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勘
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―――
「本日も宜しくおねがいしまーす」
Kanedo化粧品 kシリーズのWeb用と、広告用のポスター撮りのためにスタジオに訪れる。
テレビCM用よりも短時間で済むらしく、事務所が、このあとにバラエティーと音楽が混じった糞な番組にVirtueの出演を組み込んでいた。
それだけでストレスが溜まりそうなところへ、
「本日は、後藤がお休みを頂いてるので、俺一人でお伺いしましたー。いやー、ヨシさん、今日も美しいですね!! 化粧のノリ最高じゃないですかぁ?」
後藤晶が不在な上に、フェスの時から胡散臭いと思っていた加納という男が馴れ馴れしく絡んでくる。
「どぉも……」
「その肌艶はKanedo化粧品の最高級の美容液のおかげなんですかねぇ?!」
クライアントにもへつらう顔がわざとらしく、見たくない。
「後藤……さんは?」
「え? 気になります?……」
特に気になっていたわけじゃないが。
仕事に熱心だった後藤晶が、大事な広告撮りの現場に現れないなんて、よっぽどの理由があるんだな、と思って聞いてみた。
加納は、顔を少し引きつらせ、
「あー、なんか転んでケガしたみたいですよードジですよねぇ、注意力が足らないんですよ!仕事に対する責任感も欠けてるし」
同僚らしからぬ返事をしてきた。
「転んだ……また?」
「え?」
「いや……」
初めて会った時も階段ところで転びそうになってたし、ライヴ中も倒れて頭打ってたよな? ドジなのは、間違いないが。
「ちなみにどこでケガした? ケガの具合は?」
何となく引っ掛かった。
「え? あー、会社の中です。ノブに頭をぶつけたみたいで。あと、顔も打撲してて……」
「ノブ……?…」
本当に漫画みたいなケガの仕方しやがる。しかも、顔も打撲したって?
……普通、するか?
人間で健康な奴は転ぶ時に少なからず顔や頭を守ろうとして、手をつくはずじゃないか?
「本当に転んだだけ?」
俺は、昔から こういう勘はいい。
「……なんですか? 社の人間がそう言ってるんですから間違いないでしょ?それに、たかが広告代理店の担当のケガ位でいちいち気にしすぎですよ、人気バンドVirtueのヨシさんほどの人が」
笑顔が時折ひきつるのと同時に、現場へ来た時から、こいつが足を引きずらせていたのも気になっていた。
「会社で何かトラブルがあったんじゃないのかと気になってな」
加納の顔がみるみる歪んでいった。
「本日も宜しくおねがいしまーす」
Kanedo化粧品 kシリーズのWeb用と、広告用のポスター撮りのためにスタジオに訪れる。
テレビCM用よりも短時間で済むらしく、事務所が、このあとにバラエティーと音楽が混じった糞な番組にVirtueの出演を組み込んでいた。
それだけでストレスが溜まりそうなところへ、
「本日は、後藤がお休みを頂いてるので、俺一人でお伺いしましたー。いやー、ヨシさん、今日も美しいですね!! 化粧のノリ最高じゃないですかぁ?」
後藤晶が不在な上に、フェスの時から胡散臭いと思っていた加納という男が馴れ馴れしく絡んでくる。
「どぉも……」
「その肌艶はKanedo化粧品の最高級の美容液のおかげなんですかねぇ?!」
クライアントにもへつらう顔がわざとらしく、見たくない。
「後藤……さんは?」
「え? 気になります?……」
特に気になっていたわけじゃないが。
仕事に熱心だった後藤晶が、大事な広告撮りの現場に現れないなんて、よっぽどの理由があるんだな、と思って聞いてみた。
加納は、顔を少し引きつらせ、
「あー、なんか転んでケガしたみたいですよードジですよねぇ、注意力が足らないんですよ!仕事に対する責任感も欠けてるし」
同僚らしからぬ返事をしてきた。
「転んだ……また?」
「え?」
「いや……」
初めて会った時も階段ところで転びそうになってたし、ライヴ中も倒れて頭打ってたよな? ドジなのは、間違いないが。
「ちなみにどこでケガした? ケガの具合は?」
何となく引っ掛かった。
「え? あー、会社の中です。ノブに頭をぶつけたみたいで。あと、顔も打撲してて……」
「ノブ……?…」
本当に漫画みたいなケガの仕方しやがる。しかも、顔も打撲したって?
……普通、するか?
人間で健康な奴は転ぶ時に少なからず顔や頭を守ろうとして、手をつくはずじゃないか?
「本当に転んだだけ?」
俺は、昔から こういう勘はいい。
「……なんですか? 社の人間がそう言ってるんですから間違いないでしょ?それに、たかが広告代理店の担当のケガ位でいちいち気にしすぎですよ、人気バンドVirtueのヨシさんほどの人が」
笑顔が時折ひきつるのと同時に、現場へ来た時から、こいつが足を引きずらせていたのも気になっていた。
「会社で何かトラブルがあったんじゃないのかと気になってな」
加納の顔がみるみる歪んでいった。
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