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4.踏み込む
207.文化祭
アンクレットとネックレスをつける。
フゥッと息を吐いて、浴室から出た。
「千陽」
呼ぶと、一室から顔を出してくれる。
…そこが、千陽の部屋かな?
「穂」
下唇を噛んで、彼女の口元が弧を描く。
その笑顔があまりに可愛くて、心臓がトクンと鳴る。
「似合ってる…」
コットン生地で、やわらかい質感の、ルームウェア。
薄いラベンダー色で、ワンピースになっている。
胸元にリボンがあしらわれていて、可愛らしくて、少し恥ずかしい。
「いつか…穂が泊まりに来たら、着てもらおうと思ってたの」
「え!?」
…そんなこと考えてたの!?
肩を撫でられて、そのまま手がおりてきて、繋ぐ。
「可愛い」
彼女がペロリと唇を舐める。
「ネックレス、永那から?」
「あ、うん」
「よく、似合ってる」
胸元で石がキラリと光って、リボンのちょうど真ん中で揺れる。
「ありがとう」
「あたし、入ってくるね」
「うん」
「部屋、いて?」
私が頷くのを確認してから、彼女はお風呂に入った。
「ハァ」とため息をついて、彼女の部屋に入る。
…ここも、真っ白。
お風呂場は、黒を基調としていたけど。
部屋のなかが、当然かもしれないけど、千陽の匂いで充満している。
あれ?
千陽のベッドもセミダブルだ。
いつか、私のベッドを“広い”と言っていたけど、同じじゃん。
ベッドに腰掛けて、髪をタオルで拭く。
後でドライヤーを借りよう。
…ドライヤーがどこにあるのかわからず、勝手に棚を開けるわけにもいかず、濡れたまま出てきてしまった。
文化祭で疲れているはずなのに、不思議と目は冴えている。
千陽のベッドのヘッドボードはモコモコしていて、ソファみたいになっていた。
…これも、高そう。
千陽はお嬢様だったんだな、全然知らなかった。
それだけお金があったら、公立の学校に通う必要なんてなかっただろうに…どうして、私立に通わなかったんだろう?
“母親にも、父親にも、あたしよりも大事な人が、他にいるから”
お母さんとお父さんが千陽をもっと大事に育てていたら、彼女はこんなにも苦しむ必要は、なかったのかな。
なぜ、今日も、お母さんとお父さんはいないんだろう。
彼女が“怖い”と言っているのに、なぜ…。
私も、小さい頃…おばあちゃんが帰ってしまって、家事と誉の世話を自分1人でしなければならなくなった頃、怖いと思う日をたくさん過ごしてきた。
雷が、そのうちの1つ。
小さい誉に抱きついて、泣いた。
それでも、仕方ないと思えた。
お母さんは仕事をしているし、おばあちゃんには自分の家があるんだし、私は私のやるべきことをしなければ…と思った。
“お姉ちゃんなんだから、しっかりね”というおばあちゃんの言葉を胸に抱いて。
私には、少なくとも誉がいた。
お母さんも、忙しくしていたけれど、話は聞こうとしてくれた。
…でも、千陽は…お母さんもお父さんもいるのに、寂しいことを伝えられない。
怖かったことを、伝えられない。
それって、すごく、辛いんじゃないかと、思う。
「穂」
俯いて、ただボーッと床を見ていたら、名前を呼ばれた。
顔を上げると、胸元が大胆に開いている、ツルツルした桜色のシルク生地のネグリジェを着た千陽が立っていた。
脇から太ももにかけての布がレースになっていて、肌が透けて見えている。
…もう、ほぼ下着じゃん!
息を、飲む。
彼女がフフッと笑う。
「なに、考えてたの?」
私の目の前に来て、肩にかけたタオルで髪を拭く。
「ねえ?穂、聞いてる?」
「…あ、いや…なんで、今日、千陽のお母さん達、いないんだろう?って」
フゥッと息を吐いて「そんなことか」と呟く。
「パパが出張なの。パパが出張のときは、ママは彼氏のとこに行く。それだけ」
パパが出張で、ママが彼氏のところ…?
全然理解できない。
「そんなことより…どう?これ」
そう言って、モデルみたいなポーズをとる。
「可愛い、よ」
彼女は不満そうに唇を尖らせる。
「穂、心配してくれるのは嬉しいけど…これがあたしの日常なの。これが、普通なの」
ボンッと私の隣に座って、伸びた髪を後ろにやる。
「心配するくらいなら、もっとあたしを見て?」
“謝るくらいなら、キスして”
永那ちゃんの言葉が蘇る。
「あたし、穂に、愛されたい」
ゴクリと唾を飲む。
下腹部が疼いて、鼓動が速くなる。
でも、胸の締めつけが、私の理性をなんとか保たせる。
私が、彼女を、さわるだけ…。
そっと彼女の唇に、唇を重ねる。
「ハァ、ハァ」と呼吸が浅くなるにつれて、激しいキスを交わす。
そのうち彼女をベッドに押し倒して、舌を入れた。
「ん…」
彼女のやわらかい舌が、ゆっくり私のと絡む。
さわり心地の良いシルク生地が、手に馴染む。
少し脇腹を撫でて、彼女の豊満な胸に触れた。
フゥッと息を吐いて、浴室から出た。
「千陽」
呼ぶと、一室から顔を出してくれる。
…そこが、千陽の部屋かな?
