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第六章・次期皇太子はドS!? 17
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記憶を消してだがな。だが、メアリー夫人は神である君主のご加護を受けている。ご加護のある者は天界に留まる事を許可されているのだ。それにメアリー夫人は我が君主の恋人でもあるしな』
「「えっ……?」」
思わない返答が返ってきたのでレイヴァン様と声が重なってしまった。
今の聞き間違いだろうか? 誰が誰の恋人だと言ったのかしら?
「今……何て?」
『だから、メアリー夫人は我が君主・クロノス様の恋人だ。現在もな』
「「えぇっー!?」」
またもや、レイヴァン様と声が揃ってしまった。驚きを隠せない。
だって、クロノス様は時の神だ。そんな凄いお方が……私のご先祖様と。まさかご加護だけではなく、愛し合っていたなんて。
「いや、だがメアリー夫人は前代サファード公爵の妻だぞ」
『そうだな、表向きはな。美しく、何より神に信仰があったメアリー夫人を君主も惹かれるようになった。しかし君主も精神体のため、現世に降りる事は出来ないし、触れる事もままならない。そこでだ、君主はある人間の男を器に使う事にした。サファード公爵の初代当主がまだ伯爵だった頃。彼もまた信仰のあった心優しい若き青年だった。丁度病で亡くなった彼の身体に憑依して身体を手にする。そして生き返った彼は、その後メアリー夫人を娶り、子供を授かった。それが、サファード一族のルーツだ』
えっ……じゃあ。私達サファード一族って……。
「じゃあ、サファード一族の先祖って、クロノス様の子でもあったのですか!?」
『そうだ。我が君主は肉体を創る事は出来ないが、魂を創り出す事は出来るのでな。それを利用して生まれてくる赤子の器に君主が創った魂を憑依させた。それが私だ!』
「「えっ……?」」
またもやレイヴァン様と声が揃ってしまった。クリスが、また驚くような発言をしてきたからだ。どういうこと?
「どういうことだ? クリス。ちゃんと答えよ」
レイヴァン様が怒ったように言うと、クリスはニヤリと笑う。
『そのままだ。私は一度憑依した経験がある。サファード公爵の息子として。その頃の母上はメアリー夫人だった。そして時が経ち、老いた私はまた天界に戻り、今度は門番として現在に至る。今の身体で二代目って事だな。あの頃の髪色は初代当主に似て黒髪だったが。今の容姿は父上に合わせたからだ』
「「えっ……?」」
思わない返答が返ってきたのでレイヴァン様と声が重なってしまった。
今の聞き間違いだろうか? 誰が誰の恋人だと言ったのかしら?
「今……何て?」
『だから、メアリー夫人は我が君主・クロノス様の恋人だ。現在もな』
「「えぇっー!?」」
またもや、レイヴァン様と声が揃ってしまった。驚きを隠せない。
だって、クロノス様は時の神だ。そんな凄いお方が……私のご先祖様と。まさかご加護だけではなく、愛し合っていたなんて。
「いや、だがメアリー夫人は前代サファード公爵の妻だぞ」
『そうだな、表向きはな。美しく、何より神に信仰があったメアリー夫人を君主も惹かれるようになった。しかし君主も精神体のため、現世に降りる事は出来ないし、触れる事もままならない。そこでだ、君主はある人間の男を器に使う事にした。サファード公爵の初代当主がまだ伯爵だった頃。彼もまた信仰のあった心優しい若き青年だった。丁度病で亡くなった彼の身体に憑依して身体を手にする。そして生き返った彼は、その後メアリー夫人を娶り、子供を授かった。それが、サファード一族のルーツだ』
えっ……じゃあ。私達サファード一族って……。
「じゃあ、サファード一族の先祖って、クロノス様の子でもあったのですか!?」
『そうだ。我が君主は肉体を創る事は出来ないが、魂を創り出す事は出来るのでな。それを利用して生まれてくる赤子の器に君主が創った魂を憑依させた。それが私だ!』
「「えっ……?」」
またもやレイヴァン様と声が揃ってしまった。クリスが、また驚くような発言をしてきたからだ。どういうこと?
「どういうことだ? クリス。ちゃんと答えよ」
レイヴァン様が怒ったように言うと、クリスはニヤリと笑う。
『そのままだ。私は一度憑依した経験がある。サファード公爵の息子として。その頃の母上はメアリー夫人だった。そして時が経ち、老いた私はまた天界に戻り、今度は門番として現在に至る。今の身体で二代目って事だな。あの頃の髪色は初代当主に似て黒髪だったが。今の容姿は父上に合わせたからだ』
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