし、荒い呼吸を繰り返す。
服越しでも分かるほど体が熱くなっている。
ドレスで多少の抱きにくさはあるが、朔耶ほど小柄ならば気にすることはない。
征一郎は倒れている人々を避けながら、間を抜けていく。そして、一気に階段を駆け上がる。
扉を抜け、そのまま征一郎は屋敷を後にする。そのまま自分達が乗ってきた馬車乗り場まで辿り着く。
ここにはもう、用はない。とどめを刺すのは後日だ。
多少の自由時間に感謝すればいい・・・・・今は、朔耶を助けるのが最優先だ。
朔耶の状態を見て、大塚卿相の行ってきた悪行を本気で呪う。他の人間ならいざ知らず、朔耶に二回もこの苦しみを味合わせるとは・・・・・
「せい・・・圭吾様?どうされたのですか?さ、薫子様も!!」
行者に扮した万次郎が征一郎達を見て、慌てて駆け寄る。
「万次郎!今すぐ帰るぞ。仕事は終わった!朔耶様は例の薬・・・・・・「アフロディーテの雫」にやられた」
「はい?!!なんでまた、厄介のが・・・・・あぁ~~今はそれどころじゃねえか!今すぐ出しますので乗り込んで下さい」
扉を多少乱暴に開けて中に促すと、万次郎はそのまま馬を操るため行者台に乗り込む。
征一郎も朔耶を抱いたまま乗り込み扉を閉め、朔耶を抱いたままそのまま座り、乱暴に着けていた仮面を外し、いつでも動いてもいいように準備する。
辛そうな朔耶から仮面を外す。苦しいのか瞼を閉じ、代わりに唇は僅かに開き、熱い吐息が激しく出入りする。
知っている。この苦しみを早くなくすにはどうしたらいいのかを。
征一郎は朔耶の頬にそっと手を添えると、僅かに開いた唇を己の唇で深く塞いだ。
記憶は多少の曖昧なところもあるが、大体のことは理解している。
全ての終わりを悟った瞬間、助けられた。そこから何とかして危険を回避出来たが、代わりに私が足を引っ張ってしまった。
あの部屋に漂う甘い香りに体が反応したのか、急に熱くなり立つのも苦しくて・・・・・・
体の奥底で鉄を溶かしたように熱く、ドロドロしたものが渦巻く。
この苦しみは一度だけ体験している。その苦しみと同じだ。
火澄様は焦って、待っているハンケチを貸してくれると、私を簡単に抱き上げて階段を駆け抜ける。仮面もしていて、薄暗いのにどうしてあんなに早く、まるで見えているように階段を駆け上がるのか不思議だ。
そして、乗ってきた馬車まで来ると乗り込んでいた。
私を抱き上げたまま座り、火澄様の膝に乗る。私が一人で座れないと判断したのかもしれないが、恥ずかしい。けど、そんな事、言ってられない程苦しくて・・・・・・
煩わしさがあった仮面を外される。これで、多少の解放感があるのかと思ったが特になく。そしたら火澄様の手が私の頬に触れる。
冷たくて、気持ちよくて・・・・・大きな手は安心感を与えてくれる。この手が好きだ。手のひらにいくつもの剣ダコがあるのは、努力してきた証。その手が私の体に触れるだけで、どきどきと胸が高鳴る。
火澄様の手にどきどきしていたら、急に息苦しくなる。唇が塞がれてしまったのだ。何に、塞がれたのか一瞬、分からなかった。けど、塞いだそれは冷たくて、少しだけカサついて・・・・・・
閉じていた瞼を少しだけ開く。
目の前を覆うように、火澄様のお顔があった。整った形のよい眉や通った鼻筋。泣き黒子が特徴的な目は瞼で閉じられていた。
そして、薄い唇は私の唇を覆うようにかぶさっている。
「!!・・・・・・・・ん、んん!」
以前された様な荒々しさはない。只々、塞ぐだけ。なのに、火澄様の唇が塞いだと思うと、急に全身が熱くなる。
縋りたい衝動に駆られたのか、ただ単に心許ないのか、火澄様の衿を掴んでしまう。
すると、私の頬を優しく触れていた手が首筋、胸、お腹と筋を書くように撫でていく。
スカートを掴み、手繰り寄せ、裾から手を入れ、更に、ドロワーズの中に手を入れる。
くちゅ・・・・・・・
「!!!んん~!!」
勿論、ドロワーズの中に手を入れ、最初に触れたのは、秘部だった。そこは人肌よりも熱く、粗相をした様に濡れ、疼く場所。
そんな所を触れられれば、悲鳴にも近い言葉が出てしまう。けど、その言葉全て火澄様の口の中に飲み込まれていった。
苦しくて、恥ずかしくて頭を振って火澄様の唇から逃げる。今度は簡単に逃げられて、私は必要以上に肺に空気を取り込んでった。
「ハァーハァーひ、ひずみ様・・・・な、んで・・・・・・」
「「アフロディーテの雫」を覚えてますか?」
━━━━━━アフロディーテの雫?
