ユカの逃走

1章

少女

扉を開けると中から白い煙が出てきた。
しまった！罠だったか。逃げられない！
私は思わず目を瞑った。
ん？何も起きない？
私はゆっくりと目を開いた。そして驚いた。目の前に女の子が立っていたからだ。
誰だろうこの子？すごく可愛いけど、ちょっと様子が変だよね。まるで人形みたいな。
私はその子を観察した。
髪は白くて長く、肌も透き通るように綺麗だし、瞳の色も同じ色をしてるんだね。
それに服装も変わってる。白のワンピースなんて珍しいな。
私が観察している間、その子はずっと無表情のままこちらを見ていた。そしてようやく口を開く。
？？？「あなたはだーれ？」
ユカ「喋った！？」
私は驚いていたがすぐに答えた。
ユカ「私はユカだよ。君は？」
？？？「わたしはルーシィっていうの！よろしくね！」
ユカ「えっと、うん、よろしく。」
私は戸惑いながらもなんとか返事をした。
ユカ「それで、ここはどこなの？」
私は質問した。
ルーシィ「ここ？ここはねぇ、うふっ♪ひみつ！」
ユカ「秘密？どういうこと？」
ルーシィ「それはねえ……教えてあげないっ！」
ユカ「えっ！？」
私は戸惑っていた。
ユカ「どうして？なんで教えてくれないの？」
ルーシィ「だってぇ、おしえたらつまらないもん！」
ユカ「つまらなくてもいいよ！だからお願い！」
私は必死になって頼んだ。だが彼女は聞く耳を持たなかった。
ルーシィ「だめったらダメッ！！」
ユカ「どうしても駄目なの？」
私は諦めずに頼み込んだがやはり無駄だった。ルーシィ「しつこい子はきらいっ！」
ユカ「ごめんなさい。でも知りたいんだ。」
私は頭を下げて謝ったがそれでも許してくれなかった。
ルーシィ「もう知らない！」
ユカ「待って！行かないで！！」
私は慌てて引き止めようとしたが遅かった。彼女の姿は既に消えていた。
ユカ「そんな……せっかく会えたと思ったのに……。」
私はがっくりと項垂れていた。