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王子からの招待状2
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「ともかく中身を確認してください、奥様」
カッフィーがお茶を入れ直し、デザートを2つ食べ落ち着いたお母様に、穏やかにいった。
「そうね」
「おかわり頂戴」
アルニーリがデザートのメロンシャーベットを至福の顔で頬張り、カッフィーに催促した。
「かしこまりました。奥様とスティール様の分をお持ちします」
お母様と私の皿を確認し、そう言った。
メロンシャーベットはとても美味しくてお母様も私も、勿論アルニーリもペロリと食べてしまった。
今年のメロンも甘いながらも、甘さだけでなく独特なメロンの濃厚さを舌に残し、それでいてすっと去っていく。
領地の皆の努力の賜物だし、それと料理長の腕もだな。
「お茶会の招待状だわ。それも、明後日よ」
お母様が封を開け読み終わると、私の前に置いた。
確かに、お茶会の招待の手紙だ。それ以外は、特に何も書いていない。
「何故こうなったの?」
「分からない。パーティーの時は本当に会ってないもの。というか、そういうのに興味がないからあえて逃げたもの」
「もしかしたら、未婚者に手紙を送っているのかも知れませんね。私もこのような手紙などは聞いた事がありませんが、王族が何をするかは、基本流布されないようになっております。未婚の貴族令嬢とお茶をし、お相手を探されているのかもしれません。手紙を受け取った、と大騒ぎした後王子となんの進展もない場合、醜聞となりますからね」
カッフィーがメロンシャーベットを置きながら、考えながら言った。
「そうかもしれないわね。それに、他の方も招待されているでしょうから、そんな中で言いふらしてしまっては恥ずかしいわね」
「あの、これ、参加しないとダメ?」
シャーベットを食べながら正直に聞いた。
「私、興味無い。王子なんてどうでもいいし、王宮のパーティーだって、もう参加するつもりは無い。それなのにお茶会に参加したら、他の令嬢から、あなたも狙っているのね、というふうに思われちゃうでしょ?」
それは、大変困る。
只でさえイケメングレンの浮気発覚で婚約解消して、目立っているのにこれ以上、目立ちたくない。
「残念ですが、お嬢様。こちらの招待状には参加、不参加の返事を選ぶ項目がありません。つまり、強制参加です」
カッフィーがさすがに冷たい言い方ではなく、言葉を濁しながら手紙を指した。
「どうされますか、奥様?」
静かに聞くカッフィーの言葉に、私とアルニーリがお母様を見た。
最終決定は、今はお母様だ。
「仕方ありません、参加しなさい。でもね、絶対に目立たないでよ」
不安そうに渋々言った。
「勿論よ」
「で?お姉ちゃま親密になったの?」
そのくだり、わざと言ってるわね。
「なったら困るでしょ?」
でも、心配しているのも分かっている。
「当たり前よ。お姉ちゃまは私が面倒見るんだからね」
「ありがとう。じゃあ私はお父様とイアンの為、全力で領地を豊かにするわ」
「その志の高さは素晴らしいです」
カッフィーの言葉に、大きくお母様が頷いてくれた
カッフィーがお茶を入れ直し、デザートを2つ食べ落ち着いたお母様に、穏やかにいった。
「そうね」
「おかわり頂戴」
アルニーリがデザートのメロンシャーベットを至福の顔で頬張り、カッフィーに催促した。
「かしこまりました。奥様とスティール様の分をお持ちします」
お母様と私の皿を確認し、そう言った。
メロンシャーベットはとても美味しくてお母様も私も、勿論アルニーリもペロリと食べてしまった。
今年のメロンも甘いながらも、甘さだけでなく独特なメロンの濃厚さを舌に残し、それでいてすっと去っていく。
領地の皆の努力の賜物だし、それと料理長の腕もだな。
「お茶会の招待状だわ。それも、明後日よ」
お母様が封を開け読み終わると、私の前に置いた。
確かに、お茶会の招待の手紙だ。それ以外は、特に何も書いていない。
「何故こうなったの?」
「分からない。パーティーの時は本当に会ってないもの。というか、そういうのに興味がないからあえて逃げたもの」
「もしかしたら、未婚者に手紙を送っているのかも知れませんね。私もこのような手紙などは聞いた事がありませんが、王族が何をするかは、基本流布されないようになっております。未婚の貴族令嬢とお茶をし、お相手を探されているのかもしれません。手紙を受け取った、と大騒ぎした後王子となんの進展もない場合、醜聞となりますからね」
カッフィーがメロンシャーベットを置きながら、考えながら言った。
「そうかもしれないわね。それに、他の方も招待されているでしょうから、そんな中で言いふらしてしまっては恥ずかしいわね」
「あの、これ、参加しないとダメ?」
シャーベットを食べながら正直に聞いた。
「私、興味無い。王子なんてどうでもいいし、王宮のパーティーだって、もう参加するつもりは無い。それなのにお茶会に参加したら、他の令嬢から、あなたも狙っているのね、というふうに思われちゃうでしょ?」
それは、大変困る。
只でさえイケメングレンの浮気発覚で婚約解消して、目立っているのにこれ以上、目立ちたくない。
「残念ですが、お嬢様。こちらの招待状には参加、不参加の返事を選ぶ項目がありません。つまり、強制参加です」
カッフィーがさすがに冷たい言い方ではなく、言葉を濁しながら手紙を指した。
「どうされますか、奥様?」
静かに聞くカッフィーの言葉に、私とアルニーリがお母様を見た。
最終決定は、今はお母様だ。
「仕方ありません、参加しなさい。でもね、絶対に目立たないでよ」
不安そうに渋々言った。
「勿論よ」
「で?お姉ちゃま親密になったの?」
そのくだり、わざと言ってるわね。
「なったら困るでしょ?」
でも、心配しているのも分かっている。
「当たり前よ。お姉ちゃまは私が面倒見るんだからね」
「ありがとう。じゃあ私はお父様とイアンの為、全力で領地を豊かにするわ」
「その志の高さは素晴らしいです」
カッフィーの言葉に、大きくお母様が頷いてくれた
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