勿論、覚えている。飲み物に混ぜられたもので、誰が何の目的で混入したのかは未だに不明だ。
苦しくて、体が熱くなって、そして・・・・・
「な、んで、それが・・・・・」
訳が分からない。なぜ、今ここで「アフロディーテの雫」なのか。
「・・・・・あの部屋に充満していた香の正体は「アフロディーテの雫」です。周りが見えなくなるほど強く焚いてました。朔耶様はそれを大量に摂取したのです。だから、体が辛くないですか?あの時の夜会で経験した事を繰り返し経験してませんか?」
「・・・・・・・」
嫌な予感は的中した。体はドロドロの鉄を飲まされたように熱く、掻きむしりたいほど疼く。
恥ずかしいが火澄様の手が触れている半身は、意識すれば濡れていて、恥ずかしいかな尻の穴も濡らすほど垂れてきている。
その全てが、火澄様と初めて会った夜会で使用された「アフロディーテの雫」が原因なのか。
真剣な視線を向ける火澄様に、泣きそうな顔を向けてしまう。けど、事実、私の体は一度「アフロディーテの雫」を経験した。「アフロディーテの雫」の効能を辛さを知っている。
「は、い・・・・・・」
泣くなと言いたいのに、自然と涙が溢れては溢れる。火澄様もきっと戸惑うに違いないのに、私の涙腺は言う事を聞かない。
「泣かないで・・・・・大丈夫。以前も言いましたが「発散」させればいいのです。ここでは恥ずかしいのかもしれませんが、私に任せて下さい・・・・・いいですか?」
私の脳裏には先程の出来事が頭を覆う。
淀み、虚ろな目を向けながら、口からはだらしなく涎を流し、下卑た笑いなのか、よく分からないニタニタ顔を向けながら私に触れる。
気持ち悪くて、吐きそうで、なのに、逃げ出すことも出来ず、酒臭い息を吹きかけながら耳を舐め、胸を揉みしだく。
思い出すと急に怖くなり、触れられていた所が気持ち悪くなる。
「あ・・・・・怖い・・・・助けて・・・・・」
穢れた所を清めるように火澄様に触ってほしい・・・・・
助けを乞う様にずっと握っていた衿を、更に強く握り、火澄様の顔を見つめる。今は目の前の火澄様に助けを乞う以外ない。それに、助けてくれるのなら火澄様がいい。
火澄様じゃないと嫌だ。早く、気持ち悪い感触も何もかも上書きして欲しい。
「・・・・・・なるべく声を我慢して下さいね。万次郎に聞かせたくない」
再び、私の唇が火澄様の唇に覆われる。それと同時に触れるだけだった、秘部に置かれた手が突然、動き出す。
「!!━━━━━━━ん!!っん、んん!!」
蜜粒を腹の指でくりくりと優しく円を描く様に動き出す。何度も何度も優しく・・・・・
そう思えば、突然、ぐっと、押さえつける。
「!!ん゛!」
体がビクッと大きく震えて、衿を掴んでいた手を更に強める。
唇は塞がれているから声は全て掻き消される。
閉じていた目は、あまりの快楽に驚き開いてしまう。見えるのは馬車の何の変哲もない天井と火澄様の髪・・・・・
蜜口からはだらだらと蜜が溢れ、征一郎の指を濡らす。まるでその蜜が欲しかったように征一郎は、その蜜を指に何度も何度も塗りつけていく。
そして、蜜に濡れた指を蜜口に充てがうと、壊れものを扱うようにゆっくりと、そっと、けど、確実に指を泥濘んだ蜜口に埋めていく。
「!!」
朔耶は驚いてしまった。自分でも用を足した時にしか触らぬ場所、ましてやその奥など一切、触れた事などない。そんな所に指を埋めていく行為に怖くる。
征一郎の剣を扱うせいか、ごつごつと節くれだった指は太い。そんな指が隘路を進む。
恐ろしい方が当たり前。条件反射の如く、下半身に力が入る。それは征一郎の指を受け入れない様にする為の行為。なのに、指をしっかりと感じてしまい、朔耶は慄く。
「力を抜いて・・・・・・大丈夫。朔耶の気持ちい場所を見つけるだけだから。そしたらもっと気持ちよくなって、すぐに薬が抜けるから・・・・・大丈夫・・・・・・」
耳元で囁かれる。すると、突然、耳に熱いモノが当てられる。それは、柔らかくて・・・・・そんなモノが動いていく。
