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第十七章 忌まわしき過去
17ー10 スイレンサイド
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ドラゴン三体共、体に付いていた無数の鱗がどんどんと剝がれて行ったッス。その剥がれた鱗を、私達目掛けて、飛ばしていったッス。飛んで行った鱗は、まるで、鳥の様に飛んでるッス?
広範囲で飛んで来る無数の鱗を、カチュアさんは、私を抱きながら、躱していっているッス。カチュアさんがいなかったら、私は躱していくことが出来なかったッス。
躱したと思ったら、また、こっちに向かって来たッス! どうやら、追跡もできる見たいッス。また、カチュアは私を抱きながら、躱したッス。
剣で鱗を受け止めない辺り、カチュアさんには、分かっていると思うッス。あの飛ぶ鱗に当たれば、対象を両断してしまうッス。現に、飛ぶ鱗が岩が真っ二つに切断されたッス。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴か聞こえてきたッス! この声は複数の男性の声ッス!
そっか。確か、ドラゴンが現れる前に、コルネリア兵と交戦していたッス。カチュアさんの闘技で吹き飛んで戦闘不能にしたッス。それじゃ、この叫び声は……。
「うう!」
周りには、人の体が、バラバラになって散らばっていたッス。戦闘不能になったコルネリア兵が、ドラゴンの飛翔する鱗によって、切り裂かれたってことッスか。
あのゲス皇帝。味方がこの場に残っているにも関わらず、ドラゴンを放したってことッスか?
「……あまり、見ない方がいいわ~。生き残るために戦いに専念して~」
カチュアさんの言う通りです。あの飛翔して、襲ってくる鱗は、少しの油断をしたら、死に関わるッス。
「……このまま、逃げているだけでは、スイレンちゃんが危ないわ~。大体、動きは分かったわ~。そろそろ……」
カチュアさんは三体いるドラゴンの内の一体に目掛けて、走り出したッス。
飛翔する無数の鱗を躱しながら、助走を付けたカチュアさんは、スライディングをして、地面の上を滑ったッス。
でも、この先って……。
スライディングしたカチュアさんの周りが暗くなったッス。
グサ! グサ! グサ!
「グォぉぉぉ!!!」
暗くって何が起きているか、分からないッス! だって、私とカチュアさんがいる所は、三体いるドラゴンの内の一体の真下に居るからッス!
私とカチュアはドラゴンの真下から出ると、そのドラゴンの体には、無数の穴が空いていた。中には、体にあの鱗が刺さっていたッス。
そっか! 飛翔する鱗の追跡を利用して、ドラゴンに隣接することで、自滅する様仕向けたッスね。
カチュアさんは、あの考える暇を与えもしない、怒涛の広範囲攻撃を躱しながら、倒し方を導いたのかな?
「スイレンちゃん、離れて~」
脱出したばかりのカチュアさんは、担いでいた私を下したッス。
そして、ドラゴンの一体目掛けて、飛び込んだッス。それも、全身蒼い炎を纏ったうで、体を横回転しながら、突っ込んでいったッス。
ズバァーーーーーン!!!
ドラゴンの胸元には、大きな風穴が開いていたッス。いくら、タフの魔物でも、体内の魔石を砕くほどの攻撃が決まれば、一溜りじゃないッス。ドラゴンはそのまま、倒れて行ったス。
これで、残るドラゴンは後一体ッス。
「危ないわ~」
カチュアさんは、私がいる方角に、大剣を投げつけたッス。正確には……。
ドーーーーーン!!!
カチュアさんの投げた大剣が、私の近くにいたドラゴンに命中したッス。大剣を当てられたドラゴンは、当てられた衝撃で後方へ下がり一瞬怯んだッス!
カチュアさんがいなかったら、危なかったッス。ドラゴンは、あの爪で、私を切り裂こうとしていたッス。
「カチュアさんに、任せっきりに、するわけには、いかないッス。今度は私の番ッス」
私も一応、ドラゴンに対抗する術を持っているッス。ただし、数に制限があるから中々使えないッス。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は光の魔術を纏った鉄扇を振ったッス。鉄扇は閉じていた状態だったッスが、振った瞬間、鉄扇は開いたッス!
シュパーーーン!!!
