52 / 113
第3章 七番勝負の開始
第51話 カラスが出産を知ったら(その1)
しおりを挟む
「じいちゃん、来たよー」
勢い良く玄関の引き戸が開いた音がして鈴香が駆け込んできた。
鈴香の祖父である馬場敬一がパソコンから顔を上げる。
「おお!今日も元気だな」
「鈴香ちゃん、うがいと手洗いはしたの?」
「ごめん、ばあちゃん、今してくる!」
大きな足音が遠ざかると洗面所で水音がする。
また足音が近づいてきて鈴香が再び居間に駆けこんできた。
「はい、どうぞ」
「ありがと、ばあちゃん」
鈴香は祖母の用意した麦茶を飲み干した。
「クロ、こんにちはー」
パソコンの横で羽根の手入れをしていたクロも「クワア」と返事をした。
「鈴香、福岡さんのニュースが出ていたぞ」
「ニュース?」
「ああ、男の子が生まれたそうだ」
「そっか!」
七番勝負第3局の場で倒れた後、鈴香も馬場も福岡の容態を心配していた。
馬場は佐倉を通じて棋士に尋ねていたものの、プライバシーの問題もあり、はっきりした情報は届かなかった。
「じゃあ、将来の竜王名人かな?」
「さあて、どうだろうなあ」
親子で棋士となった人は何人もいる。
古くは北町良雄十四世名人と息子の良徳九段。また、辻井八冠の師匠である桐本隆正八段の師匠だった田谷登九段と、その父親である田谷五郎九段も親子で棋士だった。
さらに将棋の動画配信で有名な富士林金也五段の母親は、元女流棋士の富士林春代女流四段だ。
「鈴香のライバルになるか?」
鈴香は「えー」と不満そうに唇を尖らせた。
「赤ちゃんだよね。10歳くらい違っちゃうんだよね」
「まあ、そうだなあ。10年後、20年後はどうだ?」
馬場は想像する。
『5歳くらいで将棋を覚えて、10歳くらいで研修会や奨励会に入って、15歳で中学生棋士になる…』
「もし15年後でも辻井八冠は40歳にもなってないんだよなあ」
「そうだね」
「鈴香は20歳ちょっとか、その頃には棋士になってるかな?」
「なるよ!絶対!」
鈴香は両手で拳を握りしめた。
勢い良く玄関の引き戸が開いた音がして鈴香が駆け込んできた。
鈴香の祖父である馬場敬一がパソコンから顔を上げる。
「おお!今日も元気だな」
「鈴香ちゃん、うがいと手洗いはしたの?」
「ごめん、ばあちゃん、今してくる!」
大きな足音が遠ざかると洗面所で水音がする。
また足音が近づいてきて鈴香が再び居間に駆けこんできた。
「はい、どうぞ」
「ありがと、ばあちゃん」
鈴香は祖母の用意した麦茶を飲み干した。
「クロ、こんにちはー」
パソコンの横で羽根の手入れをしていたクロも「クワア」と返事をした。
「鈴香、福岡さんのニュースが出ていたぞ」
「ニュース?」
「ああ、男の子が生まれたそうだ」
「そっか!」
七番勝負第3局の場で倒れた後、鈴香も馬場も福岡の容態を心配していた。
馬場は佐倉を通じて棋士に尋ねていたものの、プライバシーの問題もあり、はっきりした情報は届かなかった。
「じゃあ、将来の竜王名人かな?」
「さあて、どうだろうなあ」
親子で棋士となった人は何人もいる。
古くは北町良雄十四世名人と息子の良徳九段。また、辻井八冠の師匠である桐本隆正八段の師匠だった田谷登九段と、その父親である田谷五郎九段も親子で棋士だった。
さらに将棋の動画配信で有名な富士林金也五段の母親は、元女流棋士の富士林春代女流四段だ。
「鈴香のライバルになるか?」
鈴香は「えー」と不満そうに唇を尖らせた。
「赤ちゃんだよね。10歳くらい違っちゃうんだよね」
「まあ、そうだなあ。10年後、20年後はどうだ?」
馬場は想像する。
『5歳くらいで将棋を覚えて、10歳くらいで研修会や奨励会に入って、15歳で中学生棋士になる…』
「もし15年後でも辻井八冠は40歳にもなってないんだよなあ」
「そうだね」
「鈴香は20歳ちょっとか、その頃には棋士になってるかな?」
「なるよ!絶対!」
鈴香は両手で拳を握りしめた。
0
あなたにおすすめの小説
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる