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第十四章 親と子
14-2 エドナサイド
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あたしは、カチュアさん、サリナさん、レオさん、マリンさん、メリアさん、ミラさんで、レオさんの故郷のダグザ王国へ向かうところなんだよ。
メリアさんは、ダグザ王に渡すものがあるから、ヘルディアじゃなくって、あたし達と一緒にダグザへ向かうことになったんだよ。
後の人達は、アイラさん、アニーさん、ギルティさんは、コルネリアに残って、国の動向を探ることにしたんだよ。ユミルさんとソフィアさんは、セシル王国に戻ることに。スイレンさんも、ルナちゃん、アンリさん、リリカさんの同行で、ロランス聖国に戻ったんだよ。
お空は今にでも、雨が降りそうな、曇り空なんだよ。
皆んなで、歩いていると、あたしが、この先に人が多く集まっているって、言ったら、隠れながら進むことになったんだよ。それで、皆の視界に入れる範囲へ、あたしが見た、人の集まりまで、たどり着いたんだよ。
「やばい! あれは検問だな」
帝国兵らしい人達が、大荷物を持った人に絡まれていたんだよ。大荷物の中まで見られているんだよ。泥棒行為を堂々とやっているのかな?
「どうする? ここを避けて通る?」
「できれば、交戦は避けたいからな。……カチュア、他に人がいないところはないか?」
カチュアさんは耳を立てたんだよ。
「ん~。この辺を囲むように、人の足音が聞こえるわ~」
「そっか。でも、よく考えれば、帝国軍に遭遇を避けながら、進んでも、こんな山奥では、遭難のリスクがあるな」
「じゃあ。あの検問をどうにかして、進むしかないか。でも、普通に通っても、誤魔化せないな。犬にしか見れない人形に入っているミラはともかく」
「なら、この中にエドナを入れて」
「いや! 入らねぇよ! ミラだけでも、ギリギリだから!」
今日のミラさんは口調の荒いんだよ。
「この子、性格変わっていない?」
「いつものことだ。それよりも、メリアさっきからなんであたしの耳を揉んでいるんだよ」
メリアさんはロンド村を出る時から、レオさんの猫さんのような耳を揉みながら進行していたんだよ。それも、幸せそうな顔だったんだよ。
「だって、会ってからずっと触りたかったんだよ。でも、ギルティがいる時には、取られちゃうんだ。レオは背が低いから、子供好きのギルティが独占しちゃうんだよな」
「あーそうですか。それよりも、あいつらをどうにかしないと」
「ん~。なら、ここは、このミラに任せろ!」
ミラさんは、犬人形から、出てきたんだよ。
「出てきて大丈夫なのか?」
「だ! だ! 誰も、見ていないから! 大丈夫です!」
さっきのミラさんよりも、もじもじとしているんだよ。
「この子、さっきまでと、性格が違うような」
「まあ、気にしないでメリア。で、どうするわけ?」
「こうするんですよ」
ミラさんは、鉄でできた筒見たいのを構えたんだよ。
「何だ、それ? ミラの武器か?」
「これは、どこかで見たような」
「これって、渓谷の時に使っただったよね? この穴から玉が出るんだよ」
「玉って、もしかして、それ!」
サリナさんの顔が怖い物を見たような顔をしているんだよ。
そして、大荷物を持った人が検問という場所から離れたタイミングで。
「検問には帝国兵しかいない、今がチャンスです。行きます。発射!」
ドッカーーーン!!!
「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
爆発に巻き込まれた検問の人達が空高く飛んで行ったんだよ。
「ひでぇ」
「やっぱり、砲台の一種か」
「さあ! 聞いましょう」
「何事もなかったかのように振る舞っているよ。恐ろしい子だ。あ! ミラは体が小さいが、二十歳だっけ?」
あたし達は、さらに、ダグザまで向かって、進んでいったんだよ。
そして、もう少しで、国境付近まで着くところで一休みしているんだよ。カチュアさんは、周囲の音を聞いて、周りの状況を確認しているんだよ。
「もう少しで、国境だけど、カチュア! どんな状況だ?」
「あの辺が国境なら~。それを塞ぐように配置されているわ~」
「しまった! 他国に行かれたら、捜索は不可能に近い! だから、国境から出さないように、警備を厚くしているんだ」
「どうするんだ?」
「また、ミラちゃんに爆破してもらったら~?」
あたしとミラさん以外、息を吐きながら、黙り込んちゃったんだよ。
「国境付近の警備となると、守備が高いはず、簡単に破ることができないじゃないか? それに、国境警備となると、勇能力を持つヤロウ達は一人ぐらいはいるはずだ」
マリンさんが、焦ったように言っているのは何でだろう?
「そっか~」
「じゃあ、カチュア! 見張りが手薄なところって、ないか?」
カチュアさんは指を刺して。
「ん~。あの辺かな?」
「……カチュア! エドナを連れて先に行って!」
「え? レオちゃんはどーするの?」
「帝国兵を足止めする」
「それしかないか、なら俺もレオと一緒に帝国兵を足止めする」
メリアさんって、自分のことを「私」って呼んでいなかったけ?
