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期待
しおりを挟む「そもそもさぁ、DTPオペレーターとデザイナーは違うんだからそれをプレゼンまで手伝わせるってどうなの?」
「優秀なデザイナーなら本社にいるでしょうに、なんであの子に企画書作らせたんだか」
「その境があいまいなのよ、うちの会社は」
何だかんだ言いながらも、結局、私の企画書でプレゼンが進められることになり、月山さんの命令で、私もそれに向けて取りかかることになってしまった。
月山さんの居ないところで、本山さんたちの愚痴が炸裂する。
「外で食べてきます……」
なので、何となく居づらくなったお昼の休憩は、久しぶりに外に出た。
ビルから出て、少し歩くとコンビニやパン屋さんもある。
もう少し時間とお金をかければ、10分歩いた所にお洒落なカフェもあった。
『パンにしよう……』
お腹もたいして空いてないし、一人でそんなところに入りたくはない。
「どれにしようかな」
ショーケースの残り少ないサンドイッチを選んでいると、
「そんなんで昼飯足りるのか? ダイエットなんかしなくても後藤は標準体型だぞ」
誉めてるのか分からない言葉をかけられた。
もちろん、月山さんからだ。
「男が言う標準体型って、女からすると太めってことが多いんですが……」
デリカシーの欠けている月山さんの方を振り返る。
「女は理想が高過ぎなんだよ、自分に対しても。それより、後藤、午後から外回りしろ」
「え」
「″ え ″じゃねぇ。データを見るだけでなく、自分の足でマーケティングリサーチするんだ、飯食ったら行くぞ」
「行くぞって、まさか」
「俺と回るんだよ、予定表にそう書いてきた」
私にとっては予定ではなく、突発的事項です。
「でも、私まだ終わってない仕事が……」
「チェックだけだろ? 他のオペレーターでも出来る。断られたら俺があとでやってやる」
俺がって、あなた所長代理なんですよ?!
部長なんですよ?
新人がやるような雑務をしてもらうなんて……。
「……そ、それはさすがに……」
気が引けて頼めない。手と首を横に振って丁寧にお断りするも、
「俺は、それくらいの覚悟でお前を推してるんだ、だから堂々と取り組め」
「……は、はい」
月山さんの期待をもろに感じてしまって、
「が、頑張ります」
今までにないくらいの仕事への熱意が湧いてきた。
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