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会議後4
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「何か気になることがあるのか?」
私が2冊の資料を真剣に見比べていたから公爵子息が聞いてきた。
「多分、ですが、運搬時の農作物は半分も傷んでいませんね」
曖昧に言ったが、確信があった。
「どういう意味ですか?」
イグニス様まで入ってきた。
「この夏の時期の運搬時の農作物はほぼ毎回半分が傷み、同じ所で破棄されている。これは誰が指示していましたか?ハンリバ男爵様ではありませんか?」
「そうだ。あいつが指示し箱を確認し、中身も俺に見せてくれた。傷む、と言うよりも腐っていたからな」
前に座る公爵子息は即答はしたものの、怪訝そうに眉を潜めた。
「ではその腐った農作物を、全部、ひとつ残らず、確認されましたか?1箇所に集め破棄しましたか?1部だけ見ていませんか?その時箱の中身は、確認しましたか?」
私の質問攻めに一気に空気が冷え、公爵子息の瞳が冷たく光った。
「そこも、か」
公爵子息のギリギリと歯ぎしりが聞こえそうだ。
「信頼関係とは違うでしょうが、あまりにも皆様が愚鈍すぎているのです。恐らくハンリバ男爵様は夏の農作物を、どう運ぶか知っていた。そこを全部逆手にとり、箱の支払いの横領だけでなく、物資の横領もした。だから、半分なのです」
資料には休憩場所にて農作物の確認をし、傷んだ物は破棄した、と書いてあるが、細かい数値が書いていない。
何箇所かある休憩場で、盗る量は違っても最後は必ずと言っていいほど半分になっている。
絶対にありえない事では無いが、この資料を見る限りその破棄の判断をしたのは公爵子息ではない、と内容でわかった。
ここだけ詳細では無いのだ。
出発前から到着まで10分刻みに様子が記載され、
最も出発時間が何時がいいのか、
気温が何度を越せば従者達の疲労が見える者が多いのか、
この道の曲がりは危ないなど、
この道は石が多く馬車が通りづらいなど、
本当に細かく、その辺に対してもちゃんと改善点を書いている。
「物資さえも横領していたのか」
吐き捨てた言葉には、ハンリバ男爵様に対する腹立たしだけではなく、己にも腹が立っている様子だった。
「あいつとあいつの従者が、全部見ていた。この事業は北部が統率をし、俺達は補助的、という形だからな」
「表向きは、ね。実際国が動けば主導権は確か地北部にあるが、責任は全て僕達に向けられる」
「何も知らない若造だから、良いように使われたのですね。経験が浅く、知識もなければ仕方ないです。手に入れた農作物を、どこかで高値で売っているのでしょね。許せないです!労力とお金をかけて作った農作物をいとも簡単に盗んで、しめしめと売ってる!!人間として最低です!!」
口に出せば、出すほど腹が立ってきた。
「じゃがいもが出来るまでどれだけ大変か知らないの!?冬の寒い時期に種植用の芽の出たじゃがいもを、かじかむ手でナイフを持って切る。それもだいたい雪が降りそうな時期で、テスト前!」
眠いを目を擦りながらテストを受けてみまなさいよ!いい点数が取れる訳がない。
でも、そんなの言い訳だ、と言われたに日はどうするのよ!?
「それも、これ小さすぎるとか、これは大きすぎるとか、芽があるとかないとかを、すごーーーーく、残念に言われたあの時の気持ち、分かる!?その上、その上、年に2回収穫する為にじゃかいの種を植えた後、ビニールを貼るんだけど、ビニールを貼ると熱を持つから早く芽が出てくるから、まめに見てあげないと芽が腐ったりするよの。確かにビニールを貼ると、緑化が少なくなる。でもね、ビニールがもこっ、としてくれたらそこを破って芽を出してあげれるけど、そうじゃないのもあるから、ぜーーーーーんぶ触って確認して場所を見て開けないといけない!!じゃがいも1個作るのがどれだけ大変か、分かってないから、そんな私利私欲に走るのよ!!なんで横領が分かっなかったの!?」
カッチャン!
持っていたカップを勢い余って机に置いてしまったらいい音がしてしまった。
「ごめんなさい!!」
「すまない!!」
目の前に座る2人とが、座りながらも直立不動の姿勢で謝って来た。
あれ?もしかして?
