装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

文字の大きさ
515 / 650
本編

815 息をするように物理法則を無視

しおりを挟む

 みんなを連れ、あっさりとギリス首都のホームへ戻ってきた。
 特にドタバタした展開はなく、普通にハネムーン気分である。

 こうした日々も良いもんだな。
 みんなで適当に過ごす、何でもない日々……。

 ある意味、それが俺の目指しているゴール地点である。
 早いところ駆け抜けたいのだが、もうしばらくコソコソ裏方に努めたいところだ。

「なにしとん?」

 自室にこもって装備製作を一人で行っていると、マイヤーがひょっこり顔を出した。

「24時間耐久装備製作一本勝負」

「うわぁ……」

 露骨に弾いてらっしゃるが、明日もやるんだぞ。
 明後日もやるんだぞ。
 つーか、良い装備が出るまでひたすらやるんだぞ。

「みんなが特殊な攻撃以外では絶対に死なないような装備を作るんだ」

「何人分……?」

「全員分」

「いや、その全員の範囲がわからないんやけど……?」

「……俺もちょっとわからんけど、とにかく身の回り全部だ」

 こうして、ほぼ全ての人員にヤベェ装備を配る。
 みんなをヤベェくらい強化する。
 適当なやつが襲ってきても死なないようにすれば勝ちだ。

「人生な、途中で死ななきゃ勝ち確定じゃない?」

「そりゃ大往生ならうちも賛成やけど……」

 言葉を濁しつつマイヤーは続ける。

「トウジの正体知らん人にはどうやってその装備説明するん」

「ダンジョン探索しまくってゲットしてきたって言う」

 だってダンジョン内で作ってる装備だしな!
 しかし、圧倒的速度で資源を消費している。
 もう一度、魔王の精神世界に行きたいところだ。

 どうやったら会えるだろうか……。
 会いたいよ魔王。
 会いたくて震えてるよ。
 資源が足りなくなりそうで震えてるよ。

「ほぼほぼ次の戦いがほぼほぼ最終決戦みたいなもんだから、有り物すべて使っていく所存だ」

「ほーん……あんまり焦ってもアレやけど、商売でいったら商機みたいなもんやね」

「そうそう、ってことでとりあえず完成した装備を見てくれマイヤー」

「ええよ」

 俺の横にペタンと体操座りしたマイヤーに出来上がった代物を見せる。



【最上級アンドロイド(男)】
必要レベル:10
装備効果:商店機能



「……な、なにこれ? 装備?」

 中間にパカっと開けるような切れ込みが入った卵型のアイテムを見て首をかしげるマイヤー。
 まあ、これだけ見ても装備とは思わんだろう。

「これはアンドロイド」

「な、なんそれ?」

「えーと……説明が難しいな」

 ゲームでいうと、プレイヤーの後ろをくっついて歩いて回る装備アイテム。
 ある意味、ダンジョンでいうところのガーディアンだろうか。
 装備スロットにアンドロイドという項目があるゲームでは、一人一体までしか出せない。
 しかし、例によって、そういう制限がうまいこと解放されたこの世界では出し放題。
 マジでガーディアンみたいな感じだな。

「トウジが作った、ガーディアンってこと?」

「うーんガーディアンほど特殊な能力とか持ってないから、ゴーレム以上ガーディアン未満かなあ?」

 ゲームではアンドロイドは攻撃対象外。
 サモンモンスターと同じ立ち位置だ。
 多分、この世界では壊されても卵型に戻るだけだから何度でも召喚可能である。
 ってことでゴーレム以上。

「どうやって使うん?」

「ハートを使用するんだよ」

「ハート?」

「これこれ」

 合わせて作っていたアイテムを取り出す。



【ハート(金)】
必要レベル:30
VIT:60
UG回数:5
特殊強化:◇◇◇◇◇



「このハートを……こうして卵をパカっと開いて中に入れて閉じると……」

「──使用者登録完了。おはようございます、ご主人様」

 こうして人型に変形するって寸法だ。
 ゲームではエフェクトとともに出現したが、この世界では変形タイプっぽい。
 それに、一度召喚するとその時召喚した人が登録されるってわけか。
 ステータスのVIT値を見ると、しっかりハートの分が追加されている。

「うむ、良き」

 このハートを強化して、俺のステータスも強化する予定だ。
 UG回数が少なかったり、元のステータスが貧弱な部分は強化で何とでもなる。
 天使や悪魔のスクロールがありますので!

「しかも、これはお試し品だから、いくらでも強いハートに付け替え可能だよ」

「え、ちょ、ちょっと待って」

「ハートには潜在能力もつくから、ゴッド等級にしてALLステータス三つ、さらに追加潜在も同じように揃えれば、誰でも簡単ステータスアップになる代物さ」

「ま、待てて! 早いって! まだ思考が追いついとらんから!」

「アンドロイドにハートをセットしてないと効果がないから、気をつけてね」

「……装備語る時、いつも早口やんトウジ……」

「そう?」

 いかんな、自分の好きなものを語る時の隠キャ感満載だったようだ。
 でも、このアンドロイドにはまだまだ別の機能が存在する。
 そう、装備効果にも書かれていた商店機能だ。
 それも語りたい。語りたくてたまらん。

「もう一個語っておきたいものがあるけど、我慢した方が良い?」

「なんや子供みたいにうずうずして……好きにしーや……」

「これね、最上級からは商店機能ってのもついてるんだよ!」

「商店機能? 勝手に商売してくれるん? 買い出しとか? はー、便利やわー」

「いや、ケテル払ったらアイテム出してくれる。ほれ」

 そう言いながらアンドロイドにお金を払うと……。

「販売リストを読み上げますか?」

「いや、暗記してるから良い。とりあえず小腹が空いたから鰻の蒲焼きとミネラルウォーターくれ」

「合計2000ケテルです」

 ゲーム内でも確か両方とも1000ケテルの回復アイテムだったよなあ。
 他にもHPやMPが一等級ポーションレベルで回復するアイテムもある。
 その辺がゲームの時と変わってなければ、良いんだけどね。

「どうぞ、ご主人様」

 でてきたホカホカの鰻の蒲焼き、そして冷たいミネラルウォーター。

「ほら、マイヤーも一緒に食べよう」

「……な、なんな」

 マイヤーの方に視線を戻すと、わなわなと震えていた。
 そして。

「なんやそれ! なんやそれ! なんやそれ! はああああああ!?」

 部屋に響く叫び声であった。
 やっぱりマイヤーの反応は見てて面白いな。




=====
無限に買える。また、この世の法則一切合切無視。
ちなみにイグニールに見せた場合の反応は「へー、すごく便利ね」と何でも受け入れてくれるニールなので、トウジ的にはマイヤーの反応を面白がっています。本当に色々言ってくる妹感覚。

4巻発売しました!よろしくお願いします。
皆様の応援のおかげです。
月初にはコミカライズも更新される予定です!
そしてお休み期間も終了し、毎日更新頑張りますよ~。
しおりを挟む
感想 9,839

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。