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200.文化祭
「おしまいだよ?」
「最後…」
もう一度、触れ合う。
見つめ合って、彼女が扉を後ろ手に開ける。
触れたい。抱きしめたい。離れたくない。
「永那ちゃん、明日来るんだよね?」
「うん」
「私、一応12時~2時は空き時間だから。緊急で何かあったら、対応しなきゃいけないかもしれないけど」
「わかった、その時間に来るね」
彼女が放送室に入って、手を振ってくれた。
…本当に僅かな触れ合い。
嬉しいけど、寂しさも膨れる。
教室に戻ると、優里がほっぺを膨らませながら肩をポカポカ叩いた。
「どこ行ってたのー!明日、明後日いないんだから、ちゃんとやってよー!」
「はいはい、ごめんごめん」
ポンポンと頭を撫でて、飾り付けを手伝う。
「どこ行ってたの?」
千陽が聞く。
文化祭委員は、今日は仕事がないらしい。
「穂のとこ」
「あたしも行こっかな」
「忙しそうだったよ?」
千陽は目を細めて、私の言葉を疑うような視線を送ってくる。
「マジで」
「顔がニヤけてる」
その言葉は、無視する。
久しぶりの触れ合いだったんだから、ニヤけもするよ。
5時過ぎても、みんなはカフェのメニューの試作をしていた。
「千陽、こんな時間だけど…1人で帰れる?」
千陽がため息をつく。
「子供扱いしないで」
「…心配してるだけだろ」
頭をボリボリ掻く。
「…森山さんと帰るから、大丈夫」
文化祭委員をやり始めてから、千陽は森山さんとよく喋るようになった。
森山さんのほうはずっとビクビクしているようだけど。
彼女は、実は中学も一緒だったのだと千陽から聞いて心配になったけど、問題ないらしかった。
千陽が自分から喋りたいと思える相手ができたのは、良いことだ。
私は鞄を拾って、ブーイングを浴びながら1人で帰る。
大きくあくびをして、両手を上げて伸びる。
お母さんが3時頃寝たから、私も寝た。
昼間眠れなかったから、眠い。
アラームをつけたかったけど、もちろんそんなことはできない。
「起きれますように」と真剣に願って、布団に潜る。
目が覚めたのは11時半で…12時前に学校につきたかったのに、つけそうにないことにガッカリした。
急いで…でも音を立てないように、制服を着る。
小走りに学校に向かった。
ついたのは12時半過ぎで、放送室に行っても、もう穂はいなかった。
仕方ないから教室に向かった。
「あ、永那ー!」「両角、手伝えよ」「来れたの?」
クラスメイトの声を聞き流しながら「穂見なかった?」と聞く。
「彼女のためだけに来たのかよー」と文句を言われるけど「当たり前だろー」と返す。
「さっき体育館のあたりで見たよ」
その言葉を頼りに、体育館に行くけど、穂はいなかった。
「手伝ってけー!」「永那もう行っちゃうのー?」という声は無視した。
「永那?」
宣伝が書かれているダンボールを首から下げた優里がいた。
隣には2人、似たような格好をしているクラスメイトがいる。
「穂見なかった?」
3人は顔を見合わせて、「校門でパンフレット配ってるところにいたかな?」「見た気がする」「ラブラブだねえ、羨ましい」「ねー!私も恋人欲し~!」「文化祭でイケメンとの出会い、ないかな~」「私は好きな人が欲しい!」各々自由に話す。
「サンキュ」
校門に行ったけど、人がごった返していて、探しにくかった。
「あ、千陽」
千陽が森山さんと歩いていた。
「穂どこ?」
「知らない。さっきまでいたけど…」
「た、たしか、生徒会室に戻るって、い、言ってました…」
「ありがとう」
走って生徒会室に行く。
途中で時間を見て、2人でのんびり見て回る時間がなさそうだと判断して、お昼のたこ焼きを買った。
ドアの窓から覗くけど、生徒会室には誰もいなかった。
…早く会いたい。
一応メッセージは入れたけど、既読はつかない。
「両角先輩?」
名前を呼ばれて振り向くけど、誰かわからない。
「私、生徒会の者です。空井先輩をお探しですか?」
「ああ、うん」
「少々お待ちください」
少しキツめの目をした1年生の女子がトランシーバーを腰から外した。
「空井先輩、金井です。どうぞ」
ジジと音が鳴った後「空井です、どうぞ」と穂の声がする。
「両角先輩がお探しです。生徒会室にいます。どうぞ」
「わ、わかった…ありがとう。すぐ、行きます」
金井さんがトランシーバーを腰に戻す。
「ありがとう」
「いえ」
彼女はそのまま、生徒会室の中に入る。
私も入っていいのかわからなくて突っ立っていると「どうぞ」と言われた。
ドア近くの椅子に座る。
時計を見ると、もう1時半近くになっていて、ガッカリする。
金井さんは鞄からお茶を出して飲んでいた。
少し汗もかいているようで、(たしかに今日暑いもんなー)なんて、呑気に思う。
穂、ブレザー脱いじゃってるかな…。
「ねえ、金井さん」
「は、はい」
彼女は“ごきゅ”と喉を鳴らして、お茶を飲んだ。
「これ、お礼。穂を呼んでくれた」
手伝えないからと、クラスの売上に貢献。
ワッフルとタピオカ。
「え、い、いいんですか?」
「うん、たくさんあるしね」
「ありがとうございます…」
