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第十二章 私の名は
12ー11 ナギサイド
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運命のあの日。そう、仲間のヒスイが、同じ仲間のバルンクに殺された、あの日。
「どうして?」
私とティアの目の前には、血塗れのバルンクの姿があった。そして、その隣には首がない死体があった。
「ティア! どうしてだ? どうして、こんな男と?」
バルンクとの間には、生首があった。その素顔は、私達がよく知る者だった。
「ヒスイ!」
その生首はヒスイのだった。
ヒスイの死体へ駆け寄ろうとした、ティアを制止。
「ティア! ヒスイはもう……」
「そんな!」
「……何で、ヒスイを殺した!?」
殺した張本人のバルンクに問いただす。
「俺よりも、力がないくせに、俺の手に入れなかったものを、手に入れやがって。だが、ヒスイは死んだ。これで、ティアは俺のものだ」
バルンクが一歩ずつティアに近づくたび、ティアは反対方向へ一歩ずつ下がっていく。
「ティア、君は幸せにする。だから、ヒスイのことは……」
「いやあああ!!! 来ないで!!」
「ティア?」
「あなたは、自分が、思い通りにならなきゃ、邪魔の人を殺すの? そんな人と、恋人になるのは無理よ!」
バルンクは下を向いた。そして。
「……何でだよ?」
「え?」
「何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、あいつばかり!!!」
発狂し始めた。
「なんで、お前は俺のものに、ならないんだよ! この世界を救ったのは俺なんだ!」
自分勝手の振る舞いをするバルンクに対し、私は。
「一人で、世界を救った気になるな! お前は、確かに、厄災を倒した。いや、トドメを刺しただけだ! ヒスイのサポーターがなければ、あんたは死んでいたんだ!」
「るぅせぇよよよ!!! こうなったら、俺のものになるまで、いた振って、やるよぉぉぉぉ!!!」
「させるかぁ!!! ティアに指一本触れさせない!」
私は勇能力の最終技、覚醒を使用した。
「サリナちゃん待って! あなたは、具合悪い見たいだわ! そんな、あなたを戦わせたくないわ!」
やはり、気づかれていたか。確かに、私の体には、異常がある。だが、それでも……。
「ティア、ごめん。どうか……あなただけでも」
こうして、私は、勝っても負けても、人として生きられなくなる戦いに挑んだ。
「やめて―――!!!」
第十二章 私の名は 完
「どうして?」
私とティアの目の前には、血塗れのバルンクの姿があった。そして、その隣には首がない死体があった。
「ティア! どうしてだ? どうして、こんな男と?」
バルンクとの間には、生首があった。その素顔は、私達がよく知る者だった。
「ヒスイ!」
その生首はヒスイのだった。
ヒスイの死体へ駆け寄ろうとした、ティアを制止。
「ティア! ヒスイはもう……」
「そんな!」
「……何で、ヒスイを殺した!?」
殺した張本人のバルンクに問いただす。
「俺よりも、力がないくせに、俺の手に入れなかったものを、手に入れやがって。だが、ヒスイは死んだ。これで、ティアは俺のものだ」
バルンクが一歩ずつティアに近づくたび、ティアは反対方向へ一歩ずつ下がっていく。
「ティア、君は幸せにする。だから、ヒスイのことは……」
「いやあああ!!! 来ないで!!」
「ティア?」
「あなたは、自分が、思い通りにならなきゃ、邪魔の人を殺すの? そんな人と、恋人になるのは無理よ!」
バルンクは下を向いた。そして。
「……何でだよ?」
「え?」
「何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、何で、あいつばかり!!!」
発狂し始めた。
「なんで、お前は俺のものに、ならないんだよ! この世界を救ったのは俺なんだ!」
自分勝手の振る舞いをするバルンクに対し、私は。
「一人で、世界を救った気になるな! お前は、確かに、厄災を倒した。いや、トドメを刺しただけだ! ヒスイのサポーターがなければ、あんたは死んでいたんだ!」
「るぅせぇよよよ!!! こうなったら、俺のものになるまで、いた振って、やるよぉぉぉぉ!!!」
「させるかぁ!!! ティアに指一本触れさせない!」
私は勇能力の最終技、覚醒を使用した。
「サリナちゃん待って! あなたは、具合悪い見たいだわ! そんな、あなたを戦わせたくないわ!」
やはり、気づかれていたか。確かに、私の体には、異常がある。だが、それでも……。
「ティア、ごめん。どうか……あなただけでも」
こうして、私は、勝っても負けても、人として生きられなくなる戦いに挑んだ。
「やめて―――!!!」
第十二章 私の名は 完
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