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第二章・初めての夜。15

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「ユリア様……それが男です!」
 私は必死に否定するが、それをバッサリと切り捨てていくアミーナだった。
 あんた……それ正気で言っているの? 横でエレンは苦笑いしていた。
 するとドアが慌てて開けられる。入ってきたのは他の侍女だった。
「皇后様、大変です。陛下が……」
 今度は何なの⁉ また引き籠りして騒いでいるのかしら。
 だが、早く来て下さいと言われて無理やり連れて行かれる。やっぱり寝室だった。一度ならず、また引き籠ろうとするなんて。まったく相変わらず人騒がせな男ね。
 私は呆れながら行くと何やら騒いでいた。どうしたのかしら?
 覗くと陛下は荒れており、ロンと他の男が必死にそれを止めていた。
「陛下、おやめ下さい。いくらユリア様に二度目の平手打ちをされたからって、死のうとするなんて⁉﹂
「うるさい。勝手に死なせろ‼ 俺は恥をかいた。しかも男としてもだ! こんな恥ずかしい思いを周りに知られるぐらいなら死んだ方がマシだ‼」
 そう言いながら椅子に登ろうとする。よく見ると天井にロープ紐が……って自殺⁉
 ちょっと、何を考えているよ⁉
 どうやら私に二度目の平手打ちされたのと、失敗に終わったのが相当ショックだったらしい。いや。だからって自殺しようとする? 普通。
「大変ですユリア様。何とかして陛下の気を静めて下さい」
 エレンにそう言われるが静めるも何も……。だが、このまま放置する訳のも行かないし。もう……これだと本当に私が悪いみたいじゃないのよ⁉ あぁ……もう。
「陛下やめなさい。私が怒ったのは、あんなところでヤろうとするからよ‼ ちゃんとベッドで優しくシてくれたらあんな風に平手打ちなんかしなかったわよ」
 半分ヤケクソになりながら叫んだ。一瞬周りは静まり返る。陛下も驚いて止まった。自分でも言っておきながら恥ずかしくなる。穴があったら入りたい。
 だが何かハッとしたのか陛下は、
「そ、そんなのは俺の勝手だろ。それにベッドで抱かないと言ったはずだ」
 と、またもや意地を張り出した。まだ、そこに拘るの⁉
 真面目というか融通の利かない男ね? この場合は言う事ぐらい聞きなさいよ⁉
 くっ……こうなったら仕方がないわね。
「ベッドの方がいいに決まってるじゃない。そ、それに……ベッドの方が誰にも邪魔されないし。もっとお互いに気持ち良くなれるのに」
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