5 / 7
⑤
しおりを挟む私の様子を見るように、ふわりと一度唇が合わせなれる。
大丈夫だと確認が取れたように、押し付けられた二度目。
「ふ……んんっ」
三度目は、かぷりと下唇を食まれた。
先生は私の唇を食みながら、ブラウスのボタンをゆっくりと外し始めた。
性急にではなく、今ならまだ止めるには間に合うといったスピードで、逆に私はそれに煽られてしまっている。
じれったくて、自分から先生に舌をのばして絡める。
初めて触れあった舌先は生温かくて、拒まれなかったことに心のなかで安心した。
「……吉岡は、舌が……長いんだな」
「ん……っ、そんなの、初めて言われました」
意識もしたことがなかったことを、先生に言われると妙な嬉しさがわいてくる。
「せんせいのは……あつくて」
「あつい……? 厚いのか……熱いのか、どっちだ」
「ふっ……そんなの、いま気になります?」
「気になるだろ、自分のことを言われたら」
早くはやく、直に肌に触って欲しい。
堪らなくなって、先生の手に胸が当たるように体を押し付ける。
だけど先生は、じらすみたいに、ボタンはあと幾つ外していい?なんて、キスを続けながら聞いてくるのだ。
また一つ、ボタンが外されたブラウスから遂に柔らかく膨らむ白い肌が晒された。
先生は二つの胸の真ん中に、ちゅっと口付ける。
それから、堪らないとばかりに肌の匂いを嗅いでいる。
「先生、私今日は汗かいてるから、そんなに嗅いだらいや……」
そんな事は知らないとばかりに、今度は先生の鼻先が片方の柔らかな胸の肉に沈む。
「……君からはいつも良い匂いがしているけど、部分によって違いがあるな」
サラサラとした前髪が肌に触れるたびに、先生の頭をかき抱きたくなる。
「はぁ、やっぱり好きな匂いだ……この下着、あとで譲って欲しいって言ったら引くか?」
顔を上げた九ノ瀬先生の瞳は熱っぽく潤んでいる。
私が一瞬え?と答えに戸惑っている間に、残りのボタンは素早く外されて片袖をするっと脱がされてしまった。
「ほら、支えてるから力をぬいて」
「えっ、あ」
一瞬も不安に思う間もなく、先生は私を膝からおろしソファーに押し倒した。
先生はそのまま覆いかぶさると、大きな手で私の片腕を上げて無防備な脇にも口付けた。
すん、と嗅がれたのに気付いて、恥ずかしくて腕を下ろそうとしても力でかなわない。
「うそっ、シャワーも浴びてないのに」
「……だからいいんだ。ああ、やっぱり綺麗だ」
熱い吐息がかかる。
ぺろり、と舌が触れて、体が跳ねた。
ちゅくちゅくとしゃぶるように舐められて、お腹の奥が熱くなる。
「やだっ……あっ……!」
身をよじっても、逃がさないとばかりに先生が私を片腕を掴む手に力をこめる。
それが恥ずかしいのと、嬉しいのと、気持ちよさで熱くなる。
先生の舌が、脇の下の薄い皮膚の上を何度も這う。
ぴちゃぴちゃと、唾液で潤った肌を舌が滑る音。
わざと固くした舌先で、くぼみをなぞられて、甘く大きな声が出てしまった。
「あん……!せんせ、そこばっかり」
やめて、と強く言えない。
くすぐったいのに、そのなかに気持ちよい感覚を拾ってしまう。
ブラジャーのなかで、胸の先が固く痛くなっていく。
このまま、その舌先で……と考えると声が止まらなくなってしまう。
自分のまだ知らなかった感度の高い場所を、先生に発見されてしまった。
私、脇を舐められてすごく感じちゃうんだ、ていうか、九ノ瀬先生の性癖って。
「せ、せんせいっ、あの、匂いを嗅ぐのとか、脇が……お好きなんですか」
ストレート。真ん中直球。だってもうキスもしてしまったし、ブラジャーを外される前に脇まで舐められてしまった。
嗅がれちゃったし……。もうここは腹を割って聞いてみるしかない。
「……うん、好きだ。それはもうめちゃくちゃに。シャワーを浴びる前の吉岡の匂いが嗅げるなんて、興奮し過ぎて射精しそう……バキバキに勃起して痛い」
このシチュエーションに開き直ったのか、それとも興奮で口が滑っているのか、先生はハッキリと私の質問に答えてくれた。
端正な顔をして、女の子なら誰だって見惚れちゃう顔で。
普段は寡黙な先生が、堰を切ったように自分の性癖を語る。
「……普通は引くよな、ごめん」
もう一度、今度は小さな声で「ごめん」と呟いた。
私の胸元に顔をうずめながら。
……。
……いや。
いやいや。
拒否されたら最後になるかと思っているのか、先生はまた私の胸の匂いを思いっきり嗅いでいる。
思い出つくりかな?
その間、先生の長くて綺麗な指が、ブラジャーの肩紐の上で戸惑うようにいったりきたり。
私はそんな九ノ瀬先生を見て、いつか三田先生が静かな事務所で鳴らした電子レンジの音が何故か頭の中に響いた。
チーン。
うん。
うんうん。
全然大丈夫、余裕だわ。
羞恥心なんて放り投げた。私、先生の知らない姿をいますごく見てみたい。
「……先生、他に嗅いでみたい所、あります?」
びっくりしたのか、先生は胸から顔を上げた。
ああ、やっぱり格好いい。
それに……かわいい。
0
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)
久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。
しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。
「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」
――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。
なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……?
溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。
王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ!
*全28話完結
*辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。
*他誌にも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる