ゲッコウキ

六

　新しい場所　(4/6) 
新しい町に来てから一週間程経った。月夜も月光も仕事を見つけ、貧しいながらもしあわせに仲睦まじく暮らしていた時だった。 



「月夜。」


月夜「っ！？かっ、一政様？！」


月夜を拘束し、犯した月夜の主･一政があらわれたのは。 





　新しい場所　(5/6) 
一政「奉公途中で抜け出すなんて悪い女中だ。今すぐ戻るぞ。」


月夜「いやです！」


月夜は初めて他人に逆らった。自分の意思で。


「私の恋人に何の用だ。」


月夜「月光…！」


一政「悪いがその女は、うちの女中だ。まだ年季が残っている。だから連れ戻しにきたのだ。」


月光「そんな事を言っていいのか？お前が使用人にした事は分かっている。」


一政「なっ…！」


月光「お前は禁止されている人買いから使用人を買い、月夜をさらった。」


一政「証拠はあるのか？！」


一政は、明らかに動揺していた。その動揺が何よりの証拠だ。 


月光「証拠ならば、お前の町の奉行所にある。」


一政「っ？！」


奉行「南町領主･南 一政。大人しくお縄にかかれぃ！」


一政は、奉行所に連れていかれた。 


月光「月夜。もう大丈夫だ。お前が怯える原因はもうない。」


月光は、月夜を抱きしめ言った。


月夜「あの、どうゆいこと？」


月光「南奉行は、月光鬼の生き残りだった。だから協力して貰った。」