美獣と眠る

光月海愛(こうつきみあ)

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電撃

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  帽子を持って退室、ヨシの後を追いかけた。

 良く考えたら、こんなの事務所の人が本人に届けるのに。
 ーーだけど、どうしても気になって。


「ヨシ……!」

 再び、トイレの前でヨシの姿を見つける。ヨシは振り返ると、

「やっぱり持ってきた……」

 イタズラに子供っぽく笑った。

「……何かあったの?」

 帽子を受けとると、ヨシは直ぐにかぶる。元気はないのに、何か急いでる感じ。


「何が?  俺が大人しいと気になるか?」

 私に視線を移したその瞳は、とてもキレイで、
何か言いたげだ。

「気にならない……と言ったら嘘になるかも」

 擬似恋愛お試し期間中とはいえ、ファーストキスの相手だし。


「アイツ……どうしてる?」

「え?」

「お前の上司」

「あ、あぁ、月山さん? いつもと変わらないよ」

 何故かキライなはずの月山さんの事を聞いてきた。

「そうか」

「……そうです……」

 やっぱり変だ。

「背徳って、どんな事を言うんだろうな?」

「……はい?」

 あら、またキャッチコピーの話?

「言葉のまんま、道徳に背を向けた行為なんじゃないですか?」

 なんだかんだとCMの事ちゃんと考えてるじゃん、と思っていたら、

「お前のこと、俺とアイツが二人同時に抱いたら……それは背徳になるのか?」

  駿足で私を赤面させるようなことを言ってのけた。

「な、なに言ってるんですかっ?!」

 二人?!
 いわゆる、さん×××(ピー)ってヤツですか?!

 思わず大きな声を出した私を、廊下を通る人達がジロリと見ている。


「違うか……お前は俺ともアイツとも赤の他人だからな」

「もうなに言ってるわかんない」

 元気ないような気がして、ちょっと心配してたのに、考えてることはソッチなの?
 憂いを含んだ横顔が気になりながらも、

「打ち合わせ、戻ります」

 仕事モードに切り替えようとしたら、


「お前、俺と電撃結婚する?」

 またまた、衝撃的な事を言い出した。




け、

結婚?!!
















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