「えーと、私心の声が口に出てました?」
恐る恐る聞くと、こくこくと二人は頷き、イグニス様が急いで新しいお茶を入れ、公爵子息が、菓子をずい、と私の前に持ってきた。
なんだが怯えている皆に、一気に恥ずかしくて頬が熱くなった。
私が2冊の資料を真剣に見比べていたから公爵子息が聞いてきた。
「多分、ですが、運搬時の農作物は半分も傷んでいませんね」
曖昧に言ったが、確信があった。
「どういう意味ですか?」
イグニス様まで入ってきた。
「この夏の時期の運搬時の農作物はほぼ毎回半分が傷み、同じ所で破棄されている。これは誰が指示していましたか?ハンリバ男爵様ではありませんか?」
「そうだ。あいつが指示し箱を確認し、中身も俺に見せてくれた。傷む、と言うよりも腐っていたからな」
前に座る公爵子息は即答はしたものの、怪訝そうに眉を潜めた。
「ではその腐った農作物を、全部、ひとつ残らず、確認されましたか?1箇所に集め破棄しましたか?1部だけ見ていませんか?その時箱の中身は、確認しましたか?」
私の質問攻めに一気に空気が冷え、公爵子息の瞳が冷たく光った。
「そこも、か」
公爵子息のギリギリと歯ぎしりが聞こえそうだ。
「信頼関係とは違うでしょうが、あまりにも皆様が愚鈍すぎているのです。恐らくハンリバ男爵様は夏の農作物を、どう運ぶか知っていた。そこを全部逆手にとり、箱の支払いの横領だけでなく、物資の横領もした。だから、半分なのです」
資料には休憩場所にて農作物の確認をし、傷んだ物は破棄した、と書いてあるが、細かい数値が書いていない。
何箇所かある休憩場で、盗る量は違っても最後は必ずと言っていいほど半分になっている。
絶対にありえない事では無いが、この資料を見る限りその破棄の判断をしたのは公爵子息ではない、と内容でわかった。
ここだけ詳細では無いのだ。
出発前から到着まで10分刻みに様子が記載され、
最も出発時間が何時がいいのか、
気温が何度を越せば従者達の疲労が見える者が多いのか、
この道の曲がりは危ないなど、
この道は石が多く馬車が通りづらいなど、
本当に細かく、その辺に対してもちゃんと改善点を書いている。
「物資さえも横領していたのか」
吐き捨てた言葉には、ハンリバ男爵様に対する腹立たしだけではなく、己にも腹が立っている様子だった。
「あいつとあいつの従者が、全部見ていた。この事業は北部が統率をし、俺達は補助的、という形だからな」
「表向きは、ね。実際国が動けば主導権は確か地北部にあるが、責任は全て僕達に向けられる」
「何も知らない若造だから、良いように使われたのですね。経験が浅く、知識もなければ仕方ないです。手に入れた農作物を、どこかで高値で売っているのでしょね。許せないです!労力とお金をかけて作った農作物をいとも簡単に盗んで、しめしめと売ってる!!人間として最低です!!」
口に出せば、出すほど腹が立ってきた。
「じゃがいもが出来るまでどれだけ大変か知らないの!?冬の寒い時期に種植用の芽の出たじゃがいもを、かじかむ手でナイフを持って切る。それもだいたい雪が降りそうな時期で、テスト前!」
眠いを目を擦りながらテストを受けてみまなさいよ!いい点数が取れる訳がない。
でも、そんなの言い訳だ、と言われたに日はどうするのよ!?
「それも、これ小さすぎるとか、これは大きすぎるとか、芽があるとかないとかを、すごーーーーく、残念に言われたあの時の気持ち、分かる!?その上、その上、年に2回収穫する為にじゃかいの種を植えた後、ビニールを貼るんだけど、ビニールを貼ると熱を持つから早く芽が出てくるから、まめに見てあげないと芽が腐ったりするよの。確かにビニールを貼ると、緑化が少なくなる。でもね、ビニールがもこっ、としてくれたらそこを破って芽を出してあげれるけど、そうじゃないのもあるから、ぜーーーーーんぶ触って確認して場所を見て開けないといけない!!じゃがいも1個作るのがどれだけ大変か、分かってないから、そんな私利私欲に走るのよ!!なんで横領が分かっなかったの!?」
カッチャン!
持っていたカップを勢い余って机に置いてしまったらいい音がしてしまった。
「ごめんなさい!!」
「すまない!!」
目の前に座る2人とが、座りながらも直立不動の姿勢で謝って来た。
あれ?もしかして?
「えーと、私心の声が口に出てました?」
恐る恐る聞くと、こくこくと二人は頷き、イグニス様が急いで新しいお茶を入れ、公爵子息が、菓子をずい、と私の前に持ってきた。
なんだが怯えている皆に、一気に恥ずかしくて頬が熱くなった。
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