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演習を迎える日、指揮者のバークリット・ワサン中佐は少しどころか、だいぶ興奮していた。
日本国の軍人の中でも「最強」と言われている夜神大佐が来るからだ。
軍に属している人間なら、皆知っていると言っても過言ではない。
五・六人で吸血鬼を討伐するのが普通なのに、それを一人で討伐するのだ。とても考えられない。
そして、その不思議な容姿・・・・肌は処女雪のように白く(本物の雪は見たことないが)、誰もを虜にする白い不思議な瞳。
遺伝的な事みたいだが、本人もよく分かってないと噂で聞いたことがある。
そして、吸血鬼の帝国に拉致されて、帰ってきた強者。本人に何があったのかは日本軍により、機密とされて徹底的に隠されている。
だが、かえって彼女のミステリアスな容姿と相まって、さらに神秘性を増していく。
夜神大佐に会えるのは大変喜ばしい。喜ばしいが、それ以上に喜ばしいのはやっと、やっと、因縁の決着がつくと思うと自然にニヤけてくる。
「ワサン中佐?どうしたんですか?さっきからニヤけてますよ?」
隣で、演習補佐をしているダーオルング・アポヤポン少佐がシラけた目で見てくる。
「オホン!」とわざとらしく咳をして、居住まいを正して、アポヤポン少佐を見る。
「何でもない。日本軍は、そろそろ到着した頃か?」
「到着済みですよ。今から一時間後に挨拶と、演習一日目をスタートさせます。今回は互いの体術の向上なので、我々は「レドリット」や「ムエタイ」などが主です。日本軍の指揮者は長谷部 貴也中佐です」
「長谷部中佐か・・・今度こそ決着を決める時か。サバイバルゲームが楽しみだ!」
「目的がズレてますよ。そう言えば、七海中佐の例のアレ適用しているんですよね?」
アポヤポン少佐が尋ねると、ワサン中佐は「もちろん」と満面の笑みで答える。
「当たり前じゃないか。これで我が軍の士気が高まるのなら安いものだ」
「高まりすぎて暴動にならなければいいですが・・・・」
「その時は鎮圧するまでだ。念の為、催涙ガスの用意でもしとくか?」
冗談なのか、それとも本気なのか分からない口調でワサン中佐は話す。
暴動云々より、長谷部中佐との決着の方が大事なのだ。打ち合わせの時も、互に決着をつけようと約束した。
ならば演習三日目のサバイバルゲームでケリをつけようじゃないか!!
七海中佐の案件は、演習参加者の半数以上(大半は男ども)が希望したので、希望を聞いたまでだ。
なんせ、相手国が日本と決まった時から、嘆願書が引っ切り無しに届いていた。それぐらい待ちに待った相手なのだ。
これで仲間のモチベーションが上がり、勝者になるために死ぬ気で戦い抜くだろう。
その為の踏み台になってくれる、夜神大佐には「感謝」しかない。
「よし、最終チェックをしていくぞ!ムエタイの蹴りを、思う存分味あわせてやれ!」
「了解!!」
二人は最終チェックの為、部屋を出て行く。
そして、これから起こる演習で夜神が「軍最強」と言われる理由を痛いほど痛覚するのであった。
「長谷部中佐と一緒の班になったんですね」
見知った後ろ姿を見かけて、夜神は庵を連れてその人物の所に行き声を掛ける。
すると、その人物が振り返り、夜神達を見ると笑顔で答えてくれる。
第一室・室長と似た顔だか、こちらは表情豊かだ。もし、室長が笑ったらこんな顔なのだろうか?
