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【番外編】ジン×デュラム
一話 デュラムの気付きと涙 *自慰表現
それはジンが13歳の頃だ。
体が随分と大きくなり、顔つきも男前になってきた。
もうすぐ俺の身長を抜かしてしまいそうだが、いっぱい食べさせてきた甲斐があったと喜ぼう。
フランセーズんとこに学校ができたから、日中はジンもそこに通っている。
たまにユタカが遊びに来ると熱心に勉強を教わっていて、経済やら流通やら難しい質問をしていて、俺は全く話についていけない。
そんな我が子の成長を嬉しく思いつつ、寂しさもあった。
年頃だし、いつか彼女でも連れてくんのかなぁ。
この前も女の子から手紙貰ってたもんな。
ジンは俺一押しのイイ男だから、絶対に近い将来、男女関係なく引く手数多だ。
親バカな俺はいつもそんなことを考えていた。
その日、俺は日課の深夜の見回りをしており、孤児院はいつもよりも静かな夜だった。
大部屋で眠れない子がいないかとか、具合の悪い子がいないかを気を付けて見ていく。
みんなぐっすり眠っているようで安心した。
10歳以上の子には個室を与えているので、次は個室を見回る。
可能な限りプライベートを大切にしているので、個室を直接覗くことはしない。
しかし、俺は勇者なのだ。
感覚が常人とは違う。意識すれば扉越しでも相手の状態がわかっちゃうんだよ。
マジ便利。ありがとな魔王。
個室も特に問題はなさそうだ。
泣いてる子も、苦痛を隠している子もいなくてホッと胸をなで下ろす。
最後はジンの部屋だが、そこだけがいつもと違った。
「せんせ……せんせぇ……ッ」
ジンの熱の籠った声が、小さく俺を呼んでいる。
だが、病魔の熱ではないと俺はすぐに察していた。
この時俺は、しまった、と思った。まずい、だったかもしれない。
そんな差はどうでもいいが、とにかく俺は額に手を当てて天井を仰いでいた。
プライベートを暴くことはしたくないが、どうしても確認しなきゃいけないと思った。
扉には片目だけで覗ける程度の小さな小窓がある。
俺は気配を殺して、小窓に顔を近付けた。
「せんせぇ……好き、です……せんせ……」
陰茎を握り、自らを慰めるジン。
そして、ジンが反対の手で握りしめていた物は、明日洗濯予定の俺のエプロンだった。
俺は気付かれない範囲の最速の歩みでその場を離れた。
自室に入り、扉を閉め、背後の扉に体重を預けてズルズルとしゃがみ込み、項垂れる。
「アチャ~……」
薄々はジンの好意に気付いていたのだが、それは恋愛や性欲とは違うと思っていた。
いや、決めつけていたが正しい。
第一、俺はジンよりかなり年上だ。
本当に親子と変わらない17歳くらいの年齢差だから、さすがに無いと思いたかった。
嫌とか、そんなんじゃない。
ただ単純に自信がなかった。
この先、年代の近い良い子と出会うだろう。
だから俺が本気になっても、ジンには今後、沢山の選択肢が現れて当然そちらを選ぶ。
その時に俺は身を引いて、笑って見送ることができるだろうか。
ジンの幸せを願えるだろうか。
「ははは……バカだな、俺」
笑いがこみ上げてきた。
だって『俺が本気になっても』なんて、意識しまくってる証拠だ。
認めるのが怖かったけど、俺は喜んでいた。
オカズにされ、熱に浮かされた告白を目の当たりにして、俺は心の底から嬉しかったんだ。
でも、もうオッサンの年齢に差し掛かった俺に、ジンの人生を縛りつけたくない。
まだジンが大人になるまで時間がある。
その間に気が変わるかもしれないんだ。
結局俺は保護者として見守るしかできない。
ジンの気持ちを知らないフリで通すしかなかった。
今更だが、魔王もフランセーズもユタカもみんな気付いてたんだな。
しかもすっげー初期から。
子供の年月はとても長く感じられるのに、もう三年、ジンは俺のことを想ってくれていたんだ。
その事実だけでも、俺は幸せだった。
「ふふ……あ~あ……俺も、スッゲー好きじゃん……」
勝手に溢れてくる涙を手の甲で拭う。
大人になったジンが独り立ちして、別の誰かを愛し、俺を結婚式に招待してくれた時のことを想像しただけで泣けてきた。
どう考えても俺を想い続けるより、そっちの方が圧倒的に可能性が高いんだ。
現実になれば、今よりも沢山泣くだろう。
でもみんな、俺が泣き虫なのを知ってるから、誰もが感動の涙だと思ってくれる。
