ユカの逃走

1章

ゲーム

私は仕方なく条件を呑むしかなかった。
マオ「よし、じゃあさっそく始めようか。ルールを説明するよ。」
私は耳を傾けた。
マオ「今から君をこの部屋から出す。そして制限時間内にこの建物の出口まで辿り着けば君の勝ちだ。でももし途中で捕まったりしたら負け。負けた方は罰を受ける。OK?」
ユカ「分かった。」
マオ「ではスタート！」
こうして地獄のゲームが始まった。
ユカ（どこにあるのよここ！）
私は必死に出口を探し回った。しかし一向に見つからない。
もしかするとここにいるのは幻覚かもしれない。
私はそう思い込み壁を壊し始めた。
ドカンッ！ ユカ（やっぱり違う……）
どうやら現実らしい。
それなら早く脱出しないと。
私は再び走り出した。
ユカ（くっ、もうこんな所にいるのはいや！）私は必死に走るがやはりなかなか見つからなかった。
そしてついに制限時間が来た。
ユカ（えっ！？）
私は慌てて周りを見渡す。
マオの姿が見えない。
どうやら見逃してくれたようだ。
私は安心したが同時に不安になった。
ユカ（あれ？これってもしかしてチャンス？）
私は辺りを見渡して出口を探す。
ユカ（あった！！）
見つけた。出口らしき扉がある。
私は急いで駆け寄った。
ユカ（やった！これで出れる！）
ガチャ ユカ（開いた！！）
ドアノブを掴み捻る。
だが開かない。
ユカ（嘘！？なんでよ！！）
何度も開けようとするがびくともしない。
どうなっているのか分からないがとにかく開く気配はない。
ユカ（どうすれば……そうだ！！）
私は咄嵯に閃いた。
ユカ（ここは幻覚の中なんだから、この部屋のどこかに私の友達がいるはず！探してみる価値はあるかも！）
私は辺りを見渡す。
すると近くに何かが落ちていた。
ユカ（これは……拳銃！？どうしてこんな所に……）
私は恐る恐る拾い上げる。
ユカ（弾は入ってないみたいだけど、危ないものには変わりないし、とりあえず持っておこう。）
私は銃を持ちながら探索を続けた。
ユカ（いない……どこにいるのみんな……。）
私は探し続けた。
ユカ（あっ！あそこに誰か倒れてる！！）
私は急ぎその人の元へ駆けつけた。
そこには見知った顔がいた。
ユカ（マオ先生だ……まさかマオ先生もこの中に？そんな……そんな事って……）
私は動揺を隠しきれずにいた。ユカ（と、とにかく今はここから出ることを考えないと！）
私は気を取り直し再び歩き始める。
ユカ（おかしい……いくらなんでも広すぎる。それに他の人が見当たらないし、本当にここなのかな？）
私の中で疑念が生まれた。
ユカ（もしかして幻覚の中にいるんじゃなくて、夢を見てるとかそういうオチだったり？まぁいいわ。とにかく進むしかないんだし。）
私は考えを振り切り再び歩き始めた。
ユカ（出口はまだかなぁ。）
しばらく歩いていると、前方に扉があった。
ユカ（やっと出口！良かったぁ～。）
私は喜びながら扉を開ける。そこは長い廊下が続いていた。
ユカ（長すぎないかな。それになんか空気悪いような気がするし、早く出たいんだけどな。）
私はさらに先へと進んだ。
ユカ（また扉だ。さっきより小さいな。今度は何が出てくるんだろう。）
そう思いつつ私は扉を開けた。