「夜神大佐に庵伍長。同じ班なのか?今回は勝ち負け関係ないから、しっかり学んで欲しい。特に庵伍長は」
「はい。レドリットもムエタイも楽しみです」
庵が返事をしていると、更に後ろから声を掛けられる
『長谷部中佐じゃないですか!?』
『ワサン中佐!久しぶりです。二年ぶりですか?』
『えぇ、大会以来ですから、二年ぶりで間違いないですね。お久しぶりです』
長谷部中佐とワサン中佐はそれぞれ手を伸ばして握手する。
『あの時は決着はつきませんでしたが、私が勝たせて頂ますよ!』
『もちろん、私も勝を譲る気はありませんので』
互に火花を散らして、それぞれ勝つことを前提に話しが進んでいく。
その熱い男達の言い合いを見ていた庵は、夜神にこっそりと尋ねる。
「夜神大佐。二人の中佐はなぜあそこまで勝ちにこだわるのですか?」
「ん?え~とね、オリンピックみたいに五年一度、軍の体術の世界大会があるのは知ってるよね」
「はい。知ってますよ」
五年に一度、世界中の対吸血鬼部隊の中でも、体術に特化した人間が己の力を競うものがある。長谷部中佐は日本軍の代表として参加していた。
「その時に対戦したのがタイ軍のバークリット・ワサン中佐なの。でも互角で勝負つかず。延長もしたけど結局は引き分けでね。それで今回の演習で白黒決めよう!!な感じかな?」
「なるほど・・・・・自分としては長谷部中佐に勝ってもらいたいですね」
「もちろん。私も長谷部中佐に勝ってほしいよ。でも相手も中々強いからね。勝負は分からないよ」
少し、眉を寄せ困った顔をする。モニター越しの観戦だったが、本当に互角で見ている自分達もハラハラしていた。
『それじゃ、三日目を頑張ろう!!・・・・・夜神大佐も宜しくお願いします。貴女の活躍は遠く離れた我が国でも有名です。その力を見られることを楽しみにしてます』
先程の長谷部中佐との笑みはなくなり、軍人の顔になり握手を求めてくる。
夜神もそれに応えるように、いつもの微笑みで応える。
『こちらこそ、宜しくお願いします。ワサン中佐の素晴らしい体術を間近で見られることを楽しみにしてます』
『褒めていただきありがとうございます。では、準備があるのでこれで失礼します』
敬礼をして、準備の為に部屋を出て行く、ベージュ色の軍服を見て長谷部はため息をする。
「演習で個人的な事はどうかと思うが・・・・・三日目のサバイバルゲームだけと互に約束したので、すまんが見逃して欲しい」
「いいよ。同期の好で見逃してあげるよ。けど、勝たないと許さないからね」
クスクス笑いながら、長谷部を見る夜神は少し楽しそうに見える。
「大佐?なんか楽しんでませんか?」
楽しんでいる様子を、庵が指摘すると夜神は「バレた」と顔で語った。
「やっぱりですね。けど、自分も長谷部中佐には勝って欲しいです!」
「ありがとう。もちろん私も負ける予定はない。三日目は色々とあるかもしれない・・・・・」
「その為に、虎次郎に作戦考えてもらったんだからいいんじゃない?」
予め七海中佐には伝えてあるので、それを踏まえて作戦を考えてもらっている。
こちらの準備は色々と万端である。あとはこの演習を最後まで遂行するのみ。
「さて、我々も行こうか」
長谷部の声に夜神達は軽く頷いた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
タイとの演習スタートしました。今回は話の中に組み込んで書いていくので閑話で括ったりはしません。
さら~といきます。
長谷部中佐VSワサン中佐の熱き男の戦い?を楽しんで下さい。もちろんこちらもさら~といきます(笑)
日本国の軍人の中でも「最強」と言われている夜神大佐が来るからだ。
軍に属している人間なら、皆知っていると言っても過言ではない。
五・六人で吸血鬼を討伐するのが普通なのに、それを一人で討伐するのだ。とても考えられない。
そして、その不思議な容姿・・・・肌は処女雪のように白く(本物の雪は見たことないが)、誰もを虜にする白い不思議な瞳。
遺伝的な事みたいだが、本人もよく分かってないと噂で聞いたことがある。
そして、吸血鬼の帝国に拉致されて、帰ってきた強者。本人に何があったのかは日本軍により、機密とされて徹底的に隠されている。
だが、かえって彼女のミステリアスな容姿と相まって、さらに神秘性を増していく。
夜神大佐に会えるのは大変喜ばしい。喜ばしいが、それ以上に喜ばしいのはやっと、やっと、因縁の決着がつくと思うと自然にニヤけてくる。
「ワサン中佐?どうしたんですか?さっきからニヤけてますよ?」
隣で、演習補佐をしているダーオルング・アポヤポン少佐がシラけた目で見てくる。
「オホン!」とわざとらしく咳をして、居住まいを正して、アポヤポン少佐を見る。
「何でもない。日本軍は、そろそろ到着した頃か?」
「到着済みですよ。今から一時間後に挨拶と、演習一日目をスタートさせます。今回は互いの体術の向上なので、我々は「レドリット」や「ムエタイ」などが主です。日本軍の指揮者は長谷部 貴也中佐です」
「長谷部中佐か・・・今度こそ決着を決める時か。サバイバルゲームが楽しみだ!」
「目的がズレてますよ。そう言えば、七海中佐の例のアレ適用しているんですよね?」
アポヤポン少佐が尋ねると、ワサン中佐は「もちろん」と満面の笑みで答える。
「当たり前じゃないか。これで我が軍の士気が高まるのなら安いものだ」
「高まりすぎて暴動にならなければいいですが・・・・」
「その時は鎮圧するまでだ。念の為、催涙ガスの用意でもしとくか?」
冗談なのか、それとも本気なのか分からない口調でワサン中佐は話す。
暴動云々より、長谷部中佐との決着の方が大事なのだ。打ち合わせの時も、互に決着をつけようと約束した。
ならば演習三日目のサバイバルゲームでケリをつけようじゃないか!!