耳朶の輪郭をなぞる。何度も優しく。けど、段々と内側に入り込むと耳の穴に差し込まれ、くちゅくちゅと水音を鼓膜に響かせる。
それが火澄様の舌だと分かったのは、鼓膜に響く水音を聞いたから。頭の中を水音でいっぱいになる。考える事も出来ないぐらい・・・・・
だからなのか、力が抜けた。すると、私の中に入り込もうとしていた指が再び、隘路を掻き分け進む。何かを確かめるように指を、肉壁に擦り付けながら、時にくの字に曲げて。
そして、腹辺りの肉壁を擦られた時に、電流が流れたのかと勘違いする程の痺れが襲う。
「い゛っ、ああぁぁ!!」
あまりの事に体が丸くなる。縋るように掴んでいた衿を引き寄せようとする。
「・・・・・ここが朔耶の気持ちのいい場所。ここを何度も愛してあげようね」
「っ、あっ!!ゃぁぁ、へんなのぉ!!~~~ん、んん!!」
例えるなら体の中に風船がある。その、風船に空気を送り込むと膨れる。段々と、大きく。
けど、物事には必ず限界があるものだ。その、風船だって限界はある。空気を送り続ければ膨れ上がり、やがては限界を迎えて弾け割れる。
今当に、朔耶は限界を迎えそうな風船そのものだ。
優しく、けど、一方的に与えられる快楽に体は限界を迎えそうになる。
その、快楽を与える指は、朔耶の可笑しくなる場所を集中的に擦る。時にはぐぐぅ~と、腹側に押し上げるように押したり、指を細かく振動させたり。指で様々な技巧を繰り返し、朔耶を追い詰める。そして、等々、朔耶の限界は弾けた。
「い~~~つ゛つ゛っッ!!」
指が腹側に押し上げるようにして押さえ込んだ時、朔耶は背中を仰け反らした。雷のようなものが押さえ込まれた所に落ちたと思ったら、いつの間にか全身に広がっていた。
暫く仰け反ったまま、かたかたと震えていたが、糸の切れた人形のように、がくっと征一郎の腕の中で力なく倒れ込む。
征一郎の指を飲み込んだ蜜口からは、指を更に濡らすように蜜が溢れ、菊口をも蜜で滴らせる。
「・・・・・・朔耶?目の前で何かが弾けそうな、頭が真っ白になりそうな時には「イく」と言わないと失礼だと教えましたよね?たとえ、どんな状態であろうと言わないと失礼ですよ?」
耳を舐めていた征一郎は、朔耶の耳元でそっと、優しく語る。けど、どこか声色は硬い。非難しているようにも感じとられる。
頭が真っ白な状況で、ふわふわしていたのに、征一郎の声を聞いて、一瞬でふわふわとした意識は飛んでしまった。
「あ、あぁ・・・・・・ごめ、んなさい・・・・も、う、しない、から・・・・・」
非難の声を聞いて朔耶は怖くなり息も整わないのに、一生懸命に謝った。
火澄様だけには嫌われたくない。見捨てられたくない・・・・・そんな、気持ちが生まれてくる。
「ん・・・・・分かってくれたのなら、もう一度。今度はちゃんと出来ますよね?」
「できまぁ・・・・・ん!ああぁぁ!~~~~っッ!!」
征一郎に縋りつく朔耶は必死になって、征一郎の期待に応えようと返事をした。けど、最後まで言わないうちに、朔耶に埋め込まれた指が再び動き出す。
一度、達した体は簡単に限界を迎える。ましてや薬で可笑しくなった体は事さらに簡単に・・・・
朔耶の体はまだまだ、開拓の途中。快楽には弱く脆い。与えられればすぐに応えてしまう。
くちゅ、くちゅ・・・・・
自分の半身から淫らな水音が、狭い馬車の室内に響く。その音が更に朔耶を追い詰める。
内股に力が入り、膝同士を合わせ、つま先が丸くなる。限界がそこまで来ているのが征一郎にはすぐに分かった。
だから、追い詰めるために、親指は蜜粒を押さえつけ、ぐりぐりと円を描く。
「ひっ!!あ、ああ!!も、おぅ・・・・・っッぅぅ━━━━━━!!」
突然の事に体が驚き、征一郎の膝の上で飛び跳ねる。けど、弾けるのが怖くて、必死に耐えた。
耐えていたのに、火澄様は私を執拗に追い詰めていく。そこを触られると、とても感じてしまい、声が出でしまう。
体を丸くして、追い詰められる快楽から逃げたいのに、火澄様は良しとしない。
中と外の可笑しくなる場所を、ぐりぐりと苛められ、追い立てられれば、もう、弾ける以外あるの?