「なら、私も残る」
「ナギちゃん?」
「そうなると、ミラは足止めの方へ周ります」
「いや! 小人族のミラは先に行った方が」
「帝国軍の目的はエドナさん。で、小人族の噂は未だにない。それなら、現時点ではミラが逃げる必要はない。大丈夫です。人形を使って戦いますので」
「まあ、あの兵器があるのは、頼もしいな」
「マリンは、カチュア達と先に向かってくれますか? 狙いは、エドナだが、本物の皇女が生きていたら、何かと不都合でしょう。となると、消しに来ると思うんだ」
「まあ、妾が的になったら、テメェーらの足引っ張りそうだし。今回は仕方がないか。分かった、だが、気を付けろよ」
メリアさんは、ダグザ王に渡すものがあるから、ヘルディアじゃなくって、あたし達と一緒にダグザへ向かうことになったんだよ。
後の人達は、アイラさん、アニーさん、ギルティさんは、コルネリアに残って、国の動向を探ることにしたんだよ。ユミルさんとソフィアさんは、セシル王国に戻ることに。スイレンさんも、ルナちゃん、アンリさん、リリカさんの同行で、ロランス聖国に戻ったんだよ。
お空は今にでも、雨が降りそうな、曇り空なんだよ。
皆んなで、歩いていると、あたしが、この先に人が多く集まっているって、言ったら、隠れながら進むことになったんだよ。それで、皆の視界に入れる範囲へ、あたしが見た、人の集まりまで、たどり着いたんだよ。
「やばい! あれは検問だな」
帝国兵らしい人達が、大荷物を持った人に絡まれていたんだよ。大荷物の中まで見られているんだよ。泥棒行為を堂々とやっているのかな?
「どうする? ここを避けて通る?」
「できれば、交戦は避けたいからな。……カチュア、他に人がいないところはないか?」
カチュアさんは耳を立てたんだよ。
「ん~。この辺を囲むように、人の足音が聞こえるわ~」
「そっか。でも、よく考えれば、帝国軍に遭遇を避けながら、進んでも、こんな山奥では、遭難のリスクがあるな」
「じゃあ。あの検問をどうにかして、進むしかないか。でも、普通に通っても、誤魔化せないな。犬にしか見れない人形に入っているミラはともかく」
「なら、この中にエドナを入れて」
「いや! 入らねぇよ! ミラだけでも、ギリギリだから!」
今日のミラさんは口調の荒いんだよ。
「この子、性格変わっていない?」
「いつものことだ。それよりも、メリアさっきからなんであたしの耳を揉んでいるんだよ」
メリアさんはロンド村を出る時から、レオさんの猫さんのような耳を揉みながら進行していたんだよ。それも、幸せそうな顔だったんだよ。
「だって、会ってからずっと触りたかったんだよ。でも、ギルティがいる時には、取られちゃうんだ。レオは背が低いから、子供好きのギルティが独占しちゃうんだよな」
「あーそうですか。それよりも、あいつらをどうにかしないと」
「ん~。なら、ここは、このミラに任せろ!」
ミラさんは、犬人形から、出てきたんだよ。
「出てきて大丈夫なのか?」
「だ! だ! 誰も、見ていないから! 大丈夫です!」
さっきのミラさんよりも、もじもじとしているんだよ。
「この子、さっきまでと、性格が違うような」
「まあ、気にしないでメリア。で、どうするわけ?」
「こうするんですよ」
ミラさんは、鉄でできた筒見たいのを構えたんだよ。
「何だ、それ? ミラの武器か?」
「これは、どこかで見たような」
「これって、渓谷の時に使っただったよね? この穴から玉が出るんだよ」
「玉って、もしかして、それ!」
サリナさんの顔が怖い物を見たような顔をしているんだよ。
そして、大荷物を持った人が検問という場所から離れたタイミングで。
「検問には帝国兵しかいない、今がチャンスです。行きます。発射!」
ドッカーーーン!!!
「ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
爆発に巻き込まれた検問の人達が空高く飛んで行ったんだよ。
「ひでぇ」
「やっぱり、砲台の一種か」
「さあ! 聞いましょう」
「何事もなかったかのように振る舞っているよ。恐ろしい子だ。あ! ミラは体が小さいが、二十歳だっけ?」
あたし達は、さらに、ダグザまで向かって、進んでいったんだよ。
そして、もう少しで、国境付近まで着くところで一休みしているんだよ。カチュアさんは、周囲の音を聞いて、周りの状況を確認しているんだよ。
「もう少しで、国境だけど、カチュア! どんな状況だ?」
「あの辺が国境なら~。それを塞ぐように配置されているわ~」
「しまった! 他国に行かれたら、捜索は不可能に近い! だから、国境から出さないように、警備を厚くしているんだ」
「どうするんだ?」
「また、ミラちゃんに爆破してもらったら~?」
あたしとミラさん以外、息を吐きながら、黙り込んちゃったんだよ。
「国境付近の警備となると、守備が高いはず、簡単に破ることができないじゃないか? それに、国境警備となると、勇能力を持つヤロウ達は一人ぐらいはいるはずだ」
マリンさんが、焦ったように言っているのは何でだろう?
「そっか~」
「じゃあ、カチュア! 見張りが手薄なところって、ないか?」
カチュアさんは指を刺して。
「ん~。あの辺かな?」
「……カチュア! エドナを連れて先に行って!」
「え? レオちゃんはどーするの?」
「帝国兵を足止めする」
「それしかないか、なら俺もレオと一緒に帝国兵を足止めする」
メリアさんって、自分のことを「私」って呼んでいなかったけ?
「なら、私も残る」
「ナギちゃん?」
「そうなると、ミラは足止めの方へ周ります」
「いや! 小人族のミラは先に行った方が」
「帝国軍の目的はエドナさん。で、小人族の噂は未だにない。それなら、現時点ではミラが逃げる必要はない。大丈夫です。人形を使って戦いますので」
「まあ、あの兵器があるのは、頼もしいな」
「マリンは、カチュア達と先に向かってくれますか? 狙いは、エドナだが、本物の皇女が生きていたら、何かと不都合でしょう。となると、消しに来ると思うんだ」
「まあ、妾が的になったら、テメェーらの足引っ張りそうだし。今回は仕方がないか。分かった、だが、気を付けろよ」
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