「穂」
下唇を噛んで、彼女の口元が弧を描く。
その笑顔があまりに可愛くて、心臓がトクンと鳴る。
「似合ってる…」
コットン生地で、やわらかい質感の、ルームウェア。
薄いラベンダー色で、ワンピースになっている。
胸元にリボンがあしらわれていて、可愛らしくて、少し恥ずかしい。
「いつか…穂が泊まりに来たら、着てもらおうと思ってたの」
「え!?」
…そんなこと考えてたの!?
肩を撫でられて、そのまま手がおりてきて、繋ぐ。
「可愛い」
彼女がペロリと唇を舐める。
「ネックレス、永那から?」
「あ、うん」
「よく、似合ってる」
胸元で石がキラリと光って、リボンのちょうど真ん中で揺れる。
「ありがとう」
「あたし、入ってくるね」
「うん」
「部屋、いて?」
私が頷くのを確認してから、彼女はお風呂に入った。
「ハァ」とため息をついて、彼女の部屋に入る。
…ここも、真っ白。
お風呂場は、黒を基調としていたけど。
部屋のなかが、当然かもしれないけど、千陽の匂いで充満している。
あれ?
千陽のベッドもセミダブルだ。
いつか、私のベッドを“広い”と言っていたけど、同じじゃん。
ベッドに腰掛けて、髪をタオルで拭く。
後でドライヤーを借りよう。
…ドライヤーがどこにあるのかわからず、勝手に棚を開けるわけにもいかず、濡れたまま出てきてしまった。
文化祭で疲れているはずなのに、不思議と目は冴えている。
千陽のベッドのヘッドボードはモコモコしていて、ソファみたいになっていた。
…これも、高そう。
千陽はお嬢様だったんだな、全然知らなかった。
それだけお金があったら、公立の学校に通う必要なんてなかっただろうに…どうして、私立に通わなかったんだろう?
“母親にも、父親にも、あたしよりも大事な人が、他にいるから”
お母さんとお父さんが千陽をもっと大事に育てていたら、彼女はこんなにも苦しむ必要は、なかったのかな。
なぜ、今日も、お母さんとお父さんはいないんだろう。
彼女が“怖い”と言っているのに、なぜ…。
私も、小さい頃…おばあちゃんが帰ってしまって、家事と誉の世話を自分1人でしなければならなくなった頃、怖いと思う日をたくさん過ごしてきた。
雷が、そのうちの1つ。
小さい誉に抱きついて、泣いた。
それでも、仕方ないと思えた。
お母さんは仕事をしているし、おばあちゃんには自分の家があるんだし、私は私のやるべきことをしなければ…と思った。
“お姉ちゃんなんだから、しっかりね”というおばあちゃんの言葉を胸に抱いて。
私には、少なくとも誉がいた。
お母さんも、忙しくしていたけれど、話は聞こうとしてくれた。
…でも、千陽は…お母さんもお父さんもいるのに、寂しいことを伝えられない。
怖かったことを、伝えられない。
それって、すごく、辛いんじゃないかと、思う。
「穂」
俯いて、ただボーッと床を見ていたら、名前を呼ばれた。
顔を上げると、胸元が大胆に開いている、ツルツルした桜色のシルク生地のネグリジェを着た千陽が立っていた。
脇から太ももにかけての布がレースになっていて、肌が透けて見えている。
…もう、ほぼ下着じゃん!
息を、飲む。
彼女がフフッと笑う。
「なに、考えてたの?」
私の目の前に来て、肩にかけたタオルで髪を拭く。
「ねえ?穂、聞いてる?」
「…あ、いや…なんで、今日、千陽のお母さん達、いないんだろう?って」
フゥッと息を吐いて「そんなことか」と呟く。
「パパが出張なの。パパが出張のときは、ママは彼氏のとこに行く。それだけ」
パパが出張で、ママが彼氏のところ…?
全然理解できない。
「そんなことより…どう?これ」
そう言って、モデルみたいなポーズをとる。
「可愛い、よ」
彼女は不満そうに唇を尖らせる。
「穂、心配してくれるのは嬉しいけど…これがあたしの日常なの。これが、普通なの」
ボンッと私の隣に座って、伸びた髪を後ろにやる。
「心配するくらいなら、もっとあたしを見て?」
“謝るくらいなら、キスして”
永那ちゃんの言葉が蘇る。
「あたし、穂に、愛されたい」
ゴクリと唾を飲む。
下腹部が疼いて、鼓動が速くなる。
でも、胸の締めつけが、私の理性をなんとか保たせる。
私が、彼女を、さわるだけ…。
そっと彼女の唇に、唇を重ねる。
「ハァ、ハァ」と呼吸が浅くなるにつれて、激しいキスを交わす。
そのうち彼女をベッドに押し倒して、舌を入れた。
「ん…」
彼女のやわらかい舌が、ゆっくり私のと絡む。
さわり心地の良いシルク生地が、手に馴染む。
少し脇腹を撫でて、彼女の豊満な胸に触れた。
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