彼女が袋を受け取る。
「最後…」
もう一度、触れ合う。
見つめ合って、彼女が扉を後ろ手に開ける。
触れたい。抱きしめたい。離れたくない。
「永那ちゃん、明日来るんだよね?」
「うん」
「私、一応12時~2時は空き時間だから。緊急で何かあったら、対応しなきゃいけないかもしれないけど」
「わかった、その時間に来るね」
彼女が放送室に入って、手を振ってくれた。
…本当に僅かな触れ合い。
嬉しいけど、寂しさも膨れる。
教室に戻ると、優里がほっぺを膨らませながら肩をポカポカ叩いた。
「どこ行ってたのー!明日、明後日いないんだから、ちゃんとやってよー!」
「はいはい、ごめんごめん」
ポンポンと頭を撫でて、飾り付けを手伝う。
「どこ行ってたの?」
千陽が聞く。
文化祭委員は、今日は仕事がないらしい。
「穂のとこ」
「あたしも行こっかな」
「忙しそうだったよ?」
千陽は目を細めて、私の言葉を疑うような視線を送ってくる。
「マジで」
「顔がニヤけてる」
その言葉は、無視する。
久しぶりの触れ合いだったんだから、ニヤけもするよ。
5時過ぎても、みんなはカフェのメニューの試作をしていた。
「千陽、こんな時間だけど…1人で帰れる?」
千陽がため息をつく。
「子供扱いしないで」
「…心配してるだけだろ」
頭をボリボリ掻く。
「…森山さんと帰るから、大丈夫」
文化祭委員をやり始めてから、千陽は森山さんとよく喋るようになった。
森山さんのほうはずっとビクビクしているようだけど。
彼女は、実は中学も一緒だったのだと千陽から聞いて心配になったけど、問題ないらしかった。
千陽が自分から喋りたいと思える相手ができたのは、良いことだ。
私は鞄を拾って、ブーイングを浴びながら1人で帰る。
大きくあくびをして、両手を上げて伸びる。
お母さんが3時頃寝たから、私も寝た。
昼間眠れなかったから、眠い。
アラームをつけたかったけど、もちろんそんなことはできない。
「起きれますように」と真剣に願って、布団に潜る。
目が覚めたのは11時半で…12時前に学校につきたかったのに、つけそうにないことにガッカリした。
急いで…でも音を立てないように、制服を着る。
小走りに学校に向かった。
ついたのは12時半過ぎで、放送室に行っても、もう穂はいなかった。
仕方ないから教室に向かった。
「あ、永那ー!」「両角、手伝えよ」「来れたの?」
クラスメイトの声を聞き流しながら「穂見なかった?」と聞く。
「彼女のためだけに来たのかよー」と文句を言われるけど「当たり前だろー」と返す。
「さっき体育館のあたりで見たよ」
その言葉を頼りに、体育館に行くけど、穂はいなかった。
「手伝ってけー!」「永那もう行っちゃうのー?」という声は無視した。
「永那?」
宣伝が書かれているダンボールを首から下げた優里がいた。
隣には2人、似たような格好をしているクラスメイトがいる。
「穂見なかった?」
3人は顔を見合わせて、「校門でパンフレット配ってるところにいたかな?」「見た気がする」「ラブラブだねえ、羨ましい」「ねー!私も恋人欲し~!」「文化祭でイケメンとの出会い、ないかな~」「私は好きな人が欲しい!」各々自由に話す。
「サンキュ」
校門に行ったけど、人がごった返していて、探しにくかった。
「あ、千陽」
千陽が森山さんと歩いていた。
「穂どこ?」
「知らない。さっきまでいたけど…」
「た、たしか、生徒会室に戻るって、い、言ってました…」
「ありがとう」
走って生徒会室に行く。
途中で時間を見て、2人でのんびり見て回る時間がなさそうだと判断して、お昼のたこ焼きを買った。
ドアの窓から覗くけど、生徒会室には誰もいなかった。
…早く会いたい。
一応メッセージは入れたけど、既読はつかない。
「両角先輩?」
名前を呼ばれて振り向くけど、誰かわからない。
「私、生徒会の者です。空井先輩をお探しですか?」
「ああ、うん」
「少々お待ちください」
少しキツめの目をした1年生の女子がトランシーバーを腰から外した。
「空井先輩、金井です。どうぞ」
ジジと音が鳴った後「空井です、どうぞ」と穂の声がする。
「両角先輩がお探しです。生徒会室にいます。どうぞ」
「わ、わかった…ありがとう。すぐ、行きます」
金井さんがトランシーバーを腰に戻す。
「ありがとう」
「いえ」
彼女はそのまま、生徒会室の中に入る。
私も入っていいのかわからなくて突っ立っていると「どうぞ」と言われた。
ドア近くの椅子に座る。
時計を見ると、もう1時半近くになっていて、ガッカリする。
金井さんは鞄からお茶を出して飲んでいた。
少し汗もかいているようで、(たしかに今日暑いもんなー)なんて、呑気に思う。
穂、ブレザー脱いじゃってるかな…。
「ねえ、金井さん」
「は、はい」
彼女は“ごきゅ”と喉を鳴らして、お茶を飲んだ。
「これ、お礼。穂を呼んでくれた」
手伝えないからと、クラスの売上に貢献。
ワッフルとタピオカ。
「え、い、いいんですか?」
「うん、たくさんあるしね」
「ありがとうございます…」
彼女が袋を受け取る。
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