七海中佐の案件は、演習参加者の半数以上(大半は男ども)が希望したので、希望を聞いたまでだ。
なんせ、相手国が日本と決まった時から、嘆願書が引っ切り無しに届いていた。それぐらい待ちに待った相手なのだ。
これで仲間のモチベーションが上がり、勝者になるために死ぬ気で戦い抜くだろう。
その為の踏み台になってくれる、夜神大佐には「感謝」しかない。
「よし、最終チェックをしていくぞ!ムエタイの蹴りを、思う存分味あわせてやれ!」
「了解!!」
二人は最終チェックの為、部屋を出て行く。
そして、これから起こる演習で夜神が「軍最強」と言われる理由を痛いほど痛覚するのであった。
「長谷部中佐と一緒の班になったんですね」
見知った後ろ姿を見かけて、夜神は庵を連れてその人物の所に行き声を掛ける。
すると、その人物が振り返り、夜神達を見ると笑顔で答えてくれる。
第一室・室長と似た顔だか、こちらは表情豊かだ。もし、室長が笑ったらこんな顔なのだろうか?
「夜神大佐に庵伍長。同じ班なのか?今回は勝ち負け関係ないから、しっかり学んで欲しい。特に庵伍長は」
「はい。レドリットもムエタイも楽しみです」
庵が返事をしていると、更に後ろから声を掛けられる
『長谷部中佐じゃないですか!?』
『ワサン中佐!久しぶりです。二年ぶりですか?』
『えぇ、大会以来ですから、二年ぶりで間違いないですね。お久しぶりです』
長谷部中佐とワサン中佐はそれぞれ手を伸ばして握手する。
『あの時は決着はつきませんでしたが、私が勝たせて頂ますよ!』
『もちろん、私も勝を譲る気はありませんので』
互に火花を散らして、それぞれ勝つことを前提に話しが進んでいく。
その熱い男達の言い合いを見ていた庵は、夜神にこっそりと尋ねる。
「夜神大佐。二人の中佐はなぜあそこまで勝ちにこだわるのですか?」
「ん?え~とね、オリンピックみたいに五年一度、軍の体術の世界大会があるのは知ってるよね」
「はい。知ってますよ」
五年に一度、世界中の対吸血鬼部隊の中でも、体術に特化した人間が己の力を競うものがある。長谷部中佐は日本軍の代表として参加していた。
「その時に対戦したのがタイ軍のバークリット・ワサン中佐なの。でも互角で勝負つかず。延長もしたけど結局は引き分けでね。それで今回の演習で白黒決めよう!!な感じかな?」
「なるほど・・・・・自分としては長谷部中佐に勝ってもらいたいですね」
「もちろん。私も長谷部中佐に勝ってほしいよ。でも相手も中々強いからね。勝負は分からないよ」
少し、眉を寄せ困った顔をする。モニター越しの観戦だったが、本当に互角で見ている自分達もハラハラしていた。
『それじゃ、三日目を頑張ろう!!・・・・・夜神大佐も宜しくお願いします。貴女の活躍は遠く離れた我が国でも有名です。その力を見られることを楽しみにしてます』
先程の長谷部中佐との笑みはなくなり、軍人の顔になり握手を求めてくる。
夜神もそれに応えるように、いつもの微笑みで応える。
『こちらこそ、宜しくお願いします。ワサン中佐の素晴らしい体術を間近で見られることを楽しみにしてます』
『褒めていただきありがとうございます。では、準備があるのでこれで失礼します』
敬礼をして、準備の為に部屋を出て行く、ベージュ色の軍服を見て長谷部はため息をする。
「演習で個人的な事はどうかと思うが・・・・・三日目のサバイバルゲームだけと互に約束したので、すまんが見逃して欲しい」
「いいよ。同期の好で見逃してあげるよ。けど、勝たないと許さないからね」
クスクス笑いながら、長谷部を見る夜神は少し楽しそうに見える。
「大佐?なんか楽しんでませんか?」
楽しんでいる様子を、庵が指摘すると夜神は「バレた」と顔で語った。
「やっぱりですね。けど、自分も長谷部中佐には勝って欲しいです!」
「ありがとう。もちろん私も負ける予定はない。三日目は色々とあるかもしれない・・・・・」
「その為に、虎次郎に作戦考えてもらったんだからいいんじゃない?」
予め七海中佐には伝えてあるので、それを踏まえて作戦を考えてもらっている。
こちらの準備は色々と万端である。あとはこの演習を最後まで遂行するのみ。
「さて、我々も行こうか」
長谷部の声に夜神達は軽く頷いた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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