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本編
814 朝ッ!
朝起きて、ポチの煎れたコーヒーをちびちび飲んでいる時のことである。
「昨夜はお楽しみでしたね……だし」
「……ぶっ!?」
ジュノーが、いきなりとんでもないことを言い出した。
思わずコーヒー吹いてしまったじゃないか。
「い、いきなりなんだよ?」
「ポチが言えって」
はーん、ポチの指示か。
「まったくこのもふもふ小悪魔めが!」
「あぉんあぉんあぉんぉんぉん」
何食わぬ顔でトーストを持ってきやがったので、抱き上げてもにゅもにゅの刑だ。
ふははは、コブ取り爺さんばりの頬っぺたになっても知らんぞ、俺は!
「で、結局何してたし」
「秘密だ」
「教えるし!」
昨日は気を利かせて、ジュノーとチロルを連れて3人で過ごしていたようだが……。
「もー、ポチのパンケーキに釣られなかったら何やってるか見にいったのに!」
なるほど、パンケーキで釣っていた訳だな?
やはりポチ、策士である。
「秘密はなし! なしなんだし!」
「はあ、うっせぇー」
知ったところでどうにもならんだろ……。
イグニールはサモンモンスターやジュノーはもう許容範囲。
別に見てもいいけどって体裁を貫いているが、それは違う。
まるで小動物みたいに貪られる俺のイメージがな?
基礎ステータスが違うと、体力も違ってくる訳だ。
すなわち、今日の俺は少し頬がこけている。
さらに、今までずーっとずーっと我慢を強いてきた。
そんな彼女が一度解き放たれたらどうなる。
「ねえトウジ、イグニールはー?」
「まだ寝てる」
寝起きの3本勝負を挑まれ、勝者である彼女は悠々自適に二度寝を貪っていた。
今の俺の気持ちは、台風一過の晴れ模様と同じような感覚である。
あんなにドギマギしていたはずなのに、終わってみればあっさりしていた。
いや、そもそも男というものはあっさりしているのが普通である。
生物学的にも、きっとそうだ。
「あれ、キングさんは?」
そう言えばまだ図鑑に戻していないはずのキングさんの姿が見当たらない。
いったいどこなのだろうかとキョロキョロしていると。
「アォン」
ポチが朝、リビングに置いてあったと書き置きを持ってきた。
紙には達筆でこう書かれている。
我、あいつ、苦手。
主よ、覚えておけ。
いずれ9割程殺す。
起きたら図鑑に戻せ。
「ひえっ」
寝ている間にエスケープしていたようだ。
と、とにかく戻しておこう。
主人もそばにいないスライムキングが街近くに出没したとなれば大問題だ。
「ぐぬぬぬぬ、結局核にも触らせてくれんかった!」
ぶつくさと呟きながらスライム形態のブルーがリビングに現れる。
スライム形態にした本体を、人型の分体で抱えながらだ。
なんかすげぇ器用だな……。
洗練された無駄のない無駄な技術って感じがした。
「太初め、少しくらい良いだろうに! 触りっこくらい良いだろうに!」
「か、核は人間で言えば心臓みたいなもんだし……仕方ないんじゃない……?」
心音を聞き合うどころが、にぎり合うようなもんだ。
おっかない。
「お互いの核に触れ合ってこその愛情表現だろう! 人間だってそうだ!」
「え、そうなんだし? 核とかないけど? どうするし?」
「それはな、実は性的興奮状態に入ると人間は」
「だああああー! 朝からヘビーな話題はやめろ!」
生々しいったらありゃしない。
いつかジュノーにしっかりした性教育をするべきだな。
こういうのはイグニールに任せておこう。
つーか、ガールズトークとやらでえげつない話をしてるんじゃないか?
だとしたらわざとやってる節が垣間見えるな……まったく……。
「ほら、良いから朝飯食べろ」
「はーい」
これから帰ってスライム衛星の製作があるんだから。
オスローを通して、ライデンも噛ませるようにマイヤーには言ってある。
ってことは、製図の下働きはライデンが担当することになるはずだ。
製図されたものをレシピとして登録。
そして、俺が簡単製作を行い、分解してブラッシュアップするのがオスローの役割だ。
ヤベェ技術力だと最近噂になっているTAF。
そのブラックテクノロジーの正体がこれである。
今までオスローが設計してきたものは全て、ライデンが再設計。
装備として有効なものをつけておけば俺があっさり作れてしまう。
この世の物理法則っていうか、全てを知らんぷりするレベルのやばすぎる能力だ。
そりゃカルマもたまるわな……と、ため息が出ちまうよ……。
しかし、割とその辺に関して俺は厚顔無恥である。
装備製作の範疇ならば、俺はどんだけカルマを背負ったって良いんだよ。
その分、慈善事業的なものをしてバランスを取りましょうね。
ぐふふふふふ。
=====
東京などでは、今日すでに店舗に4巻が並んでいる可能性があるそうです。
正式な発売日は25日、明日ですがががが!祝4巻!
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