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三話 王子と魔王の筆おろし

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 魔王と王様の行為を見てからというもの、王子は毎晩のようにその光景を思い出しては自慰を繰り返しました。
 自分も王様がしていたことを魔王にしたいという欲望が膨らむばかりです。


 とうとう王子は我慢できなくなり、四日に一度の会話の中で直接魔王に言いました。
「僕はいつ、パパみたいにシルと子供をつくれるようになるの?」
 魔王は一瞬驚きに目を開きましたが、すぐにいつもの優しい微笑みを浮かべました。
「秘術を使えるようになるという点では、あと6年くらいだろうか」
 男の体に本来できるはずのない子供を宿すには双方に入念な準備が必要なのだと魔王は説明してくれました。
 相手ごとに術の調整が必要で、秘術を制御できるようになるには王子の肉体も成長しきらなければなりません。
「いずれ時が来ればパパが秘術を教えてくれる。焦る必要はないさ」
 魔王はそう言いましたが、王子は何故か泣きそうな顔になってしまいました。
「じゃあ、それまで僕はシルを愛せないの?」
 王子の言葉に魔王は首を傾げました。
「俺はアエラを愛しているし、愛されていると思っていたが?」
「そ、そうじゃなくて……!」


 説明するより先に体が動いた王子は、ベッドに腰掛けている魔王の唇に自分の唇を合わせました。
 ただ触れただけなのに、王子の心臓は口から転がり出てしまうのではないかと思うくらい激しく暴れています。
 王子は更に王様がしていた事を思い出し、魔王の両肩を掴んで広いベッドに押し倒しました。
 ふわりと白いシーツの上に広がる魔王の黒い髪が綺麗で、思わず溜息がこぼれてしまいます。
 あの時の二人は裸だったので、王子は魔王の服に手をかけました。
 魔王は突然の王子からの口付けに、動きも思考も停止していましたが、やっとの思いで言葉を発しました。
「……パパとのこと……見ていたのか」
「うん……僕もシルのこと大好きだよ、愛してるよ。それでも僕とはしたらダメなの?」
 王子は真剣に想いを伝えました。
 しばしの沈黙が流れましたが、魔王は大きく笑います。
「ふっ、ははは! いいともいいとも。あはははは、レクスの言う通り、血は争えんな!」
 何故か魔王はとても楽しそうでした。


 魔王は一旦体を起こして服を全て脱ぎ、王子に肌を晒しました。
 白い肌の下には、意外にも筋肉が浮き出ており戦士の様に引き締まっています。
 女性のような柔らかさはないのに、王子の目には何よりも魅力的に映りました。しばらく見惚れていると、魔王が王子に言いました。
「アエラ、もうここは一人前の男だな」
「あ……」
 魔王の美しい裸体に、若い体は反応していました。魔王は、布を押し上げている王子の股間を嬉しそうに眺めています。
 王子は恥ずかしくなって手で隠そうとしましたが、抵抗もむなしく魔王に衣服を全て脱がされてしまいました。
 いざ裸で向き合うと、王子はソワソワと落ち着きません。
 男女間での性教育は受けていましたが、男同士で、しかも親子でのことは何もわからないのです。
 魔王は王子の不安を感じ取り、そっと抱き締めました。
「大丈夫。これから初めての経験になるアエラが上手くできなくて当たり前だ。お前のパパですら最初は上手くいかなかった」
「え……パパが!?」
 王様をとても尊敬している王子は、魔王の言葉で肩の力が抜けるのを感じました。


 魔王はベッド脇にある棚から液体の入った瓶を取り出し、その用途を丁寧に説明してくれます。
「俺の魔法で準備もできるが、どういう場面でも対応できるようまずは薬品を使うことにしよう。これは中を綺麗にして、傷付かないように潤すためのものだ」
 そう言って魔王は自らの脚を大きく開き、その中心に指を這わせました。そこに瓶の液体をたっぷりかけ、魔王は二本の長い指をヒクついた穴にゆっくりと挿入し、抜き差しを繰り返します。
「ん……手順を見せるが、アエラは何もしなくていい。今日は俺の中で気持ち良くなることだけを考えろ」
 クチュクチュと粘度のある水音がやけに大きく聞こえました。
 魔王はお尻だけを弄っているのに、勃ち上がった性器の先端からは透明の液体がトロトロ溢れています。
「シル……お尻、気持ちいいの?」
 王子が素直に疑問をぶつけると、魔王の頬に赤みがさしました。
「……きもち、いい……」
 羞恥の混ざった魔王の反応に、王子の性器が更に大きくなってしまいます。痛いくらい張り詰めた性器に王子は怯えました。
「ねえ、シル、どうしよう、ここ……破裂しちゃいそう、助けて……」
 助けを求められた魔王は王子に近付き、優しくゆっくりと押し倒しました。
「ああ、すぐに助けてやる」
 魔王は王子に跨り、濡れそぼった中心に性器を押し当てて腰を下ろしていきました。ヌルヌルとしているのにキツく締め付ける極上の快楽に、王子は腰が砕けてしまいそうです。
「ふわ、あ……あああっ!?」
 手でする気持ち良さとあまりにも違うため、王子は自分が達したことすら理解できませんでした。
 しかし、気付かないのも無理はありません。精を放っても、その硬さが衰えることはなかったからです。
 魔王はそのまま優しく腰を上下しました。王子は温かい肉壁に性器が包まれる快感に我を忘れてしまいそうです。
「ア──ッ! あ、あぁ、シル……シルッ……また出ちゃう、いっぱい出るぅ!」
「ん、ん……ビクビクしてる……出てるの、わかる……すごいよ、アエラ……」
 まだ幼い少年である王子は、魔王の肉体に翻弄されるばかりでした。
「アエラ……ああ、なんて可愛い……まだまだ元気そうだ。このまま、何度でも出していいからな」
「シル、シルぅ……きもちよすぎるよぉ……ッあぁあ──!!」


 気が付けば王子は自室のベッドに寝かされており、初めての魔王との行為は“愛し合う”とは程遠い結果に終わりました。


 王子は悔しさを覚え、絶対に魔王を気持ち良くするのだと決意し、すぐに行動を起こします。
 とても素直な性格の王子は、先生をつけることにしました。
 向かうは王様の自室です。


 王子は目的のためならば最短距離を進む男でした。

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