「ああぁぁ、だ、めぇぇ!!いっ、くぅぅ━━━━━!!」
閨での決まり事をしない自分が悪いのであって、それを教えてくれた火澄様の手を煩わしたくない。ちゃんとしないと・・・・・・・
だから、頭が真っ白になって、自分の中にある風船が弾けた時に、頑張って教わった言葉を叫ぶように言っていた。
変に体に力が入り、火澄様の指を締め付けてしまう。感じたくないのに半身は指の形を捉える。それが余計に恥ずかしい。
「あぁ、上手に言えましたね・・・・・けど、体はまだ、お辛いでしょう?大丈夫です。唇は塞いでおきますので、何度も達して下さい。そう、何度でも」
「ん゛ん゛━━━━━━━~~~~~!!」
唇が再び、征一郎の唇で塞がれる。すると肉壁で指を締め付けているのに、その指は遠慮なく、ぐちゅ、ぐちゅゅ・・・・と挿入と引き抜き行為を繰り返す。いつの間にか指は二本に増やされ、隘路でばらばらと動かし、蜜粒はかりかりと爪で弾く。
その度に朔耶は嬌声を出し、頭を白くさせ、仰け反る。大きく開いた瞳から透明な涙を流しながら、征一郎を見た。
その顔は恍惚としていてた。まるで、悪魔召喚の儀をしている人達のように、何かに魂を魅了された人のように、目を細め、朔耶の全てを取り込もうとするように・・・・・・
背中にぞわぞわとしたものが走る。果たしてそれは火澄様を見て慄いたのか、快楽に浮かされて仰け反ったのか、自分でも分からない。
何度目か分からない、爆ぜた快楽をこの可笑しくなった身に享受した時、朔耶は白くなる頭の中で全ての意識を手放すように気絶した。
それは、ある意味、逃げにも等しいし、あるいは、己の身を守る為の行為でもある。
気絶した朔耶を眺めた征一郎は蜜口から指を引く抜く。銀色の濡れた糸は指と蜜口を繋ぐが、やがて全て途切れる。
力なく、ぐったりとした朔耶を抱き締める。征一郎は目を閉じた。代わりに唇の端が微かに歪む。
「朔耶様?書き換えは出来たでしょうか?下劣な者共に触られた所はさぞかし気持ち悪いでしょう?だから、私で上書きしましょう。私も嫌ですよ・・・・・だから、ね?」
更に強く抱き締める。けど、朔耶は身動ぎ一つしない。
「全て、書き換えましょう」
耳元でゆっくりと囁いた声は、ぞっとする程の冷たさと、絡みつくような執拗さを織り交ぜた声をしていた。
「朔耶の全ては全部、私のものですよ・・・・・・」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
性格の裏表が激しい征一郎です。そして、基本、ヤンデレ枠。病んでもらわんと楽しくない!!で、性格、感情、エトセトラ・・・・・
それに振り回されるヒロイン枠は大変です。
そして、朔耶様の神秘なるお力が炸裂しました!やっぱり魔法とか呪術とか、目に見えない力を使って、不思議な言葉や、決まった呪文を使うのはたまらなくカッコいい!!
これからも、沢山使わせてもらいます!
そして、突然のRの話(笑)書いていて楽しいの、何のって・・・・・
けど、まだまだ結ばせません!なので、もう少しだけ純粋な?二人でいて下さい。
さて、この後、大塚卿相はどうなるんでしょうね?暫しの自由時間をもらってますが・・・・何する?踊っておく?あぁ、既に征一郎の手のひらで踊っておったわ(本人は知らない間に)
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