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好評価
しおりを挟む好きなバンドに対する偏見や好奇な目は、ファンにとってはかなり辛い。
彼らの音楽をもっと認めてほしい。
それはどのバンドのファンも同じ思いのはず。
……そんな中、
「Kanedo化粧品の企画書、後藤ので進めて行くことにしたから」
月山さんが、朝のミーティングでこう発表したものだから、私の中のヨシの存在が、また少し隅っこに押しやられてしまう。
「えっ、本気ですか??」
私と同じように企画書を書かされた営業マン達が驚いて私の顔を見る。
「あ、あの、本当にちゃんと読んだんですか?」
私だって信じられない。
月山さんはいたって平然として、
「一晩かけて四人分しっかり読んだ」
コピーした企画書を、皆に配り始める。
「後藤のは難しい用語とか使ってなくて、専門じゃなくても分かりやすい女らしい図解が好印象だった。俺が渡したマーケティングのデータも簡素化してあって、なおかつどうしたら高収益が得られ、他と差別化できるのか、第三者的に見たデータ解析が長けてたんだ」
……ちゃんと評価されたことが無かった私は、思わず、感動に近い涙を流しそうになった。
更に、
「で、どうだ? 後藤、プレゼン参加してみるか?」
月山さんが驚く提案をしてきたので、これには他のオペレーター、特に本山さんが黙っていなかった。
「月山部長!いえ、月山所長代理、ちょっとワンマン過ぎるんじゃないんですか?」
それは、評価していただいた私自身も感じている。
皆の意見や感情は無視しちゃうのだろうか?
そんな状況では、私はかなり仕事がやりにくくなるし。
「皆に投票権でも与えて選べば良かったか?」
月山さんが表情変えずに答える。
「そうじゃありません。企画書を出す指示を、オペレーターのなかで後藤さんにだけするってのは選り好みじゃないかと言っているんです」
他のオペレーターさんも、ウンウンと頷いている。
それでも、月山さんはクールな顔をしたまま、
「それは悪かった。俺は直感でチャンスを与えてきて、その感を今まで外したことがないからここに来たわけなんだが。後藤よりも優れた企画書を明日迄に持ってくるというなら、まだ決定迄に余地はあるが、どうする? それに、どうしてもやってみたかったなら己から挙手することも覚えたほうがいい。伊達に長年勤務してないんだから」
自身の非も認めつつ、本山さんたちの、やる気の無さを指摘していた。
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