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第一部.婚約破棄と新たな婚約

14.勉強とポテチ

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最近俺はハルに勉強を見て貰っていた。
来年からは学園に通うので編入試験を受ける為に勉強はしっかりしないといけないと言われて猛勉強していた。


これまでは廃嫡されることが決まっていたので学園に通えなかった。
そこは12歳から通うことが許されているがほとんどが貴族で名門貴族が通う王立学園だった。


既にマルスは幼稚舎に通っており来年は入学する予定らしい。



「まぁ、お前なら編入試験は問題ないだろうが…普通に入るんじゃ芸がない」

「え?」

「既にお前の噂は面白おかしく流れている。故にお前には中間考査試験の平均点よりも高得点を取ってもらう」


平均点って何点ぐらいなんだろう?
それ以前に基準点を合格するだけじゃダメなんだろうか?


「言っておくがお前は特別科だ、普通科なんて許さない」

「えっ…」

「ただでさえお前のことを悪く言う奴はいるだろう…馬鹿も後から入ってきた時にお前の成績が平均並みだったら色々吹聴するだろう」


うん、普通にやりうそうで怖いな。
この程度で大人しく引き下がらないと思う。

「その為にもお前は単細胞マルスよりも優秀だとアピールする必要がある」

「えー…」

「えー…じゃないだろ。お前の行動一つでヴィオレッタ様や侯爵家の顔に泥を塗ることにもなりかねないんだぞ」

「うっ!」

それを言われてしまうと頭が痛いな。
俺を婿養子に選んでくれたランスロット様に恥をかかせるわけには行かない。


すると傍からポリポリと音がする。

「まったく…もぐもぐ…そこまで心配する必要があるか?」

「殿下」


側でスナック菓子を食べているウィルフレッド様にハルは顔を引きつらせた。

眉間の皺が倍増だった。


「万一の時は私にお任せくださいな…それにしても癖になる味ですわ」

「うん、このチップスは実に美味い」


俺が手作りしたポテトチップスを美味しそうに食べている。
いいのか、王子がそんな庶民のお菓子の虜になってしまっても。


「本当に癖になりそうですわ」


この二人は庶民的な味を好むらしく、宮廷料理よりも煮込み野菜の方が好きのようだ。

現在侯爵家では庶民料理が流行しているb。

まぁ、レシピの提案は俺だけど。

貴族達が食べるお菓子は高カロリーで栄養価が全くないので俺は健康的なスナック菓子を提案した。


協力者はミカエラ様だけど。


ちなみに可愛いパッケージのデザインを考えてくれたミカエラ様は芸術の才能だけでなく商売の才能があったので二人で商品開発をしている。


今の段階ではミカエラの地位を確立できないと考え俺は、領地開拓を進めた。
そして尚且つシリガリー領地の特産物を作って商売をすれば貴族社会でも名前を売ることができるんじゃないかと思った。


「ミカエラ嬢も意外な才能があったな」

「元より多方面に才能がある方だったよ」

貴族社会でぱっとしないと言われながらも慎ましやかながらも勉学に熱心していたことが身を結んだ。


「しかしレシピを提供したのはお前だろ。権利まで渡すなんて」

「でも、商品を完璧なものにしたのはミカエラ様で材料費だって彼女が出してくれたんだから当然だよ。それに俺が考えたお菓子で沢山の人が喜んでくれるだけで充分だよ」

「このお人好しが!」

「いだだだ!」

そう言いながら頭をワシャワシャされてしまう。


「ベルン!エリオル様とイチャイチャしないでください!」

「そうだぞ、何て恐ろしい男だ」


「俺をアブノーマルにしないでください」


うん、今日も平和な一日だな。


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