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世の中には陰キャと陽キャがいる
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「私と付き合ってくれない……?」
「……え?」
よく恋愛小説であるベタな展開。
ここは体育館裏で目の前にいるのは可愛いクラスメイトの女の子。
僕はこの子に呼び出されてここへ来た。
そして今、告白された。
この展開、ベタすぎてまじベタベタ。
ここから、この瞬間からこの二人の甘い高校生活が始まるのです。
「いやごめん、君、誰?」
「……え?」
さっきまで頬を赤らめて俯いていた女の子が顔を上げ、目をまん丸にして僕を見た。
「君、告白する人間違えたとかないかな?僕はパッとしない平凡な高校生。君みたいな可愛い女の子とは無縁なんだけど……」
「間違えてないよ!守山優樹君、だよね?間違えてないでしょ?あなたに私は今告白したの!」
「なんで君みたいな可愛い子が僕のこと知ってるの!?」
「傷ついた。私、クラスメイトだよ。あなたと同じクラス。なのに私の事知らないなんて……」
僕はかけている眼鏡をクイッと上げ、まじまじとその子を見た。
待てよ、どっかで見たことあるような……。
「あ!!君、同じクラスの西条さん?」
「思い出してくれた?」
「いや!でも!西条さんといったらクラスのアイドル的存在!いつも明るくニコニコしてて太陽みたいな人だ!僕なんてその太陽の光すら届かず光合成もできず教室の隅でひっそりと佇む陰キャ……。どうしてそんな太陽のような君が僕に……?」
ありえない。
僕は今までの人生恋愛経験ゼロ、告白なんてされたことは勿論ないし、これからもそんなことは起こらない予定だ。
普通は嬉しいのだろうが、僕は目の前のにわかには信じられないこの出来事を理解できず、更には疑い始めていた。
この子はもしかしたら陽キャパーティ(合コン)で何かゲームをして負けてクラスの一番地味な奴に告白するという罰ゲームをさせられているのかもしれない。
この子はもしかしたら1週間以内に彼氏を作らないと世界が滅びる呪いにかかっていてクラスで一番地味な、告白すればホイホイ付き合えて用済みになればすぐポイポイできそうな陰キャの僕が適任だと思って告白してきたのか、何がともあれ理由を聞かせてほしい。
ちゃんと嘘のない本当の理由を。
「好きって言ってるでしょ?何回も言わせないでよ……っ!」
西条さんはスカートをギュッと握りしめ、真っ赤な顔で僕を見ている。
これが本当に正真正銘の告白ならどんなに嬉しくてキュンとする瞬間だろうか。
「可哀想に……。そんなに頑張らないで。罰ゲームか何かなの?それかクラスで一番の陰キャに告白チャレンジなの?」
「どうして信じてくれないの?」
「僕みたいな陰キャにクラスの太陽のようなキラキラ陽キャの可愛い女の子が好意を持つわけがない!」
「キラキラ……?陽キャ……?」
「ああ、そうだよ。君たちみたいな人生楽しんでる毎日太陽の光を発してる人達のことを僕たちは陽キャって呼ばせていただいてるよ」
「ちょっと何言ってるのかわかんない……。とにかく、返事をください」
「勿論NOさ。僕は陽キャの罠には引っかからない」
「……っ!」
なんてことだ……!
西条さんは俯いて瞳からボロボロと大粒の涙をこぼしていた。
僕は生まれて初めて女の子を泣かせてしまった。
これは罪が重いぞ……。
「西条さんごめんね。泣かないで」
僕は女の子の泣き止ませ方も分からないのであたふたと西条さんの周りをうろちょろすることしか出来なかった。
「じゃあ私と付き合ってくれるの?」
「あ、それは無理です」
「うわぁーん!!」
西条さんは更にヒートアップし、大声で泣いている。
こんなとこ誰かに見られていたら僕は罪人じゃないか……。
学校中の陽キャにボコボコにされる。
もはや学校中の陰キャですら味方してくれないだろう。
「お願いだから泣き止んでよー!」
「……なんなの?こんな可愛い私から告白されて断るってなんなの?二度とないチャンスだと思わないの?私に好きになられてこんな光栄なことをなんで素直に喜べないの?」
「え?今なんて……」
「だぁかぁらぁ!!この西条ゆめが!クラスで一番可愛いこの私が!あなたのこと好きって言ってるのに!なんでそんな頑なに断るの?彼女いないんでしょ!?……え、いるの?嘘でしょ……?もういるの……?私、出遅れた感じ……?」
「あ、いや、いないです」
「良かったー!なら良いでしょ?こんな可愛い女の子と付き合えて幸せでしょ?」
「君、自分が可愛いこと分かってるの?」
「勿論よ。あんなにチヤホヤされて分からないなんて鈍感すぎるわ」
「自信満々だな……」
西条さん、こんなキャラだったっけ?