ドラゴンの首は真っ二つに斬れたッス。
人形族の足には、鱗が付いていて、定期的に鱗が生え変わって、古い鱗ははがれていくッス。人魚族の鱗には、ドラゴンの体に有効なドラゴンキラーの性質があって、ドラゴン対策になるッス。これを鉄扇の中に仕込んで、鉄扇を思い切り振ると、鉄扇が開くと同時に、鱗が飛ぶ仕組みッス。簡単に言うと、この鉄扇はボウガン見たいな仕組みッス。
だけど、鱗は壊れやすいため、数に制限があるうえ、ドラゴンキラーの性質があっても、上級魔物のドラゴンの体を貫通することは困難ッス。だから、魔術を利用して、鱗を飛ばしたッス。今回は光の魔術を使って、光の速さで鱗を飛ばしたッス。
ちなみに、水と光魔術の使い分けは、対象の属性耐性ッス。ドラゴン型は光と闇以外の属性に対して耐性を持っていることがあるッス。このドラゴン達の耐性属性が分からない以上、水の魔術よりも、光の魔術を使った方が、効率的ッス。
何発か、飛ばした鱗は次々と、ドラゴンの体を切断していったッス。そして、魔石が埋め込まれているかもしれない、体の部分を切断したみたいで、そのドラゴンも倒れて行ったッス。
「あれ? もしかして、全員、倒したんですか?」
辺りを見ると、三体のドラゴンの死体があったッス。しかし、ほんの数秒で、三体を倒すなんて。
「でも、どーしましょう~?」
「カチュアさん、どうしたんですか? ドラゴンは倒したッスよ」
「わたし達がドラゴンと戦っている間に……」
私達がドラゴン三体と交戦中に、あの炎の海にした鳥の魔物がセシルに向かってどんどん侵入してきたッス。それにまた、森から火が燃えているッス。
ヒューーーン!!!
あれ? あの鳥の魔物達一匹ずつ、急に現れた水玉に閉じ込められたッス。水玉に閉じ込められた鳥の魔物はどんどんと墜落していくッス。
あれは……。
「これ以上、我が国に好き勝手することは許さない! 皆のもの、かかれ!!!」
セシル兵達が飛んで駆けつけてくれたッス。
そして、セシル軍による一斉の水の魔術発動で、火の海がどんどんと鎮火していったッス。
セシル兵達を仕切っているのは、セシル王アドラス。初めて会った時は、王の威厳を感じさせない、スケベなことを考えていそうな顔をしていたッス。しかも、王なの、王として、扱われていなかったッス。だけど、今指揮をしている、セシル王は、国を守る王に相応しい凛々しい振る舞いッス。
やはり、噂は本当だったッスね。どんな、苦戦を強いられる戦でも、その人格の良さと武術の才で勝利に導く、指揮をする王。それが、賢王アドラス。
スケベ王のイメージが強いッスけど。
広範囲で飛んで来る無数の鱗を、カチュアさんは、私を抱きながら、躱していっているッス。カチュアさんがいなかったら、私は躱していくことが出来なかったッス。
躱したと思ったら、また、こっちに向かって来たッス! どうやら、追跡もできる見たいッス。また、カチュアは私を抱きながら、躱したッス。
剣で鱗を受け止めない辺り、カチュアさんには、分かっていると思うッス。あの飛ぶ鱗に当たれば、対象を両断してしまうッス。現に、飛ぶ鱗が岩が真っ二つに切断されたッス。
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
悲鳴か聞こえてきたッス! この声は複数の男性の声ッス!
そっか。確か、ドラゴンが現れる前に、コルネリア兵と交戦していたッス。カチュアさんの闘技で吹き飛んで戦闘不能にしたッス。それじゃ、この叫び声は……。
「うう!」
周りには、人の体が、バラバラになって散らばっていたッス。戦闘不能になったコルネリア兵が、ドラゴンの飛翔する鱗によって、切り裂かれたってことッスか。
あのゲス皇帝。味方がこの場に残っているにも関わらず、ドラゴンを放したってことッスか?
「……あまり、見ない方がいいわ~。生き残るために戦いに専念して~」
カチュアさんの言う通りです。あの飛翔して、襲ってくる鱗は、少しの油断をしたら、死に関わるッス。
「……このまま、逃げているだけでは、スイレンちゃんが危ないわ~。大体、動きは分かったわ~。そろそろ……」
カチュアさんは三体いるドラゴンの内の一体に目掛けて、走り出したッス。
飛翔する無数の鱗を躱しながら、助走を付けたカチュアさんは、スライディングをして、地面の上を滑ったッス。
でも、この先って……。
スライディングしたカチュアさんの周りが暗くなったッス。
グサ! グサ! グサ!
「グォぉぉぉ!!!」
暗くって何が起きているか、分からないッス! だって、私とカチュアさんがいる所は、三体いるドラゴンの内の一体の真下に居るからッス!