だからおめでとうって言いながら失恋の涙を流しても大丈夫だ。
体が随分と大きくなり、顔つきも男前になってきた。
もうすぐ俺の身長を抜かしてしまいそうだが、いっぱい食べさせてきた甲斐があったと喜ぼう。
フランセーズんとこに学校ができたから、日中はジンもそこに通っている。
たまにユタカが遊びに来ると熱心に勉強を教わっていて、経済やら流通やら難しい質問をしていて、俺は全く話についていけない。
そんな我が子の成長を嬉しく思いつつ、寂しさもあった。
年頃だし、いつか彼女でも連れてくんのかなぁ。
この前も女の子から手紙貰ってたもんな。
ジンは俺一押しのイイ男だから、絶対に近い将来、男女関係なく引く手数多だ。
親バカな俺はいつもそんなことを考えていた。
その日、俺は日課の深夜の見回りをしており、孤児院はいつもよりも静かな夜だった。
大部屋で眠れない子がいないかとか、具合の悪い子がいないかを気を付けて見ていく。
みんなぐっすり眠っているようで安心した。
10歳以上の子には個室を与えているので、次は個室を見回る。
可能な限りプライベートを大切にしているので、個室を直接覗くことはしない。
しかし、俺は勇者なのだ。
感覚が常人とは違う。意識すれば扉越しでも相手の状態がわかっちゃうんだよ。
マジ便利。ありがとな魔王。
個室も特に問題はなさそうだ。
泣いてる子も、苦痛を隠している子もいなくてホッと胸をなで下ろす。
最後はジンの部屋だが、そこだけがいつもと違った。
「せんせ……せんせぇ……ッ」
ジンの熱の籠った声が、小さく俺を呼んでいる。
だが、病魔の熱ではないと俺はすぐに察していた。
この時俺は、しまった、と思った。まずい、だったかもしれない。
そんな差はどうでもいいが、とにかく俺は額に手を当てて天井を仰いでいた。
プライベートを暴くことはしたくないが、どうしても確認しなきゃいけないと思った。
扉には片目だけで覗ける程度の小さな小窓がある。
俺は気配を殺して、小窓に顔を近付けた。
「せんせぇ……好き、です……せんせ……」
陰茎を握り、自らを慰めるジン。
そして、ジンが反対の手で握りしめていた物は、明日洗濯予定の俺のエプロンだった。
俺は気付かれない範囲の最速の歩みでその場を離れた。
自室に入り、扉を閉め、背後の扉に体重を預けてズルズルとしゃがみ込み、項垂れる。
「アチャ~……」
薄々はジンの好意に気付いていたのだが、それは恋愛や性欲とは違うと思っていた。
いや、決めつけていたが正しい。
第一、俺はジンよりかなり年上だ。
本当に親子と変わらない17歳くらいの年齢差だから、さすがに無いと思いたかった。
嫌とか、そんなんじゃない。
ただ単純に自信がなかった。
この先、年代の近い良い子と出会うだろう。
だから俺が本気になっても、ジンには今後、沢山の選択肢が現れて当然そちらを選ぶ。
その時に俺は身を引いて、笑って見送ることができるだろうか。
ジンの幸せを願えるだろうか。
「ははは……バカだな、俺」
笑いがこみ上げてきた。
だって『俺が本気になっても』なんて、意識しまくってる証拠だ。
認めるのが怖かったけど、俺は喜んでいた。
オカズにされ、熱に浮かされた告白を目の当たりにして、俺は心の底から嬉しかったんだ。
でも、もうオッサンの年齢に差し掛かった俺に、ジンの人生を縛りつけたくない。
まだジンが大人になるまで時間がある。
その間に気が変わるかもしれないんだ。
結局俺は保護者として見守るしかできない。
ジンの気持ちを知らないフリで通すしかなかった。
今更だが、魔王もフランセーズもユタカもみんな気付いてたんだな。
しかもすっげー初期から。
子供の年月はとても長く感じられるのに、もう三年、ジンは俺のことを想ってくれていたんだ。
その事実だけでも、俺は幸せだった。
「ふふ……あ~あ……俺も、スッゲー好きじゃん……」
勝手に溢れてくる涙を手の甲で拭う。
大人になったジンが独り立ちして、別の誰かを愛し、俺を結婚式に招待してくれた時のことを想像しただけで泣けてきた。
どう考えても俺を想い続けるより、そっちの方が圧倒的に可能性が高いんだ。
現実になれば、今よりも沢山泣くだろう。
でもみんな、俺が泣き虫なのを知ってるから、誰もが感動の涙だと思ってくれる。
だからおめでとうって言いながら失恋の涙を流しても大丈夫だ。
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