いつもクラスメイトから可愛いって言われてもそんなことないよ、なんて謙遜してたような。
「もういい。今日のところは諦めてあげる。でも明日またチャレンジするわ。明日もこの時間ここに来て。また告白するから良い返事待ってるね」
「っちょ待てよ!」
僕の渾身のモノマネを見ることなく西条さんは足早にこの場を去っていった。
大丈夫、明日また告白されたって僕は騙されない。
陰キャの僕が陽キャのキラキラ女子に本気で告られるわけがないのだから。
「……え?」
よく恋愛小説であるベタな展開。
ここは体育館裏で目の前にいるのは可愛いクラスメイトの女の子。
僕はこの子に呼び出されてここへ来た。
そして今、告白された。
この展開、ベタすぎてまじベタベタ。
ここから、この瞬間からこの二人の甘い高校生活が始まるのです。
「いやごめん、君、誰?」
「……え?」
さっきまで頬を赤らめて俯いていた女の子が顔を上げ、目をまん丸にして僕を見た。
「君、告白する人間違えたとかないかな?僕はパッとしない平凡な高校生。君みたいな可愛い女の子とは無縁なんだけど……」
「間違えてないよ!守山優樹君、だよね?間違えてないでしょ?あなたに私は今告白したの!」
「なんで君みたいな可愛い子が僕のこと知ってるの!?」
「傷ついた。私、クラスメイトだよ。あなたと同じクラス。なのに私の事知らないなんて……」
僕はかけている眼鏡をクイッと上げ、まじまじとその子を見た。
待てよ、どっかで見たことあるような……。
「あ!!君、同じクラスの西条さん?」
「思い出してくれた?」
「いや!でも!西条さんといったらクラスのアイドル的存在!いつも明るくニコニコしてて太陽みたいな人だ!僕なんてその太陽の光すら届かず光合成もできず教室の隅でひっそりと佇む陰キャ……。どうしてそんな太陽のような君が僕に……?」
ありえない。
僕は今までの人生恋愛経験ゼロ、告白なんてされたことは勿論ないし、これからもそんなことは起こらない予定だ。
普通は嬉しいのだろうが、僕は目の前のにわかには信じられないこの出来事を理解できず、更には疑い始めていた。
この子はもしかしたら陽キャパーティ(合コン)で何かゲームをして負けてクラスの一番地味な奴に告白するという罰ゲームをさせられているのかもしれない。
この子はもしかしたら1週間以内に彼氏を作らないと世界が滅びる呪いにかかっていてクラスで一番地味な、告白すればホイホイ付き合えて用済みになればすぐポイポイできそうな陰キャの僕が適任だと思って告白してきたのか、何がともあれ理由を聞かせてほしい。
ちゃんと嘘のない本当の理由を。
「好きって言ってるでしょ?何回も言わせないでよ……っ!」
西条さんはスカートをギュッと握りしめ、真っ赤な顔で僕を見ている。
これが本当に正真正銘の告白ならどんなに嬉しくてキュンとする瞬間だろうか。
「可哀想に……。そんなに頑張らないで。罰ゲームか何かなの?それかクラスで一番の陰キャに告白チャレンジなの?」
「どうして信じてくれないの?」
「僕みたいな陰キャにクラスの太陽のようなキラキラ陽キャの可愛い女の子が好意を持つわけがない!」
「キラキラ……?陽キャ……?」
「ああ、そうだよ。君たちみたいな人生楽しんでる毎日太陽の光を発してる人達のことを僕たちは陽キャって呼ばせていただいてるよ」
「ちょっと何言ってるのかわかんない……。とにかく、返事をください」
「勿論NOさ。僕は陽キャの罠には引っかからない」
「……っ!」
なんてことだ……!
西条さんは俯いて瞳からボロボロと大粒の涙をこぼしていた。
僕は生まれて初めて女の子を泣かせてしまった。
これは罪が重いぞ……。
「西条さんごめんね。泣かないで」
僕は女の子の泣き止ませ方も分からないのであたふたと西条さんの周りをうろちょろすることしか出来なかった。
「じゃあ私と付き合ってくれるの?」
「あ、それは無理です」
「うわぁーん!!」
西条さんは更にヒートアップし、大声で泣いている。
こんなとこ誰かに見られていたら僕は罪人じゃないか……。
学校中の陽キャにボコボコにされる。
もはや学校中の陰キャですら味方してくれないだろう。
「お願いだから泣き止んでよー!」
「……なんなの?こんな可愛い私から告白されて断るってなんなの?二度とないチャンスだと思わないの?私に好きになられてこんな光栄なことをなんで素直に喜べないの?」
「え?今なんて……」
「だぁかぁらぁ!!この西条ゆめが!クラスで一番可愛いこの私が!あなたのこと好きって言ってるのに!なんでそんな頑なに断るの?彼女いないんでしょ!?……え、いるの?嘘でしょ……?もういるの……?私、出遅れた感じ……?」
「あ、いや、いないです」
「良かったー!なら良いでしょ?こんな可愛い女の子と付き合えて幸せでしょ?」
「君、自分が可愛いこと分かってるの?」
「勿論よ。あんなにチヤホヤされて分からないなんて鈍感すぎるわ」
「自信満々だな……」
西条さん、こんなキャラだったっけ?
いつもクラスメイトから可愛いって言われてもそんなことないよ、なんて謙遜してたような。
「もういい。今日のところは諦めてあげる。でも明日またチャレンジするわ。明日もこの時間ここに来て。また告白するから良い返事待ってるね」
「っちょ待てよ!」
僕の渾身のモノマネを見ることなく西条さんは足早にこの場を去っていった。
大丈夫、明日また告白されたって僕は騙されない。
陰キャの僕が陽キャのキラキラ女子に本気で告られるわけがないのだから。
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