私とカチュアはドラゴンの真下から出ると、そのドラゴンの体には、無数の穴が空いていた。中には、体にあの鱗が刺さっていたッス。
そっか! 飛翔する鱗の追跡を利用して、ドラゴンに隣接することで、自滅する様仕向けたッスね。
カチュアさんは、あの考える暇を与えもしない、怒涛の広範囲攻撃を躱しながら、倒し方を導いたのかな?
「スイレンちゃん、離れて~」
脱出したばかりのカチュアさんは、担いでいた私を下したッス。
そして、ドラゴンの一体目掛けて、飛び込んだッス。それも、全身蒼い炎を纏ったうで、体を横回転しながら、突っ込んでいったッス。
ズバァーーーーーン!!!
ドラゴンの胸元には、大きな風穴が開いていたッス。いくら、タフの魔物でも、体内の魔石を砕くほどの攻撃が決まれば、一溜りじゃないッス。ドラゴンはそのまま、倒れて行ったス。
これで、残るドラゴンは後一体ッス。
「危ないわ~」
カチュアさんは、私がいる方角に、大剣を投げつけたッス。正確には……。
ドーーーーーン!!!
カチュアさんの投げた大剣が、私の近くにいたドラゴンに命中したッス。大剣を当てられたドラゴンは、当てられた衝撃で後方へ下がり一瞬怯んだッス!
カチュアさんがいなかったら、危なかったッス。ドラゴンは、あの爪で、私を切り裂こうとしていたッス。
「カチュアさんに、任せっきりに、するわけには、いかないッス。今度は私の番ッス」
私も一応、ドラゴンに対抗する術を持っているッス。ただし、数に制限があるから中々使えないッス。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
私は光の魔術を纏った鉄扇を振ったッス。鉄扇は閉じていた状態だったッスが、振った瞬間、鉄扇は開いたッス!
シュパーーーン!!!
ドラゴンの首は真っ二つに斬れたッス。
人形族の足には、鱗が付いていて、定期的に鱗が生え変わって、古い鱗ははがれていくッス。人魚族の鱗には、ドラゴンの体に有効なドラゴンキラーの性質があって、ドラゴン対策になるッス。これを鉄扇の中に仕込んで、鉄扇を思い切り振ると、鉄扇が開くと同時に、鱗が飛ぶ仕組みッス。簡単に言うと、この鉄扇はボウガン見たいな仕組みッス。
だけど、鱗は壊れやすいため、数に制限があるうえ、ドラゴンキラーの性質があっても、上級魔物のドラゴンの体を貫通することは困難ッス。だから、魔術を利用して、鱗を飛ばしたッス。今回は光の魔術を使って、光の速さで鱗を飛ばしたッス。
ちなみに、水と光魔術の使い分けは、対象の属性耐性ッス。ドラゴン型は光と闇以外の属性に対して耐性を持っていることがあるッス。このドラゴン達の耐性属性が分からない以上、水の魔術よりも、光の魔術を使った方が、効率的ッス。
何発か、飛ばした鱗は次々と、ドラゴンの体を切断していったッス。そして、魔石が埋め込まれているかもしれない、体の部分を切断したみたいで、そのドラゴンも倒れて行ったッス。
「あれ? もしかして、全員、倒したんですか?」
辺りを見ると、三体のドラゴンの死体があったッス。しかし、ほんの数秒で、三体を倒すなんて。
「でも、どーしましょう~?」
「カチュアさん、どうしたんですか? ドラゴンは倒したッスよ」
「わたし達がドラゴンと戦っている間に……」
私達がドラゴン三体と交戦中に、あの炎の海にした鳥の魔物がセシルに向かってどんどん侵入してきたッス。それにまた、森から火が燃えているッス。
ヒューーーン!!!
あれ? あの鳥の魔物達一匹ずつ、急に現れた水玉に閉じ込められたッス。水玉に閉じ込められた鳥の魔物はどんどんと墜落していくッス。
あれは……。
「これ以上、我が国に好き勝手することは許さない! 皆のもの、かかれ!!!」
セシル兵達が飛んで駆けつけてくれたッス。
そして、セシル軍による一斉の水の魔術発動で、火の海がどんどんと鎮火していったッス。
セシル兵達を仕切っているのは、セシル王アドラス。初めて会った時は、王の威厳を感じさせない、スケベなことを考えていそうな顔をしていたッス。しかも、王なの、王として、扱われていなかったッス。だけど、今指揮をしている、セシル王は、国を守る王に相応しい凛々しい振る舞いッス。
やはり、噂は本当だったッスね。どんな、苦戦を強いられる戦でも、その人格の良さと武術の才で勝利に導く、指揮をする王。それが、賢王アドラス。
スケベ王のイメージが強いッスけど。
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