【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)

文字の大きさ
109 / 124

109 早期解決案

しおりを挟む
 クロエたちに対『切り裂く闇』に特化した訓練をつけつつ、『切り裂く闇』の動きを待つ。

 クロエたちの仕上がりはいい感じだ。やはり若さがいいのか、乾いた大地が水吸うように、どんどんと上達していく。本来なら、こんな用途が限定的な訓練は、効率が悪すぎるからしないのだが、相手から襲われる心配がある以上仕方がない。

 必要に迫られて仕方がなく行った訓練だが、予想外の効果をクロエたちにもたらしたのも確かだ。

 クロエたちは、自由に外出することもできず、ずっと屋敷の中で缶詰だった。こんな状態では、ストレスが溜まるのは当たり前だ。しかし、訓練を始めてからは、クロエたちのストレスは軽減されたようだ。やはり、思いっきり体を動かすのがよかったのだろうか。

 意外なところから問題となっていたストレスに対する解法も出てきたことによって、オレたちは更に屋敷に閉じこもった。

 元々籠城するために買った屋敷だ。このまま籠城を続けて『切り裂く闇』の襲撃を待ち受けていたのだが……。

 一向に『切り裂く闇』に動きがない。

 こちらはやろうと思えばいくらでも籠城ができるだろう。しかし、いつまで経っても『切り裂く闇』に動きがない。これは問題だ。

 本当なら、『切り裂く闇』の問題などすぐに片付けて、ダンジョンの攻略の続きに取り掛かりたいし、他にもいろいろと用事が溜まっている。いつまでも『切り裂く闇』の相手をしているほど、オレたちは暇ではないのだ。

 そこで……。

「『切り裂く闇』の連中には、まだ動きがねぇのか?」
「ない」

 オレの問いかけを、オディロンが切って捨てる。

 オレたちは、現状の打破を図るために、オディロンに来てもらっていた。オディロンならば、冒険者の動向に詳しいし、経験も豊富だ。妙案を授けてくれるかもしれないという期待があった。

「現状、オレたちはいつまでも籠城はできると思う。『切り裂く闇』には借金があるらしいじゃねぇか。返済にも期限ってものがあるだろ? 時間は俺たちに有利に働くはずなんだが……。あまり時間をかけるのも無駄だ。オレたちは早くこの事態を収束させたい」
「お前さんの考えは分かるがの……」

 オディロンが腕を組んで、天井を睨み付けるように見つめる。まるでなにかを思い出すような仕草だな。きっと、今まで集めた情報を頭の中で精査し、いい案がないか考えているのだろう。

 やがて、オディロンが目を瞑ると、すぐに目を見開いてオレを貫くように見つめる。なにかいい案でもあったか?

「ふむ……。一応、早期解決させるための案が無いわけでもないが……」
「ほう」

 さすがオディロンだな。この短時間で打開策を練るとは。しかし、どうもオディロンの歯切れが悪い。どうしたんだ?

「なにか問題でもあるのか?」
「うむ……」
「言ってくれよ、オディロン。お前が言ってくれなきゃ解決策も練れねぇ」

 言い淀むオディロンを急かすと、ついにオディロンが諦めたように口を開く。

「先にも言ったが、手立てはある。しかし、危険な策だ。お前さんはいいかもしれんが、嬢ちゃんたちにはちとキツイぞ?」
「構わないわ」

 オディロンの覚悟を問うような声に、間髪入れずにイザベルが答えた。

「狙われているのですもの、危険は覚悟の上よ。降りかかる火の粉は自力で払わないとね。私たちは冒険者ですもの。それに、既に対『切り裂く闇』戦を想定した訓練も始まっているわ」
「ふむ……。準備がいいな。さすがアベルのパーティと言ったところか。それに、勇ましい。いい覚悟だな。これもお前さんの薫陶か?」
「いや、イザベルは元からこんな感じだ」

 イザベルは冷静沈着といった印象が強いが、極度の負けず嫌いでもある。いや、負けず嫌いと言うか、ナメられたら終わりのようなヤンキー染みた思考の持ち主だ。とにかく弱いところを見せない。今回も自分たちが『切り裂く闇』に劣ると思われたくないのだろう。

 しかし、悲しいかな。『切り裂く闇』の実力を知り、クロエたちを鍛えているオレだからこそ分かるが、クロエたちの実力は、『切り裂く闇』に比べると劣っていると言わざるをえないのが実情だ。

 さすがにレベル3ダンジョンをクリアしたばかりのパーティと、曲がりなりにもレベル6ダンジョンをクリアしたことがある『切り裂く闇』では、実力も知識も年季も違う。

 だが、オレは『切り裂く闇』のメンバーの苦手部分や弱点を知り尽くしている。

 戦術次第だが、勝てる可能性は十分にあると考えている。というか、そこまでクロエたちを対『切り裂く闇』戦闘に特化して鍛え上げた。

「イザベルの言葉じゃねぇが、オレたち『五花の夢』は、オディロンが考えているより劣ってるわけじゃねぇよ。勝率はそこそこある」
「ほう。相変わらずお前さんは凄まじいな」

 気が付けば、オディロンが眩しいものを見るような目でオレを見ていた。

「どうしたんだよ、オディロン?」
「いや、新人冒険者の嬢ちゃんたちが、レベル6ダンジョンをクリアしたパーティに勝てるなんて、尋常なことじゃねぇぞ? 普通は逆立ちしたって無理だ。その無理を可能にしちまうなんて……。お前さんの指導者としての力は、やはり群を抜いておる!」

 そうは言われても、頑張ったのはオレじゃなくてクロエたちだ。

「オレだけの力じゃねぇよ。『五花の夢』皆の成果だ」
「それでいて、驕ったところもねぇ! お前さんはやはり最高の冒険者じゃ!」

 なんだかなにを言っても褒め言葉が返ってくる機械になってしまったオディロン。褒められるのは嬉しいが、慣れてなさ過ぎて体がゾワゾワするな。

 そんなオレをクロエたちは温かい目で見ていた。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

ジャングリラ~悪魔に屠られ魔王転生。死の森を楽園に変える物語~

とんがり頭のカモノハシ
ファンタジー
「別の世界から勇者を召喚する卑怯な手口」に業を煮やした堕天使・ルシファーにより、異世界へ魔王として転生させられた大学生・左丹龍之介。 先代・魔王が勇者により討伐されて100年――。 龍之介が見たものは、人魔戦争に敗れた魔族が、辺境の森で厳しい生活を余儀なくされている姿だった。 魔族の生活向上を目指し、龍之介は元魔王軍の四天王、悪魔公のリリス、フェンリルのロキア、妖狐の緋魅狐、古代龍のアモンを次々に配下に収めていく。 バラバラだった魔族を再び一つにした龍之介は、転生前の知識と異世界の人間の暮らしを参考に、森の中へ楽園を作るべく奔走するのだが